139クレイグ・デヴィッドにおいては、デビュー時の2step 持ちこみに相当僕は惹かれてたのですが、その超マイブームも3年ほどで完全にさめてしまい、5年くらいは彼の音楽から遠ざかってました。だけど、昨年のSpringroove '09 での彼のステージを見て「改めて、彼は良い!」と、あっけなくファン度を戻し(笑)、で前作がベストってのもあって、今回のニューアルバムは結構楽しみにしてました。

ただし、2step の貴公子(だっけ?)がモータウンのカヴァー集(とは言っても全部がモータウン曲ではないんですが、最初のフライング気味な広告にやられたー)。。。今、正統派のソウルカヴァーが流行ってるってのもあって、きっと彼もその落ち着いた路線にいってしまったのかと、勝手に期待はずれ感で溢れていたのですが、ちょっと度肝を抜かれた箇所もあったので、そこらへんはオーヴァーリアクションに書いておきたいと思います。

1.「One More Lie (Standing In The Shadows)
Four Tops 1966年R&B2位・POP6位の半カヴァー、要は主タイトルがクレイヴ考案のものとなっており、サビなんかはフォートップスなんだけど、ちょっとしたマッシュアップになってるようです。で、最初にフィルターがかってると思ったら、なんと結構アタックの強いハウスに変貌!!もともと、この曲はそういった音速パンチ的にカヴァーされたりリミックスされることもあったので、納得いくアレンジですが、さすがクレイグ、独自路線でやってくれました(UKでの1stシングル、POP76位を記録)。これは近年の彼の持ち味でしょうね。ヴォーカルの驚くほど上下を繰り返す凄い技巧には、とろけます
2.「Signed, Sealed, Delivered (I'm Yours)
Stevie Wonder 1970年R&B1位・POP3位のカヴァーで、本アルバムのタイトル曲(邦題、涙をとどけて)。ポップな4つ打ち、ハウスという感じではないですが、なかなかの現代風カヴァー。
3.「All Alone Tonight (Stop, Look, Listen)
The Stylistics 1971年R&B6位・POP39位のカヴァー。クレイグのヴォーカルにフィットする、心地よいR&Bトラック。初期のクレイグ風味にも近く、かなり好感度良いです
4.「I Heard It Through The Grapevine
Marvin Gaye 1968年R&B・POP共に1位(各7週!)のカヴァー、淡々とカヴァー。悪くはないんだけど、ちょっと物足らない印象も。歌の旨さよりも、音で楽しませてほしいのがファン心理だったりしましたが
5.「Just My Imagination
The Temptations 1971年R&B・POP共に1位のカヴァー、ゆったり浜辺をお散歩的なアレンジ。なんかSmokey Robinson のように甘いヴォーカルになってるのは面白いけど、ファンは満足するのでしょうか
6.「For Once In My Life
Stevie Wonder 1968年R&B・POP2位のカヴァー、ステーヴィ2曲目の選曲。彼らしい都会的なアレンジで、ヴォーカルの旨味が嫌みなく引き出されたダンサブルなナンバー
7.「(Sittin' On) The Dock Of The Bay
Otis Redding 1968年R&B・POP1位のカヴァー、曲はもちろん良いんですけどね。やはり、この曲だと正統派なカヴァーになっちゃいますよねー。可愛いサンプリングヴォイスがやや多様されてたりしますが、その程度かな
8.「Mercy Mercy Me
Marvin Gaye 1971年R&B1位・POP4位のカヴァー。前曲との流れは良いんですが、まとまっちゃってるのが残念。もうこういった路線にいくには速いよ、ちょっと何か焦ってるような印象も感じ取れますが。ブルーノートで歌う彼が想像できちゃうのは、ちょっとなぁ
9.「I Wonder Why
Curtis Stigers 1991年のカヴァー(UK出身のシンガーみたい)、アレンジもすこぶる良いのですが、もうデジタル到来しないのかーとちょっと苦言。彼が、どんどん良い子ちゃんになっていく。。。バンドを従えて熱烈なラヴソングって、おいおいおーい
10.「Papa Was A Rolling Stone
The Temptations 1972年R&B5位・POP1位のカヴァー、7〜9曲目でちょっとクールダウンだったので、ようやく彼の早口や趣向凝らしたコーラスなんかもうまく聴けて楽しくなってきました。一人スキャットテンプスという感じ、原曲のレイクエムも忘れずに、いやいや良いです!!
11.「Let's Stay Together
Al Green 1971年R&B・POP共に1位のカヴァー、正統派のカヴァー。こういうのが懸念だったんだよね。この曲はアルやティナに任せておこうよ(苦笑)
12.「This Could Be Love
この曲だけオリジナルみたい、このアルバムには違和感なかったし、ダンサブルなんでそこそこ好きかな

UKにてPOP13位・R&B2位(UKにもR&Bチャートってあるんですね、初知りです)、ベストが売れるUKにおいて微妙な成績だったので、本作はかなり正念場だったはずですが、少々巻き返してきた感あり。ただ、モータウンカヴァーと言う割に、このCDジャケットはないよな。いかんせん、意味が分からない。クレイグのイニシャルに、クレイグが隠れてても、いや、惹きにはならない。土管に潜むオッツァン(失礼しました)。



Signed Sealed Delivered
アーティスト:Craig David
販売元:Universal Import
発売日:2010-03-23
おすすめ度:2.0
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涙をとどけて
アーティスト:クレイグ・デイヴィッド
販売元:ユニバーサル インターナショナル
発売日:2010-04-14
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