51u6H1xRmNL__SL160_本日はエイプリル・フールということで、それにまつわる「April Fool」って曲が収録されている名盤"黒人賛歌"を。アレサ、アトランティック移籍8枚目のオリジナルアルバムで、名曲「Day Dreamin'」「Rock Steady」なんかが収録された悶絶盤、当時R&B2位・POP11位を記録。特に今月は、国内にて若干1000円にて最新リマスター盤として復刻!絶好の機会とて本盤をレビューします。

1. Oh Me Oh My (I'm A Fool For You Baby)
「Rock Steady」B面ながら、R&B9位・POP73位のヒット。美しいピアノでスタート、Jim Doris作・LuLu カヴァー。徐々に盛り上がっていく熱い、素敵な名曲。最後の爆発まで勢いは凄い、緩い曲なのに。でもフェードアウト早いような。ただね、毎回この曲になると書いてるかもしれませんが、この曲の邦題が"お馬鹿さん"なんです、当時の洋楽担当者と戦う意思があります。出てきてください


2. Day Dreaming
3rdシングル、R&B1位・POP5位を記録。アレサ自作。Donny Hathaway(!)のエレクトリックピアノでスタート、コーラスの単独フレーズも良い。夢見心地のネオソウル、しっとりソング。Mary J.Blige, Ntalie Cole, Tamia なんかのカヴァーも良かったよなぁ


3. Rock Steady
2ndシングル、R&B2位・POP9位を記録。アレサ自作。ソウル革命、ピアノはアレサ、エレクトリックピアノはダニー、ドラムはBurnard Purdie, ギターはCornell Dupree, オルガンはRichard Tee、パーカッションはRobert Popwell, Dr. John、メンフィスホーンのアレンジはTom Dowd, フルート参加にArif Mardin、、、なんとも贅沢過ぎる布陣の名曲。日本でも安室奈美恵サンプリングカヴァーなど、素晴らしきグルーヴ。後にリリースされていく、Sure Is Pure, Donny Krivit 等のリミックスもサイコーだし、参っちゃいます


4. Young, Gifted, And Black
Nina Simone カヴァー。当時の黒人を取り巻く環境を元に、アレサはアフロにして、ターバン巻き。そして、女性が黒人賛歌を歌う。ニーナと異なる魅力も、アレサならではの訴求度は相当強い
5. All The King's Horses
4thシングル、R&B7位・POP26位を記録。ディープな曲なんだけど、サビではしっかり豪快さ。ただ全体的にはメロウな仕上がり。どんな曲にも独創性があって、素晴らしい。凄い時期だったんだなぁ、改めて


6. A Brand New Me
1971年のシングル「Bridge Over The Trouble」B面曲。転がるようなアレサのピアノが魅惑、1970年代のライヴでは結構活躍する曲、もっとテンポ上げて会場をポップにしてくれる重要さ。そうは言ってもコーラスが入るとゴスペル度上昇
7. April Fools
「All The King's Horses」との両A面としてヒット。Hal David, Burt Bacharach カヴァーで、Dionne Warwick ヴァージョンが有名かな。本日ならでは、エイプリル・フール。出だしのコーラスが古臭いんだけど、それを除けば自由に泳ぐ魚のよう。ゆらり、ひらりモダンファンクのようなギターもなかなか。全体的にはストリングスなんかもあって、上質。エッセンス、旅しているように次々変化
8. I've Been Loving You Too Long
Otis Redding カヴァー。ソウルバラッドを、当時のアレサのテイストにて伸びやかにカヴァー。余裕たっぷりの解釈
9. First Snow In Kokomo
アレサ自作。隠れた名曲的なバラード。癖がなくて、朗らか。透き通るような、静かに歌いあげる様な真摯。ピアノ一本、ココモってどこだ?
10. The Long And Winding Road
The Beatles カヴァー。アレサはビートルズカヴァーをこれまで計5曲くらいやってるけど、これもアレサ流ぶち壊し解釈。こんなにゴスペル的に熱くなっていくのは凄い、メッセージ性がガラリ変る
11. Didn't I (Blow Your Mind This Time)
Tom Bell, William Hart 作・The Delfonics カヴァー。テケテケなギターが印象的、突発的な高音は流石としか言えないなぁ。
12. Border Song (Holy Moses)
実質1stシングル、R&B5位・POP37位を記録。Elton John 作でも話題に。ゴスペル的、それもディープなエンディングは不可思議なものを与えてくれるよう。21年後、アレサのアトランティックデビュー25周年を祝ったライヴでは本家エルトンとピアノ共伴奏しながらデュエット(未だに「Through The Storm」のライヴ共演はないようだけど)


12曲・45分。これは、何といようが名盤。ずっと聴き続けたくなる曲が満載。ただ、コマーシャライズに走っている部分もあるので、当時のシングル曲なんかをこぞって収録しまくり状態なのは賛否かな(一方で当時シングルオンリー曲も多いのが特徴的)。ソウル好きは、これは避けてはいけませぬ。

Young Gifted & BlackYoung Gifted & Black [CD]
アーティスト:Aretha Franklin
出版: Atlantic / Wea
(1993-12-08)

ヤング・ギフティッド・アンド・ブラックヤング・ギフティッド・アンド・ブラック [CD]
アーティスト:アレサ・フランクリン
出版: ワーナーミュージック・ジャパン
(2013-04-24)