200px-The_Motown_50_Mixesマイコーの初期音源に選曲を絞った、最新リミックスアルバム。微妙な差なんですが、デジタル音源で先行リリースされたアルバムは『The Stripped Mixes』、そしてその3週間後にCDとしてリリースされたアルバムは『The Motown 50 Mixes』というタイトル。でも内容はいたって一緒。ジャケ写真も一緒ですが、タイトル名のみ異なるという、、、何を表現したかったのか分からない感じですが(でも、前者もCD化されるという状態なので、もうワケワカランぴ)。

マイコーが亡くなってから、突如企画されたようにも感じるのですが…もしかしたら、マイコーの生誕50年を祝って予てから考えられていたかもしれませんが、それにしては、大したリミックス集にはなっていません。とある最新のマイコーベスト盤CDには、世界初CD化となる「I'll Be There (Acoustic Version)」が収録されるなんて話題もありましたが、ここにはその音源も含みつつ全11曲が収録されています。趣向を変えたアルバムに過ぎませんが、ジャクソン5・初期マイコーの人気曲を上手く取りそろえた感があるので、手堅くはありますね。

1.「I'll Be There (Minus Mix)
切ないバラード、名曲…原曲のイメージを壊してないので、なかなか悪くはないです
2.「Ben (Stripped Mix)
これも原曲とあまり変わらないので、リミックスというには異なる感じも
3.「Who's Loving You (Stripped Mix)
ゴスペル調にも感じる、面白い出来栄え。飾らない音だからこそ見えてくる、マイコーの技巧に惹きつけられます。ポロン響くオルガンが良い味
4.「Ain't No Sunshine (Stripped Mix)
こちらもコーラスがゴスペル的な味わいになり、切ない少年ボーカルのエモーショナルな部分がぐいぐい引き立ちます
5.「I Want You Back (Stripped Mix)
原曲の元気さがすっ飛んでしまったようなデモ的な作り。でもサンプリング的にオリジナルアレンジが響きわたっていて、一風変わった印象
6.「ABC (Stripped Mix)
これも前曲同様に大人しめ。マイコーのヴォーカルをフィーチャーしたような仕上がりで、掴みどころは多いです。簡素なアレンジながら、ビートだけは弾けているので、聴き応えあります
7.「We've Got A Good Thing Going (Stripped Mix)
少しのコーラス加味で救いになった気もします。でも、印象薄な復刻
8.「With A Child's Heart (Stripped Mix)
これは原曲を超えたかな。ストリングスなどで、フォーク状態を脱却したアレンジにより、ソウルウルな装いが実現できています
9.「Darling Dear (Stripped Mix)
マイコーのヴォーカルはパワーも感じるのに、それを抑えつけてしまうかのようなしっとりアレンジが乖離を引き起こしてて、かゆいなぁ
10.「Got To Be There (Stripped Mix)
これも前曲と同じ感想。かなりマイコーの技量が溢れてるのに、音は静かめ。デイドリーミングな世界観と解釈すればそれまでですが、原曲を知ってると消化不良な気も致し方がないでしょう
11.「Never Can Say Goodbye (Stripped Mix)
ボサアレンジは、原曲のヴォーカルにマッチしていて、なかなか面白いです!

総合的に半分ナイスリミックス、半分は原曲のほうがバッチシ…そんな印象です。コアなマイコーファンやクラバーなんかは、全曲と言わずに、数曲好きなニューアレンジを見つけるための作品と考えるべきでしょうね。全体を通して聴くと普通に流せてしまうので、しっかり味わうためには好きな曲をソウルサーチンすれば良いと思います。

The Stripped MixesThe Stripped Mixes
アーティスト:Michael Jackson
販売元:Motown
発売日:2009-07-28
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