アレサ・フランクリンのコロンビア期のコンプリートボックスより、おそらくソウルファンには一番注目されているであろう『Today I Sing The Blues』の収録されたディスク11『The Queen In Waiting』を、かいつまんで紹介(以前発売された2枚組ベストCDとは全く異なる内容です)。
まず、何故に注目されるかっていうと、アレサがコロンビアに在籍した間では決して出会うことなかったBurnard Purdie, Chuck Rainy などが演奏したオケに、アレサのヴォーカルを被せ
たものになっているから。要は、インストが変わったことで、アレサのヴォーカルがアトランティック風に変わったことで、コロンビア期の曲が別の息吹を持った仕上りになっているんです。ただ、一部歌と曲が噛みあってなかったりするので、それは流石にソウル風には180度転換できなかった結果。そういうのも含めて、面白いアルバムなんです。
ただし、今回のボックスに収録されている曲順は、ある程度『Today I Sing The Blues』あたりの曲をまとまった箇所に収録しているものの、オリジナルLP通りの曲順ではないので注意。一応、今回はボックス曲順に沿って曲レビューをしますが、一応オリジナルLPの曲順も併記しておきます。オルガンやギターなどの音が前面に出ていることで、「I Never Loved A Man」のようなテイスト。ヴォーカルはもともと落ち着いた作品なので、アレサのヴォーカルもスムースに馴染んでます。これを聴いたら、ジャズ曲だとは決して思えなくなるはず
B5→10.「Today I Sing The Blues」
この曲だけ1967年10月レコーディング(アレサは既にアトランティック移籍済で大ヒット驀進)、アレンジは、Howard A. Roberts 担当。更にはこの曲だけmono録音。
A1→11.「Walk On By」
これ以降の曲はBilly Jackson プロデュース。軽快で賑やかなサザンソウル。色々と音を駆使することで、ここまで生まれ変わることに衝撃。女性コーラス、ホーンなんて、コロンビア期では考えにくかったわけで、かなりアトランティック期のアレサを意識してのアレンジです
A2→12.「One Room Paradise」
当時のアレサは、アトランティックレコードにおいてコカコーラのCMソングなんかもバシバシやってたけど、そんな勢いのある仕上りかな。女性コーラスの厚みが大きなエッセンス
A5→13.「Every Little Bit Hurts」
少々コロンビアテイストが色濃いけど、泣きのギターとピアノがいい感じで曲に新たな息吹。ストリングスも控えめながら、良い味出してくれてます
A4→14.「Evil Gal Blues」
豪快な音展開が見事アトランティック再現!ハーモニーカ参加したりと、やり過ぎ感はあるけど、完全に元のテイストは消えちゃってますね
B4→15.「Rough Lover」
1961年の1stアルバムからってのもあるけど、アレサの声が若過ぎてどうもこの音源との乖離を感じてしまいました。音は悪くないんだけど、この曲だとコロンビア期の印象のままそっとしてあげてほしかった(笑)。それでも、ここまで変化を与えようとする姿勢には脱帽
B3→16.「Trouble In Mind」
落ち着いた曲調は無難に自然な変化を楽しめます。ヴォーカルのドスなんかも、既にアトランティックに近いものがあるので、正に女王と呼ばれるのを待つアレサってのがしっかりはまりますね
B2→17.「Without The One You Love」
しっとり聴かせてくれます、まるでアレサがピアノを弾いてるかの如く。完全見事なプレソウル節
B1→18.「Won't Be Long」
サザンソウルを超えて、ニューソウル時代突入的な弾ける音が印象的。跳躍が楽しいブギーなテイスト
A3→19.「Take A Look」
ジャズ度が残る中、ホーン強めに、ピアノやオルガンなんかで微妙にソウル味出そうと頑張ってますな。コロンビア期後期ながら、アレサのヴォーカルもここではジャズ風味
曲によっては無理やりな印象もあったけど、改めてリマスターされた音で聴いたら9曲中6-7曲は完全にアトランティック風って言って良いと思いました。選曲ってのもあるかもしれないし、アレサが元々ソウルフルなものを秘めてたってことだと思うけど、このアルバムの企画・演奏・全体感が素晴らしいなぁと。こういうのがボックスでしか今は聴けないけど、いずれ単独CDとして発売されるってこともあるかもしれないですね。それにしても、驚くべき10~19曲目。
Take a Look: Aretha Franklin Complete on Columbia
アーティスト:Aretha Franklin
Sony Legacy(2011-04-12)
