51T9quAelJL__SL160_パトリース・ラッシェン6作目、R&B23位・POP71位を記録。Kirk FranklinLookin' For You」の大胆サンプリングでもお馴染み「Haven't You Heard」をヒットさせ、前作『Pizzazz』の大ヒットを受けてリリースされました。ただ、1982年の7作目『Straight from the Heart』もヒットした割に(彼女最大の「Forget Me Nots」も含まれてるしね)、5作目・7作目に挟まれた本作はどうにもDance寄りの扱いを得ているせいか、どうもR&B好きには軽視されている気もします。

1.「Never Gonna Give You Up (Won't Let You Be)
2ndシングル、Dance2位を記録。これは聴くべしなバウンシーで緩やかなR&Bダンス、David T. Walker のギターも跳ねてます。BPMあ抑え気味、それでも軽やかにテンポよく曲展開。7分の長さを感じさせない一貫した楽しさ充満
2.「Don't Blame Me
音とコーラス、かなりカッチョイイんです。緩めのファンクグルーヴながら、清涼感あるヴォーカルにただただ吸いこまれます。これも6分半程の長尺風、中盤のオルガンバー的な音の転がりには頭ループ開始
3.「Look Up
1stシングル、R&B13位・Dance2位を記録。サルサ的な曲調に、アダコン要素・ダンサンブルな要素も加わり、時代の幕開け感をひしひし体感。ヴォーカルの可愛らしさをダブ重奏ながらもソロシンガーとして手腕、ホーンの挟まれるタイミングもいなせてます
4.「I Need Your Love
Minnie Riperton のような妖艶で初々しい中域ヴォーカル、透明度鮮烈。とろけてしまえ、ラヴバラード。音の洗練さも忘れてないのが尚良いね
5.「Time Will Tell
ホーンもギターもポップに前面に押し出された感あり。ヴォーカルの技巧は言うまでもなく、無難に軽やかなダンスポップ
6.「The Dream
ジャズ要素よりも、神妙さのある前半。そして後半は温度を保ちつつも、バカラック的な哀愁もちょいちょい。深みのあるバラードと言えるでしょうね
7.「The Funk Won't Let You Down
イントロから最高のグルーヴ、ギターのワウワウもピアノの跳躍もホーンの元気さもタマランす!アルバム中、彼女の新骨頂的部分がしっかり出てます。コーラスは他人に任せ、リードヴォーカルが見つかりにくい出来。みんなでコーラスとして斉唱。サビは清涼感あるファルセットで堅実に。どこまでも懐のでかい仕上がり。まさしく本作のハイライト7分半
8.「This Is All I Really Know
最後はひねりのない歌われ方。スロウバラード。アルバムのまとまり感を出すためかな、最後は安心してラストって印象

ダンス曲プッシュ度が高すぎたのでR&Bファンは敬遠しがちなのがようやく判りました(爆)。それでも1・7曲目あたりは相当な萌え材料。バラードもいけてるけど、やっぱ彼女のヴォーカルにこそ惹きがあるなぁと改めて。ただ、今知ったんですが邦題は『おしゃれ専科』だったそうです。マダム目線かよ、つか誰だよこんなタイトルにしてアホな売り方をしたのは(苦笑)。。。。今入手困難みたいなんでレコードだったり、いつかリイシューされるタイミングで入手できれば万歳です。名唱の一部はベスト堪能で良いかもしれませんー

<過去レビュー>
1994年 Anything But Ordinary

 

Posh
アーティスト:Patrice Rushen
Wounded Bird Records(2003-02-25)
販売元:Amazon.co.jp
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