SOUL FOOD, SOUL LIFE

【ほぼ毎日“R&B/SOUL”のCD全曲レビュー】Aretha Franklin の来日祈願と、YO-SUKE の日常備忘録も

Aretha Franklin / Knew You Were Waiting: The Best Of Aretha Franklin 1980-2014 (Vinyl) (2021)

71WmRkVorsS._AC_SL1200_91cjhNXgfiS._AC_SL1500_アレサのアリスタ期ベストが、収録曲を変えてLPにてリリース。CDやデジタルの再発は無し。先日タワレコ新宿店で現物と出会いましたが、買いませんでした(汗)。個人的には単純な焼き直しとかはちょっと控えだしてますかね、このサブスク時代。アリスタベストでいうと1994年Greatest Hits(R&B23位・POP85位を記録) そして今回の元となる2012年 Knew You Were Waiting: The Best Of Aretha Franklin 1980-1998 がありましたが(国内盤は1曲ボートラあり)、今回は2014年の1曲を追加することで時代が16年も長くなり、34年の範囲での収録となりましたが、あまり話題になってない模様。

2012年 Knew You Were Waiting: The Best Of Aretha Franklin 1980-1998
2012年 Knew You Were Waiting: The Best Of Aretha Franklin 1980-1998 (国内盤)

A1. United Together (Single Version)
A2. Love All The Hurt Away (with George Benson)
A3. Jump To It (Radio Mix)
A4. Get It Right (Single Version)
A5. Freeway Of Love (Single Version)
B1. Who's Zoomin' Who
B2. Sisters Are Doin' It For Themselves (with The Eurythmics)
B3. Another Night (Single Mix)
B4. Jumpin' Jack Flash (with Keith Richards) (7" Mix)
C1. Jimmy Lee (Single Version)
C2. I Knew You You're Waiting (For Me) (with George Michael)
C3. Through The Storm (with Elton John)
C4. It Isn't, It Wasn't, It Ain't Never Gonna Be (with Whitney Houston) (Single Version)
D1. Ever Changing Times (with Michael McDonald) (Single Edit)
D2 .A Deeper Love (with C+C Music Factory)
D3. Willing To Forgive
D4. A Rose Is Still A Rose (Radio Edit)
D5. Rolling In The Deep (The Aretha Version)

収録曲としては、アルバムLP化が初めての曲もあるので、ちょっとマニアックに解説だけ。一応、年代順に収録されつつ、国内盤ボートラだった"A Deeper Love" はリミックスではない本家ヴァージョンでの収録。更に2014年最後のチャートヒットシングルを収録。2LP計18曲・76分半程。

これまでアレサのアリスタ期のExpanded Edition は1st〜6th+8th までリリースされてきましたが、シングルヴァージョンなどのリマスターLP化はほぼ行われてませんでした。なのでアリスタ期の別ヴァージョンをLPで聴きたい方には面白いと思います。あと、このベスト自体はリミックスも新たに行われているので、ジョージ・マイケルとの曲なんて打ち込み具合が変わってたり、だいぶ印象が異なる曲も一部含むのが特徴です。








V.A. (Jennifer Hudson) / Respect (OST) (2021)

71BwIVv1IqL._AC_SL1214_61+Dyt4WZNL._AC_SL1200_本日、アレサ・フランクリンが亡くなって3年となります。合掌。

―アレサ・フランクリンの伝記映画、いよいよ2021年8月13日全米にて公開。当初 Roots なる1999年ので伝記をもとに制作が構想が出てきて、2000年代から常に話題になっていたのですが、最も可能性のあったハル・ベリーには断られ(リップシンクでもいいとアレサに言われたけど、無理と)、最終的にジェニファー・ハドソンにて合意。2010年代からもアレサ自身も関与してきましたが体調不良なども重なり、実際の製作はアレサ逝去後に本格始動となりました。本来2020年公開予定で進められてましたが、アレサのオールタイムベスト同様 コロナで延期。今回満を持しての公開、そしてサントラもリリースとなりました。映画は秋に見れることを期待しつつ、オールタイムベストともジーニアスアレサとも異なる選曲があったり興味深いところです。

