アレサのアリスタ期2作目・前作から10ヶ月のスパンでリリースされR&B4位・POP36位を記録。前作の方向性の欠如を軌道修正する内容になっているものの、プロデューサー陣は基本Arif Mardin に託すことで、割と地味な仕上りかも。邦題は、想い出の旅路…アレサ史上、最も意味のわからない妄想タイトルのような気がします。

このタイミングで本作を取り上げたのには理由があって、BBR Records より4枚目となるアリスタ作品のボートラ付きリイシューが発表されたことを受けて。本日発売予定『Aretha (Expanded Edition)』に収録が見送られた「Can't Turn You Loose (Extennded Remix Version)」の他（収録の旨レコード会社に確認済）、「Hold On I'm Comin' (Extended Remix Version)」「Living In The Street (Extended Version)」「Living In The Street (Short Version)」「It's My Turn (Single Version)」の計5曲が収録されるはず！ともなると、本リイシューはBBR での復刻史上、最も収録分数の長い豪華盤になりそうと勝手に妄想拡大中（本編45分＋24分程のボートラで、ざっくり70分近く）。まずは未レビューだった本編を〜。

1. Love All The Hurt Away (with George Benson)
1stシングル、R&B6位・POP46位を記録。そして息子とのデュエットを除けば、アレサにとってシンガーとの初デュエットでした。アダコンむんむん、ムーディな美しいバラード。アレサの一人疑似デュエットライヴ映像は必見だったりします。。ベンソンの当時最新ベストにも収録
2. Hold On I'm Comin'
2ndシングル、Dance53位を記録。Sam & Dave カヴァーは1分の元気なイントロを経て、まるでヒーロー戦隊でも登場してきそうな全体感。ヴォーカルの色味も抜群、溌剌
3. Living In The Streets
4thシングル、個人的に安っぽいイントロが賛否と思われるんですが、、、それ以外はアーバンタッチのファンキーなポップ
4. There's A Star For Everyone
埋もれた佳作バラード、ピアノを軸に聴かせてくれます。叫び過ぎず、じわじわ聴かせる手法は、あんまりアリスタ期にはないパターンかも
5. You Can't Always Get What You Want
The Rolling Stones カヴァー、シリアスな入りながら、全体はポップR&B。サビの連呼はフィルターがかっていてクール
6. It's My Turn
3rdシングル、R&B29位を記録。何と言っても本作の極みかも、Diana Ross カヴァーを正規レコーディング・発表したのは驚嘆。美しい神妙なイントロから、その後のアレサの表情が見える移ろいヴォーカルも打つくして酔えます
7. Truth And Honesty
イントロの地味さを抜ければ、ポップでクールなサウンド。息遣い含め、これだけのノリはなかなか逸材。メロディアスで個人的に惹き
8. Search On
ゴスペルテイストの残るバラード、アルバムに隠れているように見せかけ、案外TV披露なんかもしてたのは意外
9. Whole Lot Of Me
歯切れ良いヴォーカル、浮ついたように爽やかなサウンド。乖離がムズイんだけど、これも隠れたポップ名曲かな
10. Kind Of Man
ラストは哀愁感たんまりのスロウバラード、美しい棚引き。伸びやかなヴォーカル健在に、ただただ安心感・安らぎ

全体的にイントロとその後の音のバランスがチグハグだったかも、それを除けば色々なレンジ・表情のアレサが聴けて楽しめる1枚。多分、ジャケもモノクロってのもあって、なんだか地味に映るんだけど、結構アグレッシヴな曲も多くて大人が楽しめるアルバムと思います。

　　　　
　
想い出の旅路(紙ジャケット仕様)
アーティスト：アレサ・フランクリン
BMG JAPAN(2008-05-07)
販売元：Amazon.co.jp

クチコミを見る
Love All the Hurt Away
アーティスト：Aretha Franklin
Arista(1998-06-16)
販売元：Amazon.co.jp
クチコミを見る

Love All the Hurt Away:Expanded Edition
アーティスト：Aretha Franklin
(2012-10-02)
販売元：Amazon.co.jp
クチコミを見る