cf08228348a013a32598c010_L__SL500_AA240_クール・アンド・ザ・ギャングの80年代ラストの作品は、R&Bチャートにておいても最後のチャート作(R&B52位・POP圏外)。ファンク、ディスコ経て、80年代は時代に合わせた音作りを展開してきたものの、これが限界か…というような印象。

ただね、ジャケのエロエロな感じとか、スムースを出したいのかなぁと思いつつも、裏ジャケにはすっかり落ち着いちゃった、中オッチャンたち8人のプチ写真。実際、J.T. Taylor が居なくなってしまったってのもあるので、彼ららしさはとことん失われてます。迷走…
1.「I Sweat
シンセだけが目立つアレンジ、あとはドラムとベース。当時にあって洗練された音で勝負したと思いつつ、ちょっと8人いてこれは空回りな印象。しっかり合わさったヴォーカルなんかは好きだけど、やっぱ物足らないなぁというパイロット曲
2.「This Is What a Love Can Do
曲としてはまとまりがあって、なかなかのモダンソウル的。ヴォーカルもコーラスもアレンジも、味わい深し!およよ、見直しちゃった(笑)。中間奏のシンセ遊びも、無難なアタックなので、全体的に悪くないです
3.「Never Give Up
2ndシングル、R&B74位を記録。完全にスウィートなソウルグループと化してますが、80年代ってこんなんだったんですかね。あんまり、他の80年代の彼らの作品を聴きまくってるわけではなかったので、正統派すぎてびびりました。思いがしっかり伝わるバラード、高音部もグッときます
4.「You Got My Heart on Fire
ニュージャックスイング的、1曲目にも言えるけど、薄めの音は大人数バンドには向いてないよ…かっこいいんだけど、求めるものが違ったっていうか
5.「Someday
ミディアムビートに乗っけて、スイートかつ心地よくなれるサウンドのR&B
6.「Raindrops
1stシングル、R&B25位を記録。雨の音がウソっぽすぎて笑えます。まるでピコピコポン(気になったら、そればっか拾ってしまうので困る)。それを抜きにすれば、メロディ展開は正統派で、音もそこそこ迫る感じがして悪くないです
7.「In Your Company
80年代末の音ですね、ヒップホップにも近いけど、当時のおされなR&B。インストが1分半近くあったけど、そこまでじらす必要はないなぁ
8.「I'll Follow You Anywhere
車の音が鳴ってます、、、擬音多いアルバム。。。まっ、これはポップなんで、こういうR&Bはたまにほっとします。だけど、彼らにしては、改めて音が薄い…
9.「All She Wants to Do Is Dance
訳すと、彼女がしたいのはダンス…そっか、当時のダンス風潮を歌ってくれてるのか。でも、ディスコ出のアーティストには、きついかもね。そんな思いが交錯
10.「How Can I Get Close to You
ブルーノート似合いますね、って言いたくなるジャジーな作品。低音部が、なかなか心に溶け込みます
11.「You Are the Meaning of Friend
優しいポップス、ヴォーカルも肩の力が抜けたっていうよりも、抜けすぎた印象あり。なんか地味にアルバムが終了するのねーあらら

彼らって、ダンスよりもバラードが合うシンガーなんだぁと思えた作品。となると、8人もいらんやん!って、自分に突っ込んでしまいます。彼らはダンスを目指したくても、どうしても当時の音にはまりづらい。それを示してしまった感が否めません。あっ、ほんと、バラードは所々聴くべしかも。

※最後に、このCDを聴きながらレビューを書いてたら、まだビール1本目なのに、こぼしました。ブックレットも濡れました

Sweat
アーティスト:Kool & the Gang
販売元:Mercury
発売日:1989-06-29
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