前作が全米2位!正統派R&Bが、こんな評価を受けることにビックリしてたら、なんと今作からはJIVE(Kedar Entertainment)に移籍。なんでーーー?って感じだったけど、これまでの実績に相当自信をつけたジョーさんが、今作からはよりやりたいことに近付けたということだと思うので、かなり期待を持ってました。早速、全米8位・R&B3位にランクインということで、まずまず良い滑り出しなのではないでしょうか。

1曲目「E.R.」は、先行シングルで現在R&B34位。緊迫感を持ちつつピアノのリフが素敵な始まり。前作でも、“新生ジョー”って感じがしたけど、今作もどこか違う。かなり攻撃的、こんなに高音連発・激しい歌い方だったっけ。2曲目「By All Means」では、珍しくもシンセを薄く使ったりして、ちょっと新鮮さを覚えたり。3曲目「Why Just Be Friends」は、先行して日本でヒット中のナンバー。早口リリックに、いいなりファルセットなど、細やかな動きがなんともいじらしい王道R&B。4曲目「We Need To Roll」も前曲同様、狂おしいくらいの思いを急ぎのテンポで伝えている印象。5曲目「Man In Your Life」は、決して新鮮さはないかな。伸びのない早口ヴォーカルがずっと続くせいか、なんだかジョーらしさを感じなくなってきた(苦笑)。

6曲目「I Won't Let Him Hurt You」は、幾分弦のようなピコピコ音が気になるけど、持ち味であるバラード。だけど、どこかいぶし銀ぽさが出てきたような…。タイトル7曲目「New Man」は、確かに普通に聴き流しちゃうとジョーと分からないほど、新しいヴォーカルを試しまくっている。アレンジもだけど、ヴォーカルの重ね方なんかも、かなりざらついていて面白い。8曲目「Start Over Again」は、淡々とこなされるミディアムスローという感じは否めないけど、特にセルフコーラスの重厚さが味わいとなっている。9曲目「Sorry」も結構王道バラード。だけど、名曲とも言えず、中間曲という感じか(爆)。10曲目「Heart Behind My Eyes」…これは、アルバムの中でも嬉しい曲だね。ジョーはこういう曲をやりたかったのか分からないし、お情けなのかもしれないけど、昔からのファンでも、新規ファンでも、こういったストーリー性が見えやすい楽曲にこそ、彼の素敵な部分を感じるんじゃないかな。アルバム全体に滲んでいたヴォーカルの荒々しさもなくて、個人的にはだいぶお気に入り。ラスト11曲目「Chameleon」も前曲同様、ジョーのヴォーカルだったり、美しいピアノの重なりが、キレイ。シメにいい感じ!

だけど、これで終わりと思いきや、なんだかSnippet(全部1分半弱) が5曲ほど入ってる。11曲だけだと物足らないなぁっていうのは実際のところだけど、この展開は、なんか微妙。収録するなら、全部フルで入れちゃいなよ…。ほんと、そう突っ込みを入れたくなりました。。。“NEW MAN”な部分をどれだけ汲みとれたかは分からないけど、やっぱ落ち着くね、彼のアルバムってのは(挑戦は要らないってことかな・苦笑)。

ニュー・マン


Joe Thomas, New Man