p3733_Lドリフターズと言えば、ローリングストーン誌のグレイトアーティストなんかにも選出されるグループ。だいぶ昔のグループなんで、ソウルファン以外の方だと、8時だよ全員集合と勘違いしてしまうかもしれませんが、60年代に活躍したソウルグループです。今回取り上げるCDは、2006年に世界発CD化ということでCD化された1962年のアルバム。ただ、彼らって、時代ってのもあるんだけどアルバム単位ではヒットしてないんです。こういうグループはよくあったんですが、シングルヒットを飛ばしていた彼らであっても、きちんとアルバムは随時リリースされていたのは今となっても嬉しい事実。

※でもね、ちょっとお粗末なもので、既にUKではこのアルバムが2000年に2in1にてリイシューされていたようで…、世界初CD化っていう表記が痛い。。。ただし、国内盤は鈴木啓志さんの解説があるってのも味噌。音も格段によくなっているのが良く分かります。

1.「Save the Last Dance for Me
実質1stシングル(1960年10月チャートイン)R&B・POPともに1位を記録。アルバムにおけるタイトルナンバー、邦題 ラストダンスは私に。日本では越路吹雪の曲ってことで有名だそう。解説にあったのですが、John Lennon が「Stand By Me」と同様に愛した曲で、The BeatlesHey Jude」の基本になった作品っていうことには驚きましたが。R&Bやソウルというよりも、当時のアメリカを制覇できたっていうくらいに、正統派なポップさで溢れてます。アレンジも無駄な音を排除し、クリアなリードヴォーカルと、心地よく聴けるバックコーラスとのマッチングが見事!リードヴォーカルはBen E. King
2.「I Count the Tears
2ndシングル(1961年1月チャートイン)、R&B6位・POP17位を記録。ストリングスが加わるも、華やかさなんかよりも、ドリフターズ節にちょっとしたアクセントとなっている程度。基本は、彼らの芯あるヴォーカルだけに釘付けになれるという印象
3.「Somebody New Dancing With You
ドゥーワップ的なスタイル。女性コーラスなんかも加わり、当時のダンスホールを楽しませてくれるような曲
4.「Jackpot
ブルース的な味に包まれてて趣深いです。更に薄めに響くピアノの色が情緒を感じさせてくれています
5.「No Sweet Lovin'
なんとなんと録音時期は1955年、アルバム発表の7年も前にさかのぼる曲。それもあってかリマスタリング効果もむなしく違和感はありまくり。更に、曲調だったり、リードヴォーカルの声だったりは明らかに調子が異なるため、急展開具合にサントラなんかを聴いてる錯覚に陥りました。曲自体はご機嫌な王道ドゥーワップ
6.「Sweets for My Sweet
5thシングル(1961年10月チャートイン)、R&B10位・POP16位を記録。おどけたポップスタイル、キリキリなヴォーカルも楽しませてくれています
7.「Mexican Divorce
Burt Bacharach 作品。メキシカンは少々感じつつも、なんと言ってもその味を匂わせるヴォーカルが聴きもの。ゆったり感、緩いサルサ的かな
8.「When My Little Girl Is Smiling
7thシングル、POP28位を記録。Carole King, Jerry Gofffin 作品ってことでも有名。リードが目立たないアレンジってのが気になりますが、名コンビ作品ってことで語り継がれているのが特筆点。ただし、ドリフターズを知るにはこの曲ではないかな、という風に思いますが
9.「Some Kind of Wonderful
3rdシングル(1961年4月チャートイン)、R&B6位・POP32位を記録。7曲目に続き、Burt Bacharach 作品。高音部での感情が迫るところは、キュンとします。アレンジは1〜2曲目にも近い、王道スタイル
10.「Please Stay
4thシングル(1961年6月チャートイン)、R&B13位・POP14位を記録。リードとコーラス…特にバリトン部が良い味を出してますね。ミディアムテンポ、エモーショナルなヴォーカルがたまりません
11.「Nobody But Me
この当時の音とは思えないくらいに明るさに満ちたアレンジ、それがリマスタリングによってかなりクリアになってます。白人受けもしそうな、アメリカンポップさもかなり有り
12.「Room Full of Tears
6thシングル、POP72位を記録。ソウルなどの枠というよりも、アレンジさえ変えればロックにも変わっていきそうな力強さがあります。リードヴォーカルの緩急が個人的には好き

リマスターのおかげなのか、半世紀も前のアルバムと思えないくらいに良い音で楽しめました。更には、当時ならではで、R&Bヒット満載のアルバムですね。2010年2月には、彼らのアルバムがドカンと5枚まとめて廉価盤リリースされているので、そちらもお見逃しなく!

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