51Y+c6G-UaL__SL160_エリカ・バデゥ、4年半振りとなる4thでR&B・POP2位を記録。9th Wonder, Ahmir "Questlove" Thompson らが参加した本作、もちろん話題になりましたが、だいぶリリースペースがゆっくりしてきました。その一方で時間をかけて紡ぎだされるクリエイティヴは必見!自分は90年代のエリカが最も惹きが強かったりするのですが(でも全然レビューできてないことに気付いたんですが)、この頃はより深みにはまりそうな期待。

1. Amerykahn Promise
ファンキースタイル、彼女のアフロも映えるご機嫌ダンス。これは裏切られたなぁ、凄く楽しい!世紀の命、そして音楽が誕生するようなワクワク


2. The Healer
3rdシングル。呟くように歌う彼女ならではのスタイルに戻って、淡々としている中に気付くものも多く、なんか心がサッパリする感じ


3. Me
ミディアムなグルーヴに颯爽と、涼しさもあれ、軽やかに、でもメッセージ性は強いように、独特なループ
4. My People
粛々としてるけど、音は小さくポコポコ。彼女ならではの世界観の棚引き、アルバムの流れに灯るものがあるなぁと
5. Soldier
2ndシングル、R&B112位を記録。声の色味がかわるがわる、一つに捕らわれない複数の感情や情念が渦巻いているような、不思議な感触、でも全体は潔いのに


6. The Cell
タイトルの一方、ご機嫌なサウンド、でも声はウネウネと正に細胞チックに。アンバランスさが絶妙に面白さを招いている印象
7. Twinkle
ハッとするようなリフを入れながら、彼女の彷徨うような声、不規則に弾かれるような刻み・サウンド、実に不透明で不穏で、でもアッケラカンとしているようで
8. Master Teacher
ヒップホプサンプリングのように、オールドスタイルな雰囲気に、地の声を鳴らしながら探っていくような展開。エリカの表現が自由すぎて、ネオソウルの表現度を楽しく思ふー
9. That Hump
ゆるーいサウンドだけど、彼女の奥底をさらりと出しつつ、でも高ぶる感情なんてまじクール、変則的だけど、この表現は実に往年度高い
10. Telephone
ラストはしっぽり一歩引いて身構える感じでもあり、しっかり、そして丁寧にリリックにコトバをこめている辺り伝わるなぁと、自身を昇華させるというか

<Bonus>
11. Honey
1stシングル、R&B22位・POP88位を記録。隠しトラックが先行、最もリズムにしても無難に聴きやすい。さすがにシングルナイズ。アルバムを惹きにするための施策かな、確かに本編は相当分かりにくい作りというのは言うまでもなく


11曲・59分程、改めて振り返るとだけど、結構難解なアルバムにはなってるなぁと。1曲目で掴んでおいて、ぐいぐい不思議な快感。第四次世界大戦という凄いサブタイトルをつけつつも、平和だったり、愛だったり、彼女がテーマを思いっきり俯瞰して見ているなぁと。曲は乗れるというよりも、噛み砕く、心に染み込むってのが政界かも、先行シングルは旧来の彼女らしいものだと思いましたが。

<過去レビュー>
2009年 Live
2010年 New Amerykah Part Two: Return of the Ankh


ニュー・アメリカ パート・ワン(第4次世界大戦)
エリカ・バドゥ
ユニバーサル インターナショナル
2008-03-12