1. There Is A Fountain Filled With Blood
若いころのアレサ役の子が歌うゴスペル歌唱、この曲もアレサの処女録音に入ってた曲ですが、オールタイムベストには未収録。印象深いのが後半からジェニファーの歌唱に切り替わります、いやー迫力と構成が素晴らしい


2. Ac-cent-tchu-ate The Positive
これもオールタイムベスト未収録、コロンビア期音源から。ポップとしてはヒットしたし、R&B要素感じないワクワク、うきうき感
3. Nature Boy
これはオリジナルっぽいですね、アレサが歌ってなかった音源だから書き下ろしかな。でもジェニファーが歌ってるっぽい、妖艶に敢えて歌唱を変えているあたり苦悩や葛藤を表している時期なのかな
4. I Never Loved A Man (The Way I Love You)
出だしは長めに、バンドと音を合わせて創作されていく様子から。
5. Do Right Woman, Do Right Man
ジェニファーは低音が綺麗だなぁと、コーラスも今ならではの録音で上質に。曲構成の良さも凄い個人的に好きだなぁ
6. Dr. Feelgood
この曲、オールタイムベストから見送られたんですよね、でもやっぱりアレサには重要な曲。ここは案外粛々と
7. Respect
主題歌、出だしは姉妹コーラスをアカペラにてスタート。パンチよりも、ゴージャスだったり曲の繊細な部分も出したり、ライヴオーディエンスとの掛け合いが分かる臨場感が素敵


8. Sweet Sweet Baby (Since You've Been Gone)
出だしこそ若干しっとり来るかなぁと思ったら後半のパンチ、ジェニファーの凄みが本領発揮されてる
9. Ain't No Way
この壮絶・壮大なバラードも、ジェニファーの魂が素晴らしく。とにかくラストのサビに駆け上がるところまでの高域に圧巻
10. (You Make Me Feel Like A) Natural Woman
アレサの2015年末の歌唱が印象的はあるけど、当時この曲を至極堂々と歌われていたシーン、ジェニファーがこの曲に掛ける思いも相当伝わります、鳥肌!14年前にも歌ってたんでですね、感動


11. Chain Of Fools
ヒット曲オンパレード、どこまでもシレっと歌いこなしている感が勇ましく
12. Think
これまた軽快に2分弱、当時のアレサ27歳くらい、今ジェニファー39歳なので、この歌い上げはもう感動しかない。合間はアレンジでヴォーカルパート少なかったり、これはシーンなのかジェニファー配慮なのか?!


13. Take My Hand, Precious Lord
オールタイムベスト未収録、Amazing Grace より、オルガンの音が改めてこの映画ヴァージョンだなぁと思うきらめき、ジェニファーの獅子っぷりも強弱染みる
14. Spanish Harlem
連続でゴスペルではなく、1970年代のアレサ、結構曲に忠実ながら曲の重ね方がやはり当時とは異なるなぁと、似てても今は真似しがたいものもあるんだろうなぁ
15. I Say A Little Prayer
オリジナルと異なるお洒落な感じで、聴きやすく、そして進化しててこれはこれであり。個人的にはアレサの最後のオフィシャルのライヴと言われる2017年11月の音源に敢えて寄せているような印象を受けました


16. Precious Memories
2曲空けて再度ゴスペル、これもオールタイムベスト未収録だけど、クワイアとの掛け合い・緊迫感が本当素敵なんだけど、でも意外なところで終わる。。。
17. Amazing Grace
と思ったら、この曲にバトンタッチ、まさにハイライト5分に亘り、会場の熱と鎮まりも
18. Here I Am (Singing My Way Home)
新曲。なんとCarole King とジェニファーの共作、いろいろな意味で感動します。前半はゴスペル的であり、そして中盤からはミディアムスローのバラードとして昇華。言うならば"Someday We'll All Be Free" 現代版のような 、アレサに捧げる曲のよう


18曲・58分ほど、ジェニファーのアルバムになっているなぁと、また愛情もバシバシ感じる。その一方で本当にアレサというシンガーは唯一無二だったんだなぁと、ジェニファーが張り合っても分かるのが印象的でした。アレサの生身で天性で、粗削り―そんなのを感じつつ、アレサは今後も時代を超えて語り継がれるべくシンガーだなぁと痛感できるサントラでした。サブスクからなので申し訳ありませんが、映画公開日についてや、国内盤CDなんかにも期待してます。