販売元:Amazon.co.jp
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まず、何故に注目されるかっていうと、アレサがコロンビアに在籍した間では決して出会うことなかったBurnard Purdie, Chuck Rainy などが演奏したオケに、アレサのヴォーカルを被せ
たものになっているから。要は、インストが変わったことで、アレサのヴォーカルがアトランティック風に変わったことで、コロンビア期の曲が別の息吹を持った仕上りになっているんです。ただ、一部歌と曲が噛みあってなかったりするので、それは流石にソウル風には180度転換できなかった結果。そういうのも含めて、面白いアルバムなんです。
ただし、今回のボックスに収録されている曲順は、ある程度『Today I Sing The Blues』あたりの曲をまとまった箇所に収録しているものの、オリジナルLP通りの曲順ではないので注意。一応、今回はボックス曲順に沿って曲レビューをしますが、一応オリジナルLPの曲順も併記しておきます。オルガンやギターなどの音が前面に出ていることで、「I Never Loved A Man」のようなテイスト。ヴォーカルはもともと落ち着いた作品なので、アレサのヴォーカルもスムースに馴染んでます。これを聴いたら、ジャズ曲だとは決して思えなくなるはず
B5→10.「Today I Sing The Blues」
この曲だけ1967年10月レコーディング(アレサは既にアトランティック移籍済で大ヒット驀進)、アレンジは、Howard A. Roberts 担当。更にはこの曲だけmono録音。
A1→11.「Walk On By」
これ以降の曲はBilly Jackson プロデュース。軽快で賑やかなサザンソウル。色々と音を駆使することで、ここまで生まれ変わることに衝撃。女性コーラス、ホーンなんて、コロンビア期では考えにくかったわけで、かなりアトランティック期のアレサを意識してのアレンジです
A2→12.「One Room Paradise」
当時のアレサは、アトランティックレコードにおいてコカコーラのCMソングなんかもバシバシやってたけど、そんな勢いのある仕上りかな。女性コーラスの厚みが大きなエッセンス
A5→13.「Every Little Bit Hurts」
少々コロンビアテイストが色濃いけど、泣きのギターとピアノがいい感じで曲に新たな息吹。ストリングスも控えめながら、良い味出してくれてます
A4→14.「Evil Gal Blues」
豪快な音展開が見事アトランティック再現!ハーモニーカ参加したりと、やり過ぎ感はあるけど、完全に元のテイストは消えちゃってますね
B4→15.「Rough Lover」
1961年の1stアルバムからってのもあるけど、アレサの声が若過ぎてどうもこの音源との乖離を感じてしまいました。音は悪くないんだけど、この曲だとコロンビア期の印象のままそっとしてあげてほしかった(笑)。それでも、ここまで変化を与えようとする姿勢には脱帽
B3→16.「Trouble In Mind」
落ち着いた曲調は無難に自然な変化を楽しめます。ヴォーカルのドスなんかも、既にアトランティックに近いものがあるので、正に女王と呼ばれるのを待つアレサってのがしっかりはまりますね
B2→17.「Without The One You Love」
しっとり聴かせてくれます、まるでアレサがピアノを弾いてるかの如く。完全見事なプレソウル節
B1→18.「Won't Be Long」
サザンソウルを超えて、ニューソウル時代突入的な弾ける音が印象的。跳躍が楽しいブギーなテイスト
A3→19.「Take A Look」
ジャズ度が残る中、ホーン強めに、ピアノやオルガンなんかで微妙にソウル味出そうと頑張ってますな。コロンビア期後期ながら、アレサのヴォーカルもここではジャズ風味
曲によっては無理やりな印象もあったけど、改めてリマスターされた音で聴いたら9曲中6-7曲は完全にアトランティック風って言って良いと思いました。選曲ってのもあるかもしれないし、アレサが元々ソウルフルなものを秘めてたってことだと思うけど、このアルバムの企画・演奏・全体感が素晴らしいなぁと。こういうのがボックスでしか今は聴けないけど、いずれ単独CDとして発売されるってこともあるかもしれないですね。それにしても、驚くべき10~19曲目。
Take a Look: Aretha Franklin Complete on Columbia
アーティスト:Aretha Franklin
Sony Legacy(2011-04-12)
販売元:Amazon.co.jp
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