31lNjpyb6hL__SL160_テンプスのオリジナルアルバム49作目、デビュー45年を超えてもまだグループが存続することに驚愕。メンバー入れ替えのシステムを採用している限り、あと300年は続くかもしれない…と勝手に思ってしまいますが。2000年代の後半はカヴァーアルバム続きだっただけに、2010年代一発目はド・オリジナル。すこぶる素敵です。ただ、先日80年代を支えたリードのAli Ollie Woodson が亡くなったってのもあって、現役テンプスを証にしたような作品とも捉えられますね。オリジナルのOtis Williamas は参加してるってのは誇り高い一方、他はレビュー状態のテンプスですだけど、やはりテンプスは格別。未だにR&Bアルバムチャートにおいてオールタイムポイントナンバー1ですから。ソウルファンなら気になりますよね、このシンプルなジャケもなんか許せちゃう。

1.「Still Here (Prelude)
タイトル曲でのイントロ。ピアノでしっとり滑らかに、クリスマスアルバムのような神妙なアカペラでのスタート
2.「Change Has Come
疑似歓声をダブし、強めのシンセ。CoolioGangsta's Paradise」辺りをちょい思い出しましたが、ドスある男魂で押し通す迫力曲。コーラス具合はちょっと古っぽいところが良いかな。テンプスらしさよりもゴスペル回想
3.「One Of A Kind Lady
おっちゃんたちのグルーヴ感がゆったり伝わるR&B、オートチューンまで使って、多少無理してる感あれど、最先端を求めるのがテンプスですもん
4.「Let Me Catch Your Diamonds
とろけるバラードテンポ。がらがら声と、からっとしたコーラス(多少の揺れは、今のコンビネーションならではかな)。哀愁誘うホーンやピアノのアレンジ、好調です
5.「Hold Me
コーラス主体、ドス効いたリードとのバランスが良いです。ファルセットとホーンの古っぽいところはやぱりツボ。緩い楽曲攻め、完全に甘甘
6.「Warm Summer Nights
The Isley Brothers と間違えるくらいの、エロエロなふにゃふにゃリード。色々楽しめる曲交代劇に感激。ゆったり四つ打ち、奇麗なメロディ
7.「First Kiss
こんな軽やかなアコースティック調なのにオートチューン。凄い汲みこみ方。御大がファーストキスって時点で、もうやりたい放題でしょう
8.「Shawtyismygirlooyeah
堂々たる青春ソウル、正統派のラヴソング。みんなで美しいお城を築き上げよう〜って、まんざらでもないと思います。ラストのスキャット的コーラスも自然と心地ふわふわ
9.「Still Here With Me
準タイトルソング、ゆったりバラード。決意というよりも、彼らの本命の味を、しっかり作りこんだ印象。リードヴォーカルの揺れが多少気になるけど、それも含めて味わい爽快
10.「Soul Music
懐かしい音色を奏でた、正にソウル回帰。中域で淡々とヴォーカルを積み上げていく流れに気持ち良く酔えます歴史を感じるべく、健やかなソウル颯爽に
11.「Woman
ホワーーンとした音の響き、その中を甘茶的優しさが渦巻きます。風のようで、雨粒のようで、可愛い曲
12.「Listen Up
サザンソウル的な歌唱、ドラマを感じさせるようなエレキギター。アルバム中、巧みに計算された6分に亘る充実した世界観ここにあり
13.「Going Back Home
ゴスペルライヴ的な録音手法?シンセや音の鳴り方…ヴォーカルの前のめりさも引き込まれるがゆえ。ちょっとヴォーカルがゴチャゴチャして濃いですが
14.「Still Here (Reprise)
ほぼ1曲目と同様、しっとりアウトロ

テンプスという看板を背負ってるだけあって、聴く側も何故か過大評価しちゃうところがあるのかも。悪く思うところがあるとすれば、それはヴォーカルの入れ込み方というところかな。各ヴォーカルの質には何の問題もありゃしません。むしろ、大概気持ちの良い成れとテンポに包まれてました。このアルバムが彼らにとって、テンプスの歴史にとって、繋ぎとならず、しっかり活かされた(世に羽ばたくような)プロモで広まっていってもらえれば嬉しいものです。

Still Here
アーティスト:Temptations
販売元:Hip-O Records
発売日:2010-05-04
クチコミを見る