Aretha Franklin / ARETHA (Disc.1) (2021)

977アレサのオールタイムベスト、正式なデビュー前のチェス期での処女録音2曲を取っ掛かりに、パッとしなかったコロンビア期の音源を12曲、そして爆発ブレイクとなったアトランティック移籍後の音源12曲。アレサが世の中に知れ渡っていくまでのポテンシャルと、苦悩と、伝説が、走馬灯のように聴けるディスク.1を紹介!

改めて、USリリースは2021年7月30日発売、サブスクは同日世界同時解禁。国内盤8月11日でしたが、しかし予約していた4CD輸入盤発売される見込がなく、直前予約を切替(輸入盤だったら最安5600円だったんだよなぁ)。8月10日に国内盤を受領しましたが、国内ならでは、81曲の全歌詞と、2者の解説直訳が載ってて有難かったです。ボックス自体は世界共通の模様。中のブックレットなどはアトランティック期の写真が殆ど、1980年以降はゼロ。曲解説も、60−70代の初出しに驚嘆している感じでしたね。ちなみに計17曲(1-4, 11-18,20, 23-25曲目)はモノラル音源での収録。

<Disc 1>
JVB - Chess
1. Never Grow Old
1956年、シングルA面。翌年アレサ単独のLPとしても纏められアルバム化。Genius Aretha を観た後だからこそ響く驚嘆、感動。アレサのベストにあったようで無かった、神妙な若き14歳の貴重なレコーディングから


2. You Grow Closer
シングルB面収録、アレサの強さ、ゴスペルで鍛えられ、既に風格さえ感じる歌唱

Columbia
3. Today I Sing the Blues
1960年、R&B10位を記録(アレサ初ヒット)。Aretha: With The Ray Bryant Combo からの1stシングル、2000年代になっても歌われてた曲、R&Bよりもタイトル同様にブルージーさたっぷり、18歳の歌唱と言うにはこれまた風格が凄い


4. Won’t Be Long
1960年、R&B7位・POP76位を記録(アレサ初のPOP100位入り)。同アルバム収録の2ndシングル。軽快なピアノと伸びやかでハイトーンで、とにかく上に行ったり下にいったり、抑揚がたまらない
5. Are You Sure
1961年、同アルバムからの3rdシングル、チャート圏外。ミディアムに妖艶に、ただ個人的には2ndアルバムThe Electrifying Aretha Franklin から唯一POP40位以内を記録した"Rock-a-Bye Your Baby With a Dixie Melody" あたりを此処に入れてほしかったなぁと
6. Operation Heartbreak
これは嬉しい収録、当時のアルバム未収録、それこそ前述のPOP37位を記録した"Rock-a-Bye Your Baby With a Dixie Melody" B面のみに収録されながらもコロンビア期最高となるR&B6位を記録。ただ、アレサに向いているというより、当時の波止場系演歌R&Bに近いんだよね…ちょっと地味ですが。チャート的に結構これからまだまだ上向くか?と思えたのは実はこの辺りまで
7. Skylark
2nd The Electrifying Aretha Franklin, 3rd The Tender, the Moving, the Swinging Aretha Franklin からは未収録となり、本曲は1963年 4th Laughing on the Outside からの1stシングル、チャート圏外。アトランティック以降も歌ってた曲なので、こういうアレサの美しさが惹き立つシンプルな曲は染みます
8. Runnin' Out of Fools
5th Unforgettable: A Tribute to Dinah Washington からは未収録、6th Runnin' Out of Fools からの同名1stシングル曲、久々のR&BヒットでR&B30位・POP57位を記録(結構POPチャートは入りつつも低空)。
9. One Step Ahead
当時シングルのみリリースでR&B18位・POP111位と健闘。後にサンプリングで結構多用されて90年代以降再評価


