
David Ritz のライナーには色々な事が書いてあるけど、Bobby Scott は、Quincy Jones の影響をもろに受けていたぽいですね。惜しくも1990年に53歳の若さで亡くなっていますが、ゴスペルピアノプレイヤーを生涯目指していたというのもあり、彼とアレサの融合は興味深いものもあります。ライナーには、その他ミュージシャンのリストなんかも丁寧に整理されていて、何ともこのアルバム化・CD化の仕事の丁寧さには脱帽です。
1.「Here Today And Gone Tomorrow」(3:29)
2002年『Queen In Waiting』収録。ちょっとキツめの高音楽器が耳に障るけど、ゆったりヴォーカルのアレサは既に貫禄有り
2.「Please Answer Me」(2:31)
1992年に「Once In A While」という曲名で初CD化。その後、2002年『Queen In Waiting』にて曲名が変更されて、改めて収録された曲。スロウにソウルがかったヴォーカルも聴きどころ、女性コーラスなんかも控えめに加わっているし
3.「Harbor Lights」(2:50)
未発表曲、初CD化。ジャズの上質さが顕著なスロウな演奏。アレサのヴォーカルを惹きたてた控えめなセッション
4.「I May Never Get To Heaven」(3:28)
未発表曲集『Take It Like You Give It』収録、低域はゴスペルがっかった歌唱。秘めたものを感じずにはいられないです
5.「Moon River」(2:11)
個人的に、コロンビア期においても大好きなアレサの曲。ミディアムポップに仕上げた爽快なバウンス感、たまりません!長年お蔵入りしてましたが、1996年に年廉価コンピ『Sing Standard』にてCD化済
6.「I Won't Cry Anymore」(2:50)
未発表曲集『Take A Look』収録、平坦なアレンジ曲だけど、ヴォーカルの抑揚がたまらないメロウスロウ
7.「Bill Bailey, Won't You Please Come Home」(2:20)
未発表曲集『Take A Look』収録、アッパーに骨太なヴォーカルが活きる豪快ナンバー
8.「My Little Brown Book」(3:19)
2002年『Queen In Waiting』収録。包み込むような演奏に、息遣い豊かなヴォーカル、とろけます
9.「Tiny Sparrow」(2:51)
2002年『Queen In Waiting』収録。実質、アルバムタイトル曲扱い。なんだかシリアス気味、裏を取れば深み有り。アレサに無かったようなタイプのドラマ性ある展開、どこか癖になりそうなストリングスとアレサの重みあるヴォーカル、これはちょっと期待以上だったかも
10.「Johnny」(3:06)
シングルカットされた曲だけど、未採用テイク。ボートラとして収録されたモノヴァージョンと比べても、品のあるリマスター曲として聴けるのは明らか。上質に流れていく暖かいヴォーカルにうっとり
11.「Looking Through A Tear」(3:11)
2002年『Queen In Waiting』収録。スタンダード的に、美しき世界をアレサのヴォーカルが力強く添えるって感じかな
<Mono Mixes>
12.「Bill Bailey, Won't You Please Come Home」(2:20)
ここからのモノ音源がシングル用に1963年12月にトラックダウンされています。でもシングルとしては採用されず、後のコンピ等に収録されるに至ったようです
13.「Johnny」(2:59)
1970年コンピ『Two Sides of Love』をはじめ、CDでも聴ける1982年コンピ『Sweet Bitter Love』などにも収録。当時シングルカットもされています
改めて情報を整理すると、完全未発表曲ってのは3曲目のみ。大半は2002年の2CDベスト『Queen In Waiting』にてCD化されていたようです。ただし、特筆すべくは当時のレコーディングされた3日間の流れに沿って曲を堪能できること。これは意味があることだと思います。この流れに加え、その後手を加えられたボートラ等も聴くと、一層旨みを感じるはず。何とも素敵なレガシーの仕事だ〜。アルバム自体は、ボートラ入れて37分程。

アーティスト:Aretha Franklin
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