
デビューから比較的にコンスタントにアルバムを発表していたものの、本作は前作から7年ぶり。ただし、間に「I Will Always Loves You」「I'm Every Woman」を含む『The Bodyguird』・「Exhale (Shoop Shoop)」を含む『Waiting To Exhale』・「I Believe In You And Me」を含む『The Prechears Wife』という3枚の映画出演のサントラの発売があったからこそだと思いますが、当時のフルアルバムの盛り上がりは高かったように思います。
特に、これまでの正統派な3枚のオリジナルアルバムの音作りとは一線を画し、最新の音を果敢に取り入れ、「まじコレ、ホイットニー?」と思える展開でした。今聴いても一つ一つの曲のクオリティは折り紙つき。アルバムもカットされたどのシングルも1位を獲得することは無かったけど、R&B的なヒット性が強かったように思います。
1.「It's Not Right But It's Okay」
イントロを聴いて、まず何かが変わったと察した人が相当数?!Rodney Jerkins の貢献度を感じた1曲。ダンサーを引き連れ、ちょっとシドロモドロなダンスを披露していたのも面白かったです(2ndカット、POP4位・R&B7位)
2.「Heartbreak Hotel (ft. Faith Evans & Kelly Price)」
1stシングル、POP2位・R&B1位。豪華なメンツ、それも相当なヴォーカリストをそろえての作品。ほんとは爆発したいであろうゲスト2人も、やや控えめに感じるんだけど、それでも格の違いを感じてしまいました
3.「My Love Is Your Love」
3rdシングル、POP4位・R&B2位。Wyclef Jean プロデュースで、トロピカルな雰囲気。この手のアレンジは、過去のホイットニーは無かったうえ、新たな定番曲になりました。ゆったり感が心地よいです
4.「When You Believe (with Mariah Carey)」
日本ではネーミング的に話題になったけど、海外では女王様同士の共演がまぶしすぎたのかPOP15位止まり。The Prince of Egyptの主題歌でした。このアルバムに収録する意味は売り手市場だったからに過ぎないんでしょうが。。。
5.「If I Told You That」
エッジの効いたアレンジ、洗練されたR&B。ホイットニーのソロヴァージョンですが、…この1年半後に発表されたベスト盤にてGeorge Michael と再録デュエットし、UKではヒットしました
6.「In My Business (with Missy Elliott)」
まずミッシーを起用するところが斬新な証。ストリート寄りのR&Bになってるけど、なんだかホイットニーは声が苦しそう。ミッシー単体の出番はほぼ無し、裏でブツクサ味付け
7.「I Learned from the Best」
4thシングル、PP27位・R&B13位。既に大御所的な存在感を示すPVは、ホイットニーだから出来たんでしょうね。泥臭いDiane Warren 作のバラードですが、 プロデューサーDavid Foster の手腕はピカリピカリ
8.「Oh Yes」
この刻み込むようなヴォーカルに、アコースティックギターのシングルなアレンジ。6曲目とガラりと変わるけど、ミッシーアレンジ。素朴な印象もあるし、リリックもイエスが連発だけど、突然高音を発する彼女に驚いてみたり
9.「Get It Back」
前曲を継いでるので、8〜9曲目が一番流されてしまうんでしょうね。。。Rodney Jerkins のコーラス使いは1曲目同様先を行ってましたねー
10.「Until You Come Back」
何気に日本ではアルバムリーク前に、大量オンエアされてました。Babyface & Daryl Simones コンビでのプロデュースによる王道バラード
11.「I Bow Out」
Dianne Warren 作品を、Babyface & Rodney Jerkins コンビでのプロデュース。オーケストレーションも交えつつも、ミディアムビートのR&B。彼女のブラック意識の高まりがここには詰まってます
12.「You'll Never Stand Alone」
ほっとするような前半、過去にホイットニーに期待してた壮大なヴォーカルが聴ける後半。Dianne Warren 作・Babyface プロデュース。心洗われます
13.「I Was Made to Love Him (ft. Lauryn Hill)」
隠しトラック扱いになってたStevie Wonder のカヴァー曲。ローリンのプロデューサー力は乗りに乗っていた頃なんで、タイトル曲にも近いアレンジになっててクオリティ高いです。荒れててソウル回帰
改めてシングル以外の曲も、いいなぁと感心してました。アルバム自体、シングルの印象が強かったんですが、今は余裕の落ち着いたR&Bにこそ、彼女の楽しみ甲斐があるようで。
※これまでのホイットニー作品のレビューも併せて掲載しておきます
1st『Whitney Houston』
2nd『Whitney』
3rd『I'm Your Baby Tonight』
5th『Just Whitney』
6th『One Wish』
7th『I Look To You』
single『I Belong To You』
single『It's Not Right But It's Okay』
LiveCD『A Song For You Live』

アーティスト:ホイットニー・ヒューストン
販売元:BMG JAPAN
発売日:2008-03-26
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アーティスト:Whitney Houston
販売元:Sony/BMG
発売日:1998-11-14
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