10. (No, No) I’m Losing You
7th Soul Sister から2ndシングル、POP114位を記録。シリアスさたっぷり、悲しさ溢れ、ヒットとはちょっと違うかなぁ
11. Cry Like a Baby
7th Soul Sister から5thシングル、R&B23位・POP113位を記録。ちょっと調子は上がって説得を増すミディアム
12. A Little Bit of Soul
1967年 アレサ移籍後に寄せ集めとしてリリースされた8th Take It Like You Give It より、軽快ファンキーに、アトランティック期のアレサが見えてくるようなブギー

13. My Kind of Town (Detroit Is) (Demo)
本作でのウリとなる未発表蔵出し、先行1曲目として公開されてました、2分弱だけどアレサの移籍に際しての熱が帯びた躍動がたまらない


14. Try a Little Tenderness (Demo)
前曲同様、アトランティック移籍に向けたホームデモ音源、初公開。3rd The Tender, the Moving, the Swinging Aretha Franklin 収録曲でしたが、解釈を変えてソウルフルに歌われ、後のJerry Welxler へのヒントにも繋がっていったんだろうなぁと見立て

Atlantic
15. I Never Loved a Man (The Way I Love You)
ここからの12曲は、ほんと鉄板のアトランティック期音源。移籍第一弾アルバムからの同名曲を1stシングルとして、何十回も録り直して完成した神がかったバージョン!初のR&B1位(それも7週)・POP9位と、初めてPOP10位入りも果たす!


16. Do Right Woman, Do Right Man
前曲B面として録音され、R&B37位を記録。Dan Penn作、本当だったらマッスルショールズでの初の録音で完成するはずが、当時の旦那とサックスとの喧嘩でNY録音に移行…

17. Respect
同アルバム収録、2ndにしてアレサ最大のヒットとなるR&B1位(8週)・POP1位(2週)を記録。Otis Redding と異なる解釈、素晴らしいアッパーソング、アレサの代名詞R・E・S・P・E・C・T もここから決まりましたね


18. A Change Is Gonna Come
同名アルバムラストに収録されていた曲、Sam Cooke カヴァー。当時キング牧師の黒人運動のサポートでも歌唱
19. Chain of Fools (Alternate Version)
3rd Lady Soul より2ndカット、R&B1位(4週)・POP2位(2週)を記録。このヴァージョンは1973年ベストにて初収録され、そして1998年CDリマスターにてボートラで拡張ヴァージョン収録
20. (I Can't Get No) Satisfaction (UK Single Version)

元はThe Rolling Stones カヴァー、2nd Aretha Arrives 収録、UKでの人気を取り寄せ、またLive in Paris などの流れもあってUKシングルカットヴァージョンはUKでPOP37位を記録

21. (Sweet Sweet Baby) Since You've Been Gone)
3rd Lady Soul より3rdカット、R&B1位(3週)・POP5位を記録。アレサと当時の旦那Ted White 共作、軽快に加えて強烈な高音が素晴らしい
22. Ain't No Way
前曲のB面として、R&B9位・POP16位を記録。妹Carolyn Franklin による素晴らしいバラード、更にコーラスの高音も驚くなかれ
23. My Song
4th Aretha Now から3rd カット"See Saw" B面ながらR&B10位・POP31位を記録、しかしアルバム未収録でした。なんか、ムーディにも心を静めてくれる曲
24. You Send Me
4th Aretha Now から1st カット"Think" B面ながらR&B28位・POP56位を記録。Sam Cooke カヴァー、オリジナルよりもパワフルでかなりパンチも凄い
25. The House That Jack Built
4th Aretha Now から2nd カット"I Say A Little Prayer" A面曲でR&B2位(2週)・POP6位を記録、少々ロックテイスト、しかしアルバム未収録
26. Tracks of My Tears
5th Soul '69 からの1stシングル"The Weight" B面として、R&B21位・POP71位を記録。Smokey Robinson の優しいメロディ、力はありつつも滑らかに歌い上げるホッとする曲

26曲・76分弱、"Think" "I Say A Little Prayer" "(You Make Me Feel Like) A Natural Woman" なんかは別ヴァージョンで別ディスクに収録だし、他にも当時全盛期のヒットシングルを見送りまくり、さすがオールタイムベストにしてもダイジェスト状態。どんな切り口でもあっちゅー間に聴ける極上ソウルディスクでした。

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