ビービー・ワイナンス…今年2月の第50回グラミー賞では、“Best Gospel Performance”にノミネートされたAretha Franklin(& Mary J. Blige)の楽曲「Never Gonna Break My Faith」を、アレサの熱烈オファーで共演披露したのも記憶に新しいところ。そんな彼が、こういったスタンダードアルバムを出すのは、当然の流れ。完全ソロアルバムとしては4作目にして初のホリディアルバム。1993年には、CeCe Winas との合作でクリスマスアルバムを発表していますが、ビービーファンにとってみれば、これだけビービーの魅力を堪能できるのは嬉しすぎることだと思う。

1.「Have Yourself a Merry Little Christmas
静かな始まり…ゴスペルやアダコンの堂々たる味わい、バラード好きにはたまらないんじゃないかな。大人の魅力で、かなり酔えます。
2.「My Christmas Prayer
男性ヴォーカルとの共演…爽やかさあれど、ビービーの高らかに響くヴォーカルは格別。改めて凄みを感じれた。
3.「O Little Town of Bethlehem
クワイアとの掛け合いで、声だけで作られたアレンジ。協会をイメージせずにはいられない。
4.「O Come All Ye Faithful
バラード仕立て、トラディショナルR&B好きなら嬉しいアレンジなんじゃないかな…ビービーの喉も爽快です
5.「First Noel
ほぼクワイアとのアカペラで進行する、短い曲
6.「Hark! The Herald Angels Sing
オーケストラアレンジで見事までに壮大な世界観を生み出している、比較的早いテンポながら力強いバラードでのビービー…さすがの実力
7.「Silent Night
王道なメロディに、王道なヴォーカル…3曲目と同じく、アカペラで曲の持つ大事な部分だけを忠実に綴っているのが興味深い
8.「What Child Is This
アコースティックギターが琴線となり、低域でぐいぐい引っ張るビービーの粘っこさに味が出ている
9.「O Holy Night
オーケストラの迫ってくる感じが、曲が進行すればするほど伝わってくる…とは言っても、比較的王道・シンプル
10.「A Cradle in Bethlehem
5曲目に似ていて、少しの鉄筋の音が奏でるけど、あとはクワイアとヴォーカル…可愛らしい曲
11.「Joy to the World
派手ではないけど、オーケストラに沿って盛り上がりを見せる…アルバムにおいても明るい印象の曲
12.「My Sweet Lord
ギターの音色からか、カントリーゴスペル風味?一風変わった印象もあるけど、クワイアと緩やかに楽しげな雰囲気を生み出している…控え目なのが良いっすね
13.「Have Yourself a Merry Little Christmas (Reprise)
1曲目のアウトロヴァージョン…声だけで、優しくアルバムを閉じている

声を大事にして、一貫して教会の雰囲気を密封しているかのようなアルバム。近年のアルバムの中でも、かなり高品質!あとはビービーの渋さを気に入ってくれるのみかな。それさえOKだったら、アレンジ含め絶賛できるクリスマスアルバムだと思います。

※プロモ盤(全13曲)に沿ってCDレビューしたため、通常盤(全15曲)からの2曲「Yes It's Christmas」「My Christmas Prayer (Another Version?)」については省略しています

My Christmas PrayerMy Christmas Prayer
アーティスト:BeBe Winans
販売元:TMG
発売日:2003-11-18
おすすめ度:5.0
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