
自分としてベストなタイミングとして選んだのは、本日2011年3月25日が僕の敬愛するアレサ・フランクリン 69歳の誕生日だということ。巷では6月9日は69(ロック)の日と称されることもありますが、69歳=69(ロック)とこじづけて、前作『Who's Zoomin' Who』以上にロックテイストが強まった(おそらくアレサ史上最もロック度が高い)、今からちょうど25年前のアルバムをピックアップ。アレサにとって、名前を冠した3枚目のアルバムではありますが、邦題だと『ジャンピング・ジャック・フラッシュ』…このアルバムの中に収録されている「Jumpin' jack Flash」はThe Rolling Stones のカヴァーであると同時に、1986年当時に公開された同名映画“Jumpin' Jack Flash”の主題歌になったこともあり、注目度をあげるためには相応しい邦題タイトルだったのでしょう。
アルバムジャケットは、 画家のAndy Warhol が担当。R&B7位・POP32位を記録しましたが、R&Bファンを喜ばせるというよりは、POP・Rockファンへの間口を広めた作品と言う位置づけかもしれません。その中でも「Respect」以来20年振りという記録的インターバルでジョージ・マイケルとのデュエットがPOP1位を獲得したというのは相当な話題となりました(アルバム発売2ヶ月後の話ですが)。R&B好きには、是非とも再評価いただきたいバラードも多々あるので(アダコン寄り)、そのへんは要チェックで。前作同様Narada Michael Walden が多数曲を手掛けてますが、多少異なるクレジットにも注目。
1.「Jimmy Lee」
2ndシングル、R&B2位・POP28位を記録。ゴスペルテイストでピアノとの伴奏アカペラ1分イントロ。その後は、アレサを再ブレイクに押上げたワクワクホーンなポップス的展開。PVは「Another Night」にも近いけど、ニコニコライヴなご様子
2.「I Knew You Were Waiting (For Me) (with George Michael)」
3rdシングル、R&B5位・POP1位を記録(UKでも1位)。邦題「愛のおとずれ」、アレサにとって初の白人シンガーとの公式デュエットだそう。ジョージをアレサが指定したとは思えないけど(おそらくレーベル総長Clive Davis の手腕かな)、当時のジョージは1位連発・アレサもチャートヒット再度軒並み状態だったので自然的ヒットが約束された形かな。曲自体は、何が良いというよりも、面白くデュエットできてるってところが旨み。PVを見ればうまくまとまっている曲だなぁと納得いただけると思います
3.「Do You Still Remember」
Walter Afanasieff 曲参加。ストリングスも散られて、アリスタ期初期の味わいにも近いバラード。しっかり作り込まれた感のある上品な仕上り
4.「Jumpin' Jack Flash (ft. Keith Richards on Guitar)」
1stシングル、R&B20位・POP21位を記録。これはアルバムの一つのハイライトになる曲、1968年のストーンズの大ヒット曲をアレサがカヴァー。PVにはWhoopi Goldberg が映画さながらの出演、さらにはストーンズの面々も参加。アレサは完全ロックスタイルでピアノをかき鳴らすという荒々しさ。きっと、この効果もあって翌年に女性初のロックの殿堂入りを果たしたのかもしれないですね。これは今までにない程、ロックのアレサを堪能できる曲
5.「Rock-A-Lott」
4thシングル、R&B25位・POP82位を記録。世間的には今に至るまで結構面白くリミックスが作られるなど愛聴されている曲ですが、前シングルがPOP1位を記録したことを考えれば完全にこけたって事実でしょうね。PVではアレサ人形が活躍、レーベルメイトのWhitney Houston を登場させても糠に釘。バブル感満載のポップミュージック、アレサが好んでしまったのが…
6.「An Angel Cries」
気を取り直して、スウィートなバラードを。メロディ展開はしなやかで美しいです。淡々と流れる感はあれど、アルバムの中でも一入安心感
7.「He'll Come Along」
アレサ自作、ポップなR&Bって感じかな。ただ圧巻なのはラストのシャウトにも近い高音アタック!もう爆発しまくりのアレサ、オリジナル音源では80年代になかなか無かった気迫
8.「If You Need My Love Tonight (with Larry Graham)」
5thシングル、R&B88位を記録。大人のラヴデュエットという感じ、これまでに無い歯切れの中、微妙にドラマを感じさせる展開。掴みどころは難しいけど、最後はアレサ独壇場でラリーは薄れがち
9.「Look to the Rainbow」
B面はトータルで考えるとインパクト弱いかなぁと思ったけど、この曲あってだいぶしまるなぁと改めて1947年のブロードウェイ楽曲、アレサの魂がしっかり曲に乗り移っていて、もうこれを聴くとアトランティック期にも通ずる凄みを感じて、ポップすぎたアレサも許せちゃう感じです
A面4曲目までは、抜け目ないなぁと改めて。問題は5曲目、これが賛否両論。これを抜ければ曲目後半の迫力・そしてラスト9曲目のフィナーレと続き満足できるわけです。アルバムジャケからは未知数なイメージなアルバムだけど、アレサを更に飛躍させた要素をいっぱい持つアルバムだと思います。

アーティスト:アレサ・フランクリン
BMG JAPAN(2007-12-19)
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ジャンピン・ジャック・フラッシ
アーティスト:アレサ・フランクリン
BMGビクター(1994-04-21)
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「愛のおとずれ」ってサード・シングルだったんだ。
何かこの曲は先行的に売れて、その後に「ジャンピング・ジャック〜」とかがリリースされたイメージでした。
レーベルとしては相当力入れたはずなんだけど、結果的に目指したクロスオーバーな成功には至らずって感じになっちゃいましたよね。前作に比べても、何かちぐはぐというか印象というか、方向性が拡散してるように当時思いました。
今聞いたらまた違う感想になるかもしれないけど。