4MJ純粋なオリジナルアルバムとしては1992年『Dangerous』から、実に9年振り!間には、ベスト盤とコンバイルされた1995年『HIStory: Past, Present and Future, Book I』、リミックスを中心に構成されながらも新曲5曲を含む1997年『Blood on the Dance Floor: HIStory in the Mix』がありますが、やはりマイコーファン、そして世界中のファンを惹きつけるには、やはりオリジナルアルバム!!このアルバムは、かつてないボリュームの全16曲(77分超)を収録した、マイコーの魅力が詰まりまくった作品です。

多分、パイオニアとしてのPVが多数作られなかったり、ライヴが行われなかったりなど、様々な要因もあって、アルバムが語り継がれてるという印象はありません。でも世界で1000万枚を記録!シングルヒットはほとんど無い作品にもかかわらず、やはりマイコーを待ってた人は多かったんだなぁと実感します。もちろん全盛期と位置付けられる『Thriller』『Bad』あたりの80年代中盤の勢いには勝りません。でも、音楽に真っ向勝負でマイコーの魅力を詰め込んだ、まさに傑作だと思います。マイコーがこんなに曲を届けてくれて、悪いわけがないのです(ファンとしての言い分ですが)。

1.「Unbreakable (ft. Notorious B.I.G.)」
アタックが強いシンセでビートを刻み、力強い歌声・そしてBrandy Norwood と攻撃的なファルセットを披露。6分半にも及ぶ楽曲ですが、まさに「Jam」のように進化系を表すマイコーに嬉しくなったのを思い出します。そして亡きビギーをフィーチャーしたラップ…マイコーのレイクエムとレボリューションの狭間をグラグラ感じて、なんだか泣けてきます。まず掴みはOK!!
2.「Heartbreaker
デジタル最前線で音に向かう姿が勇ましいです。マイコーのボーカルは淡々としながらも、今までにない優しさを含んだ息使いで新鮮。サビのキックは、いつも通りガシガシ伝わります
3.「Invincible
このタイトル曲については、前2曲に比べると大人しめのR&B。1979年以降のアルバムのタイトル曲は全部シングルカットされて人気が高かっただけに、この曲がシングルになっていたら、どんな輝きを増していたのかと、妄想…
4.「Break Of Dawn
素敵に景色が見えるミディアムスロー…シングルなどにはならなかったけど、2003年の1位になった曲ばかりを集めたベスト盤『Number Ones』には収録されてるんですよね。マイコーこだわりの選曲だったんだろなぁと…でも、ちょっぴり謎
5.「Heaven Can Wait
まるでマイコーが遺書を書いている最中に吹き込んだかのような楽曲。子供が出来たからの歌で、父としての力強さがひしひし響いてきます。サビにコーラス多様な、当時のR&Bを模したようなスタイルになってます
6.「You Rock My World
1stシングル…単なる拡張ヴァージョンではなく、ショートフィルムとしてPVが作成されたのは久々!それだけに、PVはかなり見応えがありました。曲についても、その映像とリンクする形で聴くと、一層楽しめると思います
7.「Butterflies
アメリカではラジオを中心にヒットし、2nd シングルとなりました(R&B2位・POP14位を記録)。Eve をフィーチャーしたリミックスが主に有名になってしまったけど、ここで聴けるスムースな仕上がりは、まさに名曲でしょう
8.「Speechless
3分半程の短い曲なんだけど、最初40秒くらいはアカペラ。甘い歌声、純粋な歌詞…「Will You Be There」のような感覚に陥ります
9.「2000 Watts
ブツブツ言うようなヴォーカル、プログレッシヴなサウンド…なかなか実験的な楽曲と思いきや、Teddy Riley がミックスしてたりして意外な気も
10.「You Are My Life
Babyface 節炸裂、高原の春的なほのぼのソング
11.「Privacy
プライベートについての歌が増えれば増える程、共感度は微妙になりますが、兼ねてから悩み続けてきたパパラッチに対する思いを歌に乗せて〜。こういうのがあると、トータルバランスは高くはなりませんが、曲としての面白みは前々曲同様にあり
12.「Don't Walk Away
ポップフィーリング溢れる普通のバラードと思いきや、マイコーの巧みなビブラートが加わり、流れるような展開を見せてくれます
13.「Cry
世界的には2nd シングル…マイコーならではの世界が手を繋ぐべし的なメッセージソング。少々エッセンスは弱いかもしれないけど、実に自然体
14.「The Lost Children
この曲も前曲に近いメッセージになってます。よりアコースティックになってますが、流れで聴いたときにマイコーの思いが深く伝わります
15.「Whatever Happens
マイコーの感情がむき出しになってて、痛すぎ…。Santana って明らかに分かるギターも素敵
16.「Threatened
中盤以降途絶えてたテンポアップの楽曲が最後に復活。どうせなら、最初にもっと勢いつけてくれても嬉しかったかな

流れとしては前半ロックR&B、後半はメッセージソング…そんな展開だけに、最初に勢いをまたもや感じて、後半はお馴染みのマイコーを堪能するといった感じでした。曲数が多いだけに中だるみが不安かもしれませんが、どの曲もさすがのクオリティ。どれにも聴きごたえあります。個性がそれぞれにありすぎるため、眩しすぎるかもしれませんが、時に曲順を変えて(ランダム)などの聴き方で、尚一層アルバムは楽しめると思います。マイコーにとって、ラストとなったオリジナルフルアルバムです。今考えると、ここからオリジナル作品がもう無かったんだなぁと思うと、切なすぎますが。

インヴィンシブル
アーティスト:マイケル・ジャクソン
販売元:ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル
発売日:2001-10-29
おすすめ度:4.5
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InvincibleInvincible
アーティスト:Michael Jackson
販売元:Sony
発売日:2001-10-31
おすすめ度:4.5
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