アレサ8枚目のオリジナルアルバム（R&B8位・POP132位）、Clyde Otis, Robert Mersey, Bob Johnston がプロデュースを担当。完全ジャズ路線を貫いていたコンロビアでしたが、アレサ側の意向やレコード会社の迷走振りもあって、タイトルは『Soul Sister』…このようなタイトルをつけても、いきなりヒットを狙える環境になかったけど、翌年レコード会社を移籍して大ヒットを連発し始める流れを踏まえたとき、このアルバムに何が足りなかったかを顕著に示すものとも言えるはずです。

1.「Until You Were Gone」
ジャズテイストは変わってませんでした。。。待ってましたの後半の粗ぶるヴォーカルが聴きどころ。声もだいぶ太くなってきて、ホーンに頼らないアレンジで、なかなかまとまりのある楽曲。これは期待できるか？！
2.「You Made Me Love You」
3rdシングル、POP109位を記録。涼しげなアレンジ、アレサのちょっとした箇所の表現がさらりとできちゃってて、これも味なんでしょうね
3.「Follow Your Heart」
アトランティック期のソウルフルなバラードにも通ずる、壮大なヴォーカルが魅力。アレンジは王道スタンダードですが、それも許しちゃう・・
4.「Ol' Man River」
スタンダード、1970年代にもライヴなんかでも披露してたこともあるけど、アトランティック期にあっても悪くないであろう早口リリックジャズ。これはなかなか！
5.「Sweet Bitter Love」
超名曲！！！アレサは、コロンビア、アトランティック（レアCD2枚組作品集より）、アリスタと、セルフカヴァーしてきた作品でもあり、それぞれに深みを出してくれているバラード。ここには余計な音がないアレンジなので、アレサのヴォーカルの魅力に執着できます。聴くべし
6.「Mother's Love」
確かこれもシングル化されていました。完全にゴスペル寄り。アレサは父については良く語るけど、こういった母寄りの歌ってのは珍しい（アレサ7歳の頃実母は他界）。もしかしたら、このアルバムでは曲やアレンジというよりも、リリックに根差した心の中のソウルをジャズの乗せて歌うというのが正解だったのかも。ゆったりとしたスロウバラードに、突き抜けるヴォーカルに、切ない想いを感じさせてくれます
7.「Swanee」
今までになかった豪快さと、どんどん高ぶっていく流れ。でもヴォーカルは荒々しくないし、決して無理しているアレンジでもないし、楽しげな雰囲気をうまく平坦に表しているような曲だなぁと
8.「(No, No) I'm Losing You」
2ndシングル、POP114位を記録。ストリングスが過剰気味だけど、ディープな世界観を引き出しておりアルバムには面白い展開となる1曲
9.「Take a Look」
後に編集盤『Take a Look』なるアルバムをコロンビアが勝手に（爆）出しますが、ジャズの曲としては基調の取れたアレンジ。しっとりー
10.「Can't You Just See Me」
1stシングル、POP96位を記録。あまり今まで無かったギターサウンドなんかも取り入れ、これはアトランティック期のソウル寄りかも。コーラスやホーンも、そんな味に包まれていて、こんなアレサこそアルバムタイトルに違和感なかったんだけど…これは、アトランティック期のファンには聴いてもらいかな。コロンビアもやればできるじゃーんって感じ（笑）
11.「Cry Like a Baby」
4thシングル、R&B27位・POP113位を記録。これは前曲と曲調は異なりバラードだけど、オールドソウルとしての味が詰まってます。後半、何気に良い！

アルバムタイトルは、ほぼ全体コンセプトに何も影響を及ぼしてなかったのですが、後半ソウルシスターというのも少々納得できる展開だったのが興味深かったです。実質、この後もう1枚『Take It Like You Give It』なるアルバムを発表するけど、実質未発表曲集みたいなものなので、これを持ってコロンビア期における創作活動は終了といったところでしょうか。まっ、コロンビア期の中でも、リリースタイミングってのもあると思いますが、一番ソウルに音が近かったです。

Soul Sister/Take It Like You Give It
アーティスト：Aretha Franklin
販売元：American Beat
発売日：2008-06-24
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Original Album Classics
アーティスト：Aretha Franklin
販売元：Sony UK
発売日：2010-03-02
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