41SZpMD5dWL__SL500_AA300_ドリス・アレン、なんとも不運のシンガーらしく、実力はしっかり兼ね備えてるのに不発。。まっ、僕もまったく持って知らなかったのですが、1969年に4枚(8曲)のシングルを出し、彼女のソウル寄りな時期は終了。その後はゴスペルアルバムなんかを出していたようですが、なんとも切ないプロモーションだったこと。ここには、その60年代音源に加え、1986〜1987年の既発曲4曲。さらに11曲の未発表曲がドカンと収録されているという、Soulscape の手腕を感じるナイスコンピレーションアルバム。3〜6・11〜12曲目の計7曲は、Doris Allen & Big John Hamilton 名義の曲。

1.「A Shell Of A Woman
本アルバムタイトルにもなっている上に1曲目なので、おそらく彼女の代表曲なんでしょう。語りにしてもサビの突っぱねるヴォーカルも気合い入ってます。安定感はもちろん、ものすごいソウルを感じる素晴らしいヴォーカル
2.「Kiss Yourself For Me
声の伸びがなんともたくましい。録音環境も悪くなく復刻具合も良いので、しっかり耳をダンボ。清々しいナイスフィーリング、こぶしたまらんです
3.「Let A Little Love In
ここから、まず6曲目まではBig John Hamilton とのデュエット。相手が線は細くとも渋い男性ヴォーカルなので、なんとも彼女の勇ましさが余計に目立つなぁと感心
4.「A Place In My Heart
前曲に続き緩い調子、ブルースのようなジトーーーーっとした楽曲。パンチは薄くなってますが、音の鳴りは何気に心地よかったりして
5.「Them Changes
Buddy Miles のカヴァー、かなりしゃがれててホーンもご機嫌で、パンチ効いてて最高!エレキギターまで参入、この時代になんとも速い取りこみ
6.「Bright Star
ホーンの鳴りからしてヴォーカル音程の階段を上がる調子からして、なんとも聴きごたえたっぷり
7.「Hanging Heavy In My Mind Play
このドリスさんは、やっぱり当時においてもスンごいヴォーカルですよ、それが今復元してより鮮明になって、狂おしいほどメッセージが激しく届きます。ナイスソウル
8.「I'll Just Keep On Loving You
高音はTine Turner ばり、でもロックではなくソウルフルさが前面に出てて凄いです。ここまで癖があって安定感あって、どこまでも荒げる様子は、ライヴを見たくなります
9.「Candy From A Baby
ここからの2曲は1987年出版になってるんだけど、なんかのコンピかなんかに発掘収録されたものなのかな。ヴォーカルは1960年代の激しさが残ったハイパーさたっぷり
10.「Treat Me Like A Woman
一方でこちらの1986年音源は、なんだか刺を全部削いだような癖のない優しさ溢れるヴォーカル、あれま
11.「I Don't Want To Cry
ここから13-14曲目を除き完全未発表。さらにここから2曲は再びBig John Hamilton との共演曲。でもこれは3-6曲目に比べてもかなりのアップテンポでドリスの良いところが全編に広がっていてかなり熱くなります
12.「So Good To Be Together
ビッグジョンのヴォーカルが、ここにきてすこぶる爽やかだと分かりました。それでいて癖はないものの、かなりクールでこぶしも潔くていい感じで、ドリスのシャウトと上手い具合に絡むなぁと
13.「Full Time Fool
ここから2曲は1986年発表音源、完全に60年代と異なるヴォーカル、音の柔らかさからしても多少のアダコン的なにおいがします
14.「Night Time Is The Right Time
Lew Herman 作、名曲カヴァー。ちょっとしたノイズが惜しい。健やかに淡々と歌ってます
15.「Let's Walk Down The Street Together
ソウルと離れたムーディな世界観。アダコン一直線なんだけど、どこかインディーズ系の安い音は気になりました
16.「A Shell Of A Woman (1986 Version)
なんとも1曲目の再録音ヴァージョン。アレンジは、なるべく当時のまんまに。敢えて録音環境も当時に近い感じを採用しているよう。アダコン路線にいくか?と思いきや、ヴォーカルもかなり荒げた感触を出してきていて、彼女に絶えず流れるソウルを感じました。これは聴き比べも面白いと思います
17.「Clean Up Woman
Betty Wright のカヴァー、籠ったヴォーカルだけど(録音環境のせいかな)、原曲よりも多少もっさりした印象。緩く楽しくをモットーに
18.「Birmingham Jail
ゴスペルなんすかね、ちょっと音を外したりかすれるヴォーカル部分は個人的にはツボ・味です。神妙な空気感はたまらないです
19.「Baby It's Cold Outside
ソウル色あれど、ブルージー度は増します。更にこれは90年以降のヴォーカルでしょう、きっと。野太く苦しそうな(?)ヴォーカルは印象的。歌い続けて、黒さがより激しくなっていて、それが深い!
20.「You Left The Water Running
メロディに抑揚なしな印象ですが、ソウル進行形。コーラスでのやるせない感じが年季かと思いきや、しゃがれたヴォーカルも一部あって何気に驚きました。後半になると、さらに強めのヴォーカルが蘇り、いやー燃えてきました
21.「Tit For Tat
ロックテイストありつつも、オルガンの音がふわふわ浮かぶような印象で。言うなればソフトロックかな。ヴォーカルのツンツンした感触も残ってていい感じ
22.「What's Wrong With Me Loving You
音が急に洗練されて、聴きごたえが増します。ヴォーカルは1980年代以降の貫禄のままに。ホーンや打ちこみ具合も、新しめ。サビで下がるヴォーカルも何気にクール
23.「Ashes Won't Burn
ラストはブルージーなギターを残しつつ、デジタル的なサウンドも加味した進行形ソウル。しゃがれは止まりません!彼女の変遷を楽しく感じられました

彼女の歴史は不運ながらも、こうして素敵なCDにまとめられたのは嬉しい限り。さすがソウルスケープのオシゴト。彼女の2007年現在の写真も載ってましたが、いい感じのオバチャンになってて、きっと表情からもこのCDの発売を喜んでくれてるんだと思います。



Shell of a Woman
アーティスト:Doris Allen
販売元:Soulscape
発売日:2008-10-21
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