
アレサにとって3枚目のオリジナルアルバム、1962年リリース(R&Bチャートランク無)、プロデュースは全編にわたってRobert Mersey。1stアルバム、2ndアルバムはそこそこヒットしたんだけど、この頃になると、既にヒットから遠ざかってしまってました。完全にジャズ作品、当時まだ二十歳だけど、歌は抜群に良いです。2年前のメジャーデビューとなる1960年の頃とヴォーカルはあまり変わらないけど、完全にスタンダードシンガーとして出来上がっちゃってる印象。まっ、歌が上手で表現力豊かな若手シンガーとして、最初は良かったんでしょうが、簡単にリスナーは飽きてしまったんでしょうか。コロンビアの売り方にも問題はあったんでしょうけど、今聴くと、やはりアレサの魅力は十分に感じ取ることができる良作だと思いますが。
1.「Don't Cry Baby」
1stシングルPOP92位。完全にスタンダード、柔らかい歌われ方。ストリングスがしっかり刻みこまれてる一方、ガチャガチャした音展開もあったりして、ちょっと聴きにくいかも。1曲目として、先行シングルとしてのパンチは微妙
2.「Try A Little Tenderness」
2ndシングルPOP100位。Otis Redding のカヴァーでも有名な曲の、カヴァー。しっとり、丁寧に歌われるバラード。この曲でアレサは13回もレコーディングし直したそう。今でもアレサは時々歌ってます
3.「I Apologize」
クリスマスソングのように、健やかな暖かみのあるアレンジ、ヴォーカルも良いんだけど若干淡々しすぎかも
4.「Without The One You Love」
アレンジは抑えた感じで、アレサのヴォーカルがきりっとしてて、素敵です
5.「Look For The Silver Lining」
ストリングスに沿って歌うという感じでしょうか、まったりまったり
6.「I'm Sitting on The Top of The World」
ヴォーカルはややジャンプした感じで楽しげ、テンポだけじゃなくアレサの崩した歌い方は、前5曲には無かったなぁ
7.「Just For A Thrill」
お化けが出てきそうな静かな始まり、徐々にストリングスは加わりますが、緊張感のあるスローな展開が持続
8.「God Bless The Child」
名曲のカヴァー、伸びやかなヴォーカルに吸い込まれますよ、きっと。アレンジは涼しげで優しげ
9.「I'm Wandering」
強気な感じっていうのかな、かなり前のめりなヴォーカル。聴いててパンチがあって、若干のソウルにも感じるけど、いかんせんジャズアレンジ
10.「How Deep Is The Ocean」
延々ジャズ、曲の区別がつかなくなってきた頃(爆)…丁寧に歌われる正統派ミディアムスロウ
11.「I Don't Know You Anymore」
一貫してテンポも似たり寄ったり、ジャズだもんね。ヴォーカルは良いんだけど、なんかアレサのヴォーカルはおまけみたいに感じてきた。。。これこそが、コロンビア期の失敗?
12.「Lover Come Back To Me」
ラストだけは印象が違います、かなりハイセンスなモダンジャズ、テンポも上向きでこういうビッグバンド的なアレンジは好き!!シャウトパートも最高です
全体的にテンポとアレンジが似た曲が並ぶと、ちょっと良く分からなくなってくるんですが、聴きごたえぱっちしな曲も何曲かあるのが最高ですね。個人的には2曲目と12曲目が気に入ってます。アレサのコロンビア期をベストだけで濁さないって人には、このお得な3枚組ボックスの購入をお薦めしまーす。

アーティスト:Aretha Franklin
販売元:Sony UK
発売日:2010-03-02
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アーティスト:Aretha Franklin
販売元:Sony
発売日:2004-06-21
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