51WD12YXW3L__SL160_クリスマスアルバムを別にして、ソロアルバムとしては4作目。R&B34位・POP143位・Gospel2位を記録。ゴスペルというバックグランドを持ち、ピカイチな実力を持った男性アーティストという印象で、彼の作品は常に気にかけています。Brian McKnight ばりの高音まではいかないけど、それくらいに安定感あるヴォーカルが何と言っても旨み。混沌した時代なんかだと特に、彼のヴォーカルは励みになるんじゃないかな。

1.「When You Pray
スムースでドラマ性・映画性なんかも感じる明るみも持つ1曲目に相応しい幕開け的な王道
2.「Love Thang
軽やかなギターと、ソフトにも乾いたヴォーカル、アコースティック調。クワイアがそーっと曲を引き立て、アダルトな味わい充満
3.「Love Me Anyway
ゴスペル的な要素よりも、アダコン的・ジャズ寄りのスロウバラード風。ざらついたヴォーカルが神妙までに低域を保ち、そこからファルセットとの行き来。ワンアンドオンリーな世界観が充満
4.「That's A Friend
打ち込み系かな、と思ったら多少異なる実験的なリズムの取り方で斬新。。中身は程良いスピードで、現代ビートに打ち勝る何かをひそかに感じたり。可愛らしく加工された女性ヴォーカルの吹き心地とつぶやき的なパーツ、印象に残ります。高らかなビービーのヴォーカルも力入ってます
5.「I Have A Dream
タイトル通りというか、Martin Luther King Jr. の説教をそのままサンプリングしつつも、曲調は滑らかに心地よい感触で、なんと聴きやすいのだろう。タイトル曲と言っていいくらいに、彼のゴスペルで伝えるべき愛のメッセージが詰まってます(後に、オバマ大統領を支援するコンピ『Yes, We Can』にも収録され話題になりました)
6.「Help Is On The Way
セルフコーラスも絶妙な組み方で、R&Bの良曲として楽しく味わえる1曲。余裕あるメロディ、楽しげに歌うビービー。全体的に肩の力抜かれてて、ギターで艶もしっかり出てて、豊かな気持ちにさせてくれます
7.「So Glad
ピアノをベースに、スタンダード的に歌われてこれも聴き心地ナイス。インディ路線にはいかないソフトな音づくり。彼の音の芯が、心にジンジン響き伝わるなぁ
8.「Have You Ever Had
打ち込み的なドラミングに、生音を重ねた後に組まれる流れていく技術あるヴォーカルが実に上手すぎて、もう酔うしかないぞ。90年代R&Bの良さをうまく継承している印象
9.「If I Let My Heart Go
アコギは随所登場してたけど、ここでは物悲しさを表現する演歌のよう。ゴスペルから離れて、ラテン的でもあるし、それをさらりと流れに組みこんでしまう術は流石
10.「Miracle Of Love (ft. Angie Stone)」
裏ジャケに書いてなかったから分からなかったけど、しっとり大人のバラード共演。それもアンジーと。オルガンがゴスペルを思わせてくれるけど、ホーンとピアノが洒落たソウルを最も連想させてくれます。シーシーから変わると、こんなにも粋な掛け合いになるんだね、面白かったです
11.「Safe From Harm
ピアノ伴奏のみ。緊張感ある進行で、丁寧に歌われるラストメッセージ。多少のコーラスあれど、ここでのビービーのヴォーカルは、正にスタンダード

12〜23.「Untitled Track
24.「Untitled Track
隠しトラック!5秒ずつの無音が計1分続いた後に、またもピアノ伴奏のみで紡がれるバラード(ちょっとギターなどのエッセンスは加わるけど)。止まないバラードでの訴求、完全ノックダウン

Darwin Hobbs, Leanne Palmore などが複数曲でコーラスしているのも、アルバムの厚みにつながっているのかな。ジャケからは、ゴスペルだろうなぁ…と思うかもしれないけど、むしろゴスペルよりもR&Bに基調を置いているので、歌がしっかりした大御所男性R&Bバラードが好きな人が聴けばきっと気に入る作品なはずです。



<過去レビュー>
2000年 Love & Freedom
2003年 My Christhmas Prayer
2009年 Still (BeBe & CeCe Winans)

Dream
アーティスト:Bebe Winans
Hidden Beach(2005-02-22)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る

Dream
アーティスト:Bebe Winans
Sony(2005-03-07)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る