220px-If_Ever_You're_in_My_Arms_Againピーボ・ブライソンといえば、90年代に美女と野獣のテーマソングでCeline Dion とデュエットした歌手って印象が強かったんだけど、デビューは1976年。かなりアダコンを過去から極めてたシンガーだったのですね。R&Bチャートにおいては堅実なヒットを積み重ねていたけど、Natalie Cole, Roberta Flack, Chaka Khan, Regina Belle などとそれぞれ複数回デュエットを重ねてきたことでも有名―。なるほど、彼はかなりアメリカをうっとりな世界に誘いまくっていたというか、アメリカンスタンダードの新しい形を模索してきたシンガーなのかもしれないですね、妄想ですけど。

アルバムはデビュー9年目にして8作目、Elektra からの初リリース作。R&B12位・POP44位を記録。2・6曲目を除き、ピーボ作。全プロデュースも共同ながらピーボが担当。

1.「Slow Dancin'
2ndシングル、R&B35位・POP82位を記録。ミディアムスローで、ちょっとポップさも残したアダコン一直線。腹式ながら、若き艶みたいなものも汲みとれて爽やかさが新鮮でした
2.「If Ever You're In My Arms Again
1stシングル、R&B6位・POP10位・アダコンチャートでは1位を記録。Michael Masser, Cynthia Weil, Tom Snow 作、AORにも通ずるきれいなメロディ。ジャンル問わず、音の素敵さを知らしめてくれます
3.「Straight From The Heart
タイトル曲、アップテンポでピーボの歌い方が気合い入っていて、かなり高揚感増し。R&Bとは少々はなれてるけど、真摯な彼のヴォーカルスタイルがじんじんと来ますな
4.「There's No Getting Over You (La Theme De Sharon)
しっとりピアノになびかせながら中域でスロウリリックで歌われる幻想的な曲
5.「I Get Nervous
アップテンポ、グーニーズやら当時の流行ったサイケな音がバンバン到来。ちょっと今は古臭い感じもするので、当時の雰囲気を楽しむしかないっしょ
6.「Learning The Ways Of Love
Gerry Goffin, Masser 作、実験的な曲も時期的に良かったけど、彼は昔からスロウナンバーにこそ力を発揮するメロウシンガーな印象。無難な素敵な流れに、とろけます
7.「Real Deal
攻撃的なナンバー、音は過激でないので今でもしゃれた感じで聴けるのがポイント。高音でのスムースな声の重ね技は、何気に曲へのエッセンス
8.「Love Means Forever
ラストは2・6曲目などの他社からの提供曲などと張り合える、しっとり系バラード。アダコンを自作でっていうのがよいです。良い締めです

2003年に再発されたCDにおいては1985年『Take No Prisoners』と2in1で収録されています。なかなか初期のピーボのアルバムは再評価が進まずにいるのですが、本作においては無難に彼の初期の魅力を一挙感じとれるのではと思っています。



Straight From the Heart
アーティスト:Peabo Bryson
Elektra
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Straight From the Heart: Take No PrisonersStraight From the Heart: Take No Prisoners
アーティスト:Peabo Bryson
Collectables(2003-06-24)
販売元:Amazon.co.jp
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