
2004年にリリースされた4CD+1DVD『Ultimate Collection』なんかにも未発表曲はかなり収録されてあったわけで、そこに収録されている(『Invinsible』あたりの)音源なんかは、今いろいろ言われている「マイケルの声じゃない!」と思えてしまうような趣異なるヴォーカル曲も多数でした。だから、本作でマイケルの声でない…と思って聴くことは個人的には一切ナシです。さすがに、そのあたりのモラルは保たれてるだろうと。最近同じくリリースされたElvis Presley のヴォーカルを超巧みに復元した33年振りのニューアルバムなんかにも言えますが、捉え方は色々あって良いと思いますが…それでもマイケルを嫌いとかにはつながらず、良い曲を発見できればそれで良いかなぁと思っています(前述の『Ultimate Collection』での未発表音源は統一性はなかったけど、ここではアルバムという特性もあって繋がりがある程度保たれているはずなので、そのへんは優位に聴けるかな。さてさて、そろそろレビュー
1.「Hold My Hand (with Akon)」
マイケル生存中にリークされてしまい、エイコンのアルバムに未収録に終わった作品。多少、リークされた音よりも豪華さ・ヴォーカルの色味が上がったかな。PVをみると新鮮さは増しますね。今のシンセ音抜群に仕上がっているのがブーム便乗ぽくて気になったけど、後世に亘って聴ける嫌味ないミディアムバラード。マイケルの生存中のアルバムだったら、こんなしんみりなスタートは想像できなかったなぁ。早速R&B33位・POP50位を記録
2.「Hollywood Tonight」
Teddy Riley プロデュース、ちょっぴりオートチューンってのは気になるけど、マイコーも多少使っていたことあるし目をつぶれる範囲。この出だしと言い、リリックの刻み方、いかにもマイケルらしいステップで格好イイです
3.「Keep Your Head Up」
R&Bに根付いたバラード、Tricky Stewart プロデュース。青春一直線なマイケルらしい、美しい曲。何気に猜疑心あったんだけど、このアルバム、ここまでで胸ぐらしっかりつかれました、マイケルやっぱりいいなぁ、泣けてくる
4.「(I Like) The Way You Love Me」
Theron "Neff-U" Feemster プロデュース、ゆったり朗らかなミディアムポップ。この手の爽快さは、もしマイケルが生存していたら今後を創っていくためにもピッタリだったかもなぁと思わせてくれます。モータウン回帰的にも感じたり
5.「Monster (ft. 50 Cent)」
Teddy Riley プロデュース、曲としてはK-POPというか、Backstreet Boys などの攻撃性ポップスって印象がしました。ただ『Invinsible』期であればありそうだった感じの曲ですね。マイケルの声の飛ばし方(サンプリング個所)はちょっと賛否分かれそう。コーラス・ファルセットなんかはスウィートで好き
6.「Best Of Joy」
Theron "Neff-U" Feemster プロデュース。マイコーの簡素にもガシガシ伝わる直球なリリックに釘付け。「I Am Forever, We Are Forever」と繰り返される平和な心地にただただ浸ってしまいます
7.「Breaking News」
本作からのプロモシングル扱いで発表された曲、この曲の声がマイコーじゃないとかで話題になってましたが。マイコーのセクシーさがしっかり映った、まるで「Remember The Time」みたいなメランコリーなアーバントラック。1995年、はたまた2000年以降、だいぶ詞の内容が変わってきていたから、こういうのもアリなんだね、って冷静に消化してました
8.「(I Can't Make It) Another Day (ft. Lenny Kravitz)」
レニクラとの共演は兼ねてから話題になってたのでようやくお目見えという印象。ヴォーカルの強さがなんといっても惹き。なんかさっくり進行するけど、マイコーエッセンスが実に巧妙に凝縮という感想
9.「Behind The Mask」
なんと日本が誇るYMOこと Yellow Magic Orchestra1979年の名曲「Behind The Mask」をサンプリングした作品!!!YMOビートをベースに、The Jacksons 期の音を蘇らせたかのようにテクノディスコ。なんか懐かしさありつつも、マイコーのしっかり大人として構成されたヴォーカルが愉快に響いて、こりゃ楽しいわぁ
10.「Much Too Soon」
「Gone Too Soon」を想い浮かべちゃうけど、これは叙情的に静かなバラードという印象。さっくりエンディングでした
40分という長さで2010年のマイケルを表すには物足りなかったけど、それでも楽しめる曲多数でなかなかでした。アルバムの流れも新鮮で良かったし、あんまり前のめり過ぎない構成も良かったかな。この作品を不本意と思う方も多いとは思うけど、純粋にマイケルの才能にまた一つ触れられて感動できました。ただ、今後デラックス版とかは出さないでね!それだけはお願いしたいです。。。
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契約がまとまらなくてアルバムに入らず、
結局YMO自身が歌ったという物だったと記憶しています。
よってサンプリングという位置付けではないかと思いますよー。