51T5X05HX4L__SL160_ダニー・ハザウェイが生前残したライヴアルバムは1972年『Live』の1枚のみ。ハザウェイ死後、1980年『In Performance』というライヴ盤も発表されたけど、未発表曲テイクを7トラック収録した2004年の新装ライヴ盤(R&B68位・POP201位)こそが、僕にとってのリアルタイムだったため思い入れが強いです。実際、既発の2作からの曲が収録されているんだけど、、このアルバムは一つのライヴのように繋がって聴こえたのが印象的でした。このアルバムの収録曲順に分けてレビューしつつ、数日前に亡くなったCornell Dupree のプレイにも特に心を浸したいと思います。

1971年8月28〜29日、Recorded at the Troubador (Hollywood), Produced by Arif Mardin
4.「You've Got A Friend
1972年『Live』収録、Carole Kingカヴァー。実に凛とした感性で、クールに歌うダニーはかっちょ良すぎ。クワイアも混じり、きっとアレサの『Amazing Grace』収録ヴァージョンにも影響を与えたような創りに改めて素晴らしさを感じました
5.「He Ain't Heavy, He's My BrotherPreviously Unreleased
Bob Russell, Bobby Scott 作、8分近い大作。高音部の勇ましさ、モダンソウルの中にも彼の気合いはしっかり汲みとれて旧ソウルファンも納得の出来栄えかな
6.「What's Goin' On
1972年『Live』収録、Marvin Gaye 作、ブギーな色味でプチファンクな感じで余裕に進行。ワウワウなヴォーカルも完ぺき気持ち良さ
7.「YesterdayPreviously Unreleased
The Beatles カヴァー、オリジナルを崩したソウルシンガーならではの抑揚。こぶしもたまらん、それでいて荒げずクールに決めるのがダニー流。ポツリ鳴るギターも切なくてイイナ
9.「A Song For You
1980年『In Performance』収録、Leon Russell カヴァー。多くはピアノで酔わしてくれるんだけど、少ないながらの歌詞にも秘めた熱さを感じる、こりゃ潤い抜群神妙バラード
10.「Sack Full Of Dreams
1980年『In Performance』収録、Gary McFarland, Lou Savary 作。ニューソウル、音の少ない中での堂々たる進行はジャズにも近いけど、演奏家ならではのツボを押さえまくり。総じて全演奏が極み
13.「The Ghetto
1972年『Live』収録。実質ラストは12分超、ライヴのハイライトとして、様々な表情・ビートを披露する彼のライヴの旨みを凝縮した曲なので、アルバム分数稼ぎの収録とは思えないナイスな選曲かな

1971年10月27〜29日、Recorded at the Bitter End, Produced by Jerry Wexler & Arif Mardin
11.「Little Ghetto Boy
1972年『Live』収録。Earl DeRouen, Eddy Howard 作。正にゲトー、ソフトな音の中を低域ヴォーカル主体で歌う深み渦巻き。サビの軽快さとのバランス感がたまらないです
12.「I Love You More Than You'll Ever Know
1980年『In Performance』収録。Al Kooper作、ニューソウルというよりは時代不変な最小限なサウンドで繰り広げられるクラシックタイプ。ベース、ギターそれぞれも凄いエキストラとしての個性突出

1972年5月6日、Recorded at the University of California
8.「SuperwomanPreviously Unreleased
Stevie Wonder カヴァー、音楽性に共通性がある彼らとて、歌い方だけでなく一部声質まで似て聴こえてタマラン味わい

1973年6月30日、Recorded at Carnegie Hall (New York) , Produced by Arif mardin
1.「Flying EasyPreviously Unreleased
ダニー作、イントロはダニーの紹介からスタート。軽快な音に揺らぐフリーソウル的なギター。心地よいテンポに実に爽快なヴォーカルに昇天
2.「Valdez In The CountryPreviously Unreleased
ダニー作、うねるギターにかっちょ良さ!ナイス、デュプリー!当時のモダンソウル、ニューソウルは今も新しさで広がっています。何より演奏の粋、オルガンのハザウェイもたまらん転がりを魅せてくれます
3.「Someday We'll All Be FreePreviously Unreleased
数々のアーティストにカヴァーされた「邦題、いつの日にか自由に」。バラード過ぎず、スティーヴィにも通ずるソウルの煌めきを散らしたサウンドに、清々しくも伸びやかなヴォーカルが印象的

1973年、from WBLS-FM
14.「InterviewPreviously Unreleased
ラジオ番組収録、これは完全に記録。音楽のバックグラウンド、思いなどを3分語ります

時代分けしてのレビューでしたが、通しで聴いても違和感はないはず。もちろん、オリジナルを聴きまくった人には異なる反応だと思いますが、僕は面白く愛聴してます。分数にしてギリ80分。ニューソウルの生身を詰め込んでます。実は、まだ彼のライヴ盤2枚は聴いてないのですよ・・・(汗)。今回のレビューを、彼の当時に向かっていくキッカケにしたいと思います。

<過去レビュー>
1990年 A Donny Hathaway Collection

These Songs for You LiveThese Songs for You Live
アーティスト:Donny Hathaway
販売元:Atlantic / Wea
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LiveLive
アーティスト:Donny Hathaway
販売元:Atlantic UK
(2000-03-13)
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In PerformanceIn Performance
アーティスト:Donny Hathaway
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