aretha1961LP09b※サイン入りレコード写真追加(2009.09.28)

アメリカの歴史が変わった今日。オバマ新大統領には、もうホント期待大です。45年前の、キング牧師による「I Have A Dream」が1963年。いやー、この45年の歴史は、黒人の歴史にはあり得ないくらい、重かったはず。

今回取り上げるアルバムは、その名言のちょい昔…1961年。アレサが正式にレコードデビューを果たした時代です。今ではこのアルバム、残念ながら認知度は低いと思うのですが、今一度おさらい。確か、僕が23歳くらいのとき(6年くらい前?)、HPでアルバムレビューを書きましたが、改めて今感じる感想を書きたいと思います。

当初のタイトルは『Aretha (with The Ray Bryant Combo)』なので、まさしくジャズ寄り。1曲目は、今日までアレサがこよなく愛するジャンプナンバー/ヒットシングル。伸びやかな歌声、そしてジャズアレンジながら、R&Bとしての歌いっぷりも少々。いやー、当時のプロモーションは分からないものの、18歳の新人としては凄い実力を感じるはずです。2曲目は“オズと魔法使い”で有名。しっとりと煌めく世界観を歌い上げる。3曲目は、デビューシングルのカップリングでもある。メロディに合わせて忠実に歌っている地味な印象だが、微妙な声のビブラートなんて、気になりだしたら止りませんよ。4曲目は、前曲に続いて大人しげにポップに。5曲目は、ソウル要素も感じるが、ヴォーカルはあくまでもジャズ期のアレサと言った感じだ。6曲目は、跳ねるピアノに合わせて、楽しげに歌うアレサが印象的。アレサの表現力を感じる1曲だ。

B面スタートの7曲目も、余裕のジャズを披露。8曲目は、パーカッションが冴え、アレサの響かせどころもなかなか旨い。9曲目・10曲目は王道ジャズ。11曲目は、古臭いアレンジながら、聴かせるツボは1級品だ。ラスト12曲目は、コロンビア期における代表曲。泥っぽく、ブルージーなヴォーカルの中に、当時ならではの初々しさがあって、なんとも素敵な楽曲に仕上がっている。

ボーナストラックとして収録された4曲は、いずれも2ndアルバム『The Electryfing』からの収録だ(こちらは先日CD化されたので、おまけ的印象が強いけど…)。

1.「Won't Be Long」 (3:20) ※2nd single A (POP #76, R&B #7)
2.「Over The Rainbow」 (2:39)
3.「Love Is The Only Thing」 (2:43) ※1st single B
4.「Sweet Lover」 (3:21)
5.「All Night Long」 (3:05)
6.「Who Needs You」 (2:50)
7.「Right Now」 (2:23) ※2nd single B
8.「Are You Sure」 (2:40)
9.「Maybe I'm A Fool」 (3:16)
10.「It Ain't Necessarily So」 (3:07)
11.「Blue By Myself」 (2:38)
12.「Today I Sing The Blues」 (2:50) ※2nd single A (R&B #10)

=bonus track=
13.「Rock A Bye Your Baby With A Dixie Melody」 (2:24) ※Colombia 4th single A
(POP #37/Columbia 期での最高位)
14.「It's So Heartbreakin'」 (2:39)
15.「Just For You」 (2:20)
16.「Operation Heartbreak」 (2:56) ※Colombia 4th single A
(R&B #6/Columbia 期での最高位)

アルバムは34分強。これに、初めてボーナストラックを追加…よって、計45分強・計16曲のアルバムとして蘇りました。全体的に、ジャズなアレサなので違和感を持つ方も多いと思うが、こうやって当時のアレサのヴォーカルから感じるのは、すでに才能を持ち合わせていることの発見だ。このアレンジでは、さすがにソウルの開花は難しいと分かるが、それでも頼もしすぎる。オリジナルLPジャケットで復刻されたことは、今日の今日まで無いけれど、やはりアレサの歴史の一歩も、オリジナルの曲順で聴けるのはかなり意味があること。音もクリア、当時の写真もブックレットに色々載ってて、ファンとしてはありがたいリイシューCDとなっています。近いうちに、解説なども加えた国内盤のリリースを期待したいところだけど(今まで一切国内リリースされていません)、まずは、あんまり良く分からないBlueというUKのレーベルからのリリースとなっているので、興味がある方はお早めにゲットしてくださいね!

※トリビアですが、冒頭に書いた大統領関連の話題で一つ。クリントン就任式典にてアレサが1992年に歌った「I Dreamed A Dream」に、今一度注目!この歌詞の中に出てくる「I Have A Dream」を痛烈に、クリントン大統領の前で熱唱していたのが、今でも記憶に残っています。感動しますよ!



Aretha
Aretha


The Great Aretha Franklin: The First 12 Sides
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aretha_61 オリジナルLPのジャケット