51gy2LvVmoL__SL160_ソウルシンガーのマーヴィン・シーズが2011年2月8日64歳の若さで亡くなりました。今朝SHIROW君のブログで知ったんだけど、アメリカのニュースなどを探してもなかなか出てこず。(噂なのか真実なのか信じにくい情報も多々あれど)ツイッターでは相当な情報が氾濫しており、ウィキも更新され、事実と飲みこむ流れに。。。そして今宵、徐々にニュースも盛んになってきました。心よりご冥福をお祈りいたします。

彼についてはほぼベスト盤で濁してきた程度。それでも、結構日本では彼のコンピなんかを見かける機会も多かったです。彼の歴史をたどると、1980年中盤にセルフタイトルアルバムでR&Bチャートヒットを飛ばして以来、アルバムはコンスタントに中ヒットを飛ばしいたようです。シングルは1曲のみ、1991年「Tonight」でR&B86位を記録したっきり。それでもソウル、ブルース界では着実に評価されていたアーティストでした。今回は急きょ購入して追悼の意を表します、Blues6位・R&B42位と彼のキャリアにおいても高評価だった遺作を。

1.「The Power Of Coochie
JB的なファンキーソウル、緩いビートながらホワホワと楽しげにしゃかりきヴォーカル。この堂々としたフック、たまらんです。1曲目でまずソウルファンは心わしづかみでしょう
2.「I'm Coming Home
ゆったりバラード、何より細切れに歌われるヴォーカルは味があってよいです。Eric Clapton 的なブルース要素もあり、語りだったりコール音だったり、なんか色々な仕掛けを入れ込んでます
3.「Quiet As It's Kept
Al Green 的な軽快ソウルポップフィーリング。愉快痛快マーヴィン氏、リズムもリリックも刻み方ナイス
4.「She's My Woman
ホーンの飛ばし具合、1分程のユーモアある語り口。コーラスも曲によって調子を変えていて、曲に変化を感じさせてくれます。相変わらずの楽しげな音の転がり方、ピアノだったりワウギターだったり、音一つにしても楽しみモリモリ
5.「I Love You
曲の進行はまるで繋がりあるかのよう。低域で引っ張るヴォーカル、ハスキーさ・声の籠りなど、それも一つの味として確立してます
6.「I Do Baby
ここに来て、曲はナイトモードというか、セクシーモードというか。ちょっと調子が変わります。淡々とした感もあるんだけど、女性コーラスとの曲の構築が素敵
7.「My Dog Won't Bark
マーヴィンお得意のミディアムテンポ、ちょっぴりテケテケとした感覚や語りが多いのもここでの彼の特長。高音でムリせずに堂々と彼の世界観は突っ走ります
8.「Gone On
サビの「ゴーオーン」が頭脳を制覇。あっけらかんとしたミディアムテンポ、とにかくループ。このスコーンとした感覚、嫌いじゃないな
9.「Denying Our Love
リードのマーヴィンも、女性コーラスも、演奏も、それぞれ即興で彩りを運んでくれているような、詞全体が溢れた全体。控えめなんだけど、気になる空間
10.「I Can'T Let You Go
よくあるホーンの展開、こういう曲での無理ない展開は好きだな。ブルースをウリにできるヴォーカルぽいのに、ソウルに走るマーヴィンが愛おしいです。ピアノの鳴り、乾いたファルセットが聴けるのもポイントでした
11.「I'Ll Take Care Of You
ゴスペル主体のビート、コーラスに、ソウルを色として加えた味わいまろやかな曲。各所ホーンもギターも控えめ、少々マーヴィンの荒げが聴けるのは、これまた良いな
12.「Blues Town
ラストはあっけらかんブルース。もしかしたらロックファンなんかにこそ愛されそうなヴォーカルとアレンジ。こういうのは再評価すべきだね

マーヴィンはこんなに進行形だったとは。おそらく80年代中盤から90年代初期でメジャーからは退いた感あったけど、彼の音楽魂はスーッと耳になじんできました。60を過ぎたヴォーカルも、若々しくてお世辞じゃなくてホント楽しく聴けましたよ。嗚呼、あと8日で65歳の誕生日だったんだって、切ないね。今夜は彼の遺作を聴けて良かったぞ。ありがとう、マーヴィン・シーズ!



Who's Got the Power
アーティスト:Marvin Sease
Malaco Records(2008-08-12)
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