ABitOfSoulコロンビア期の12枚組完全盤ボックスの最後のレビューとなりました!!いかにもアンリリースならではのジャケット。ここには、1964年12月15〜17日に録音された12曲に、1965年2月24日に録音された3曲(9,10,13tr)の他、モノ音源6曲を収録した計22曲。アンリリースドマスターの中でも最多曲数を収録したディスク9枚目をレビュー。

【本作の既出曲内訳】
1965年 11曲収録『Soul Sister』から3曲/1,4,7tr
1967年 10曲収録『Take A Look 』から7曲/2,6,8,9,10,12,15tr(ただし15曲目はモノ音源)
2005年 2in1『Unforgettable / Runnin' Out of Fools』ボートラ2曲/3,11tr
※完全未発表曲3曲/5,13,14tr
※モノ音源7曲/16,17,18,19,20,21,22tr

1.「Follow Your Heart」2:26
音は上質に奏でるジャズながら、ヴォーカルのこぶしなんかはソウルの息吹
2.「Only The One You Love」2:24
最初「One Step Ahead」と間違ってしまいましたよ、イントロの音が似てるんです。ジャズなんだけど、荒げるヴォーカルは少々ソウル味もあるかなぁと
3.「One Step Ahead」2:34
人気曲!!普通にジャズながら、サビの低域フレーズの口当たりこそが受けたんでしょうね
4.「Can't You Just See Me」2:03
シングルカットされ、POP96位を記録。薄口ながら、ジャンプポップで楽しめる快力あり
5.「How To Murder Your Wife」2:55
未発表曲!ハワイアン的な音と、ストリングスの優雅さが融合した軽快ジャズ
6.「A Little Bit Of Soul」2:21
タイトルに恥じることなく、これはソウルのアッパーさに、音もホーンとピアノをベースにした古臭くない展開!こういうのが聴けると、当時の変化も汲めて楽しくなるな
7.「Cry Like A Baby」2:13
抜け目ないメロディ、盛り上がる部分もソウルのエッセンスを多々感じられます、女性コーラスやらピアノの叩き具合なんかも好感。ストリングスが無いと、だいぶ評価あがります
8.「Her Little Heart Went To Loveland」2:34
スロウながら、強めで挑発的にも感じるヴォーカル。爆発したいけど爆発はしない、歯がゆさ有れどこれはこれで上品だなー
9.「Remember Me」2:13
Van McCoy 作、最初は女性コーラスとピアノでソウルの片鱗あるかと思いきや、ストリングス登場で美世界こにゃにゃちわ
10.「Land Of Dreams」2:14
アレサ作、ムード歌謡のようなシャバダバダ、しかーし燃えるヴォーカルも少々
11.「Little Miss Raggedy Ann」2:10
あっけらかん、波止場のロマンス。ジャズなんだけど、ファルセットやシャウト系で、何ともクールなソウルにも聴こえてきた

<Bonus>
12.「Deeper」2:12
ジャズとソウルの狭間かな、ギターのうねりや女性コーラスなんかもソウル寄り。しいて言えばピアノの質感がジャズになっちゃってるんだよね
13.「I Still Can't Forget」2:55
未発表曲2曲目!アレサとTed White 共作、ホーンの哀愁を除けばソウルにも近い狂おしい感覚の流れるメロディ・ヴォーカル
14.「Rose Of Washington Square」2:38
未発表曲3曲目!!スタジオでのヤリトリで始まる異色作、落ち着くハワイアンスタンダード風。これぞ原点回帰って感じながら、作品自体は悪くないじゃん

<Bonus - Mono Mixes>
15.「Take It Like You Give It」1:53
表記的には16曲目以降のモノミックスの部類になってたけど、この曲自体ステレオ音源は存在しないみたいで…。なので、単体で捉えれば、普通にボートラでもなんでもいいから、モノ加工されただけと捉えてはいけない曲です。未発表曲集のタイトルにもなったけど、さっくりルンバ・ジルバな軽快なポップス

<Mono Mixes>
16.「Follow Your Heart」2:26
1967年シングル「Take A Look」B面、奥行きはなくなってるけど当時の旧き良い音だなぁと
17.「Only The One You Love」2:22
この音源は何に使われたのか不明、、、シングル化もされてないしな。コンピ等には、ステレオ・モノラルなどを分けて収録したことがあるとか??いやー、そこまで曰くつき???エコーがかってないなぁという感想しかないです
18.「One Step Ahead」2:27
Mos Def「Ms Fat Booty」でのサンプリング以来、ヒップホップユースな曲として認知された楽曲。シングルオンリー曲ながら、R&B18位(コロンビア期4番目のランク)を記録しただけあって隠れた名曲として位置づけられるスロウジャムと捉えていいでしょうね。ステレオもモノも堪能できるなんて、それだけで贅沢
19.「How To Murder Your Wife」2:49
未発表曲のモノ音源…シングルリリースを検討し制作されたのでしょうか。ほんと大盤振る舞いだなぁ。モノのほうが音圧あるように感じました
20.「A Little Bit Of Soul」2:18
未シングル、ゆえに何に使われたでしょうか?既発かも不明。クリアー度は薄れつつも、耳には優しいジャンプ
21.「Cry Like A Baby」2:06
1967年シングルとしてR&B27位を記録、モノのほうが10秒ほどフェードが早いという発見あり
22.「Her Little Heart Went To Loveland」2:35
未シングルゆえに、不明なステレオ・モノ両音源の存在。なんか地味に籠った音、これが丁度聴きやすい感じかも

3分以上の曲は無し、ゆえに22曲あっても53分とさっくりな内容。追及しきれなかったモノ音源にて重複も目立ちますが、当時のレコーディング作品をしっかりパッケージできた手堅いマトメだったようなディスクだと思います。



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アーティスト:Aretha Franklin
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