ケムのデビュー作、モータウンからのリリースでR&B14位・POP90位を記録。これがデビュー作なら苦労人な感じですが(ジャケットを見る限りは何に悩んでるんだ〜と突っ込みたくなる)、当時既に34歳。昨年リリースされた3rdがR&B2位・POP2位を記録したことを踏まえれば初作はそこまで評判にならなかったようですが、じわじわ売れ続けゴールドを獲得。ジャケからするに、ブラック系アーティストなのかを逆に分からなくしているような。売るためのコンセプトは良く分からんとも、白人受け・黒人受け双方に良いような平和・穏和な仕上り。コンテンポラリーR&Bの良さを十分に余裕に乗せた極上10曲。
1.「Matter of Time」
ネオソウル風でもあり、アダコン風でもある。スロウな中で、キリリとウェットなヴォーカルを魅せる何とも不思議な雰囲気を持つヴォーカル
2.「Miss You」
ネオソウル的、ブツギリな歌唱に、くだけたようなヒップホップ・レゲエ的なバウンス感。ジャズフレイバーも織り交ぜたあっけらかんとしたミディアムスロウ
3.「Say」
ケム自身の薄口ピアノに乗せて、しっとり聴かせる夜への誘いの世界。ゆったりとろけるモード。後半、やや厚くなる演奏も小編成だからこそヴォーカルのツンとした高音が際立ちます
4.「Inside」
サルサのようで、スムースなムードジャズのようで、軽やかにおぼろげに、ハスキーな中域で遊ぶようにヴォーカルを転がす技、既にさすがの大御所街道中
5.「I'm Missin' Your Love」
落ち着いたソウル、アダコンといよりも生々しさだったりスピリッツ的な抑揚がつまったシンガーだなぁと。リリックにあわせて自在に世界観を操縦
6.「Love Calls」
唯一のシングル、R&B25位を記録。これは完全にアダコン+コンテンポラリーR&Bの境目。ソウル剥きだしというよりも、自然体な状態のシンガーとしてプロモされていたのが伝わります。マクスウェルなんかと比べても、艶はないけど、言葉の韻の踏み方に力があるなぁと実感してみたり
7.「Brotha Man」
これまでの抑え目を変え、多少強めのイントロでの発声。多少のキリキリヴォーカルあれど、歯切れよく刻むテンポは新たなケムの魅力。ボサだったり、ヒップホップだったり、彼の要素は多方面に深耕
8.「Cherish This Moment」
柔らかい心地に、カッティングされるギターの煌めき、。いたって演奏は落ち着きを見せていて、上質にこだわるモータウン作ってのに新鮮さ。Marvin Gaye なんかに近いかもしれないけど、ケムはどこまでもムードを大事にしてる印象
9.「This Place (Dedicated to the Church of Today)」
教会テーマ、リリックというよりもホロンと響くオルガンと共に、場に薄ら伝うスムースなラララなヴォーカルと、サックスの遠のき。完全に詩人としての語りべな歌唱
10.「You Are」
最後までそーっと歌い、リリックやら強さ頼みでなく、彼のデリケートな感覚に身を委ねているよう。スロウアンドスロウ、音のループも気にならない程に無に溶け込んでいる様相
10曲・47分、全体的に曲調がどこまでもスムースで、アルバムとしてのクオリティの良さにまずは惹きを覚えました。ただ、一辺倒な作りは否めず、2ndでのブレイクを待つための処女作といった感じかな。それでも、ヴォーカル、演奏それぞれに普遍的な旨みがあったのが収穫。
<過去レビュー>
2010年 Intimacy: Album Iii
Kemistry
アーティスト:Kem
販売元:Motown
(2003-02-25)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る
1.「Matter of Time」
ネオソウル風でもあり、アダコン風でもある。スロウな中で、キリリとウェットなヴォーカルを魅せる何とも不思議な雰囲気を持つヴォーカル
2.「Miss You」
ネオソウル的、ブツギリな歌唱に、くだけたようなヒップホップ・レゲエ的なバウンス感。ジャズフレイバーも織り交ぜたあっけらかんとしたミディアムスロウ
3.「Say」
ケム自身の薄口ピアノに乗せて、しっとり聴かせる夜への誘いの世界。ゆったりとろけるモード。後半、やや厚くなる演奏も小編成だからこそヴォーカルのツンとした高音が際立ちます
4.「Inside」
サルサのようで、スムースなムードジャズのようで、軽やかにおぼろげに、ハスキーな中域で遊ぶようにヴォーカルを転がす技、既にさすがの大御所街道中
5.「I'm Missin' Your Love」
落ち着いたソウル、アダコンといよりも生々しさだったりスピリッツ的な抑揚がつまったシンガーだなぁと。リリックにあわせて自在に世界観を操縦
6.「Love Calls」
唯一のシングル、R&B25位を記録。これは完全にアダコン+コンテンポラリーR&Bの境目。ソウル剥きだしというよりも、自然体な状態のシンガーとしてプロモされていたのが伝わります。マクスウェルなんかと比べても、艶はないけど、言葉の韻の踏み方に力があるなぁと実感してみたり
7.「Brotha Man」
これまでの抑え目を変え、多少強めのイントロでの発声。多少のキリキリヴォーカルあれど、歯切れよく刻むテンポは新たなケムの魅力。ボサだったり、ヒップホップだったり、彼の要素は多方面に深耕
8.「Cherish This Moment」
柔らかい心地に、カッティングされるギターの煌めき、。いたって演奏は落ち着きを見せていて、上質にこだわるモータウン作ってのに新鮮さ。Marvin Gaye なんかに近いかもしれないけど、ケムはどこまでもムードを大事にしてる印象
9.「This Place (Dedicated to the Church of Today)」
教会テーマ、リリックというよりもホロンと響くオルガンと共に、場に薄ら伝うスムースなラララなヴォーカルと、サックスの遠のき。完全に詩人としての語りべな歌唱
10.「You Are」
最後までそーっと歌い、リリックやら強さ頼みでなく、彼のデリケートな感覚に身を委ねているよう。スロウアンドスロウ、音のループも気にならない程に無に溶け込んでいる様相
10曲・47分、全体的に曲調がどこまでもスムースで、アルバムとしてのクオリティの良さにまずは惹きを覚えました。ただ、一辺倒な作りは否めず、2ndでのブレイクを待つための処女作といった感じかな。それでも、ヴォーカル、演奏それぞれに普遍的な旨みがあったのが収穫。
<過去レビュー>
2010年 Intimacy: Album Iii
Kemistry
アーティスト:Kem
販売元:Motown
(2003-02-25)
販売元:Amazon.co.jp
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このジャケット写真最初に見た時は頭を抱えているように見えなくて手で何をかくしているのか分からなくて、見てはいけないものを見ているような気がしていました。
ホームレスだった過去とかがある人なんだよね。
2枚目のジャケット写真は僕の顔に似ているとよく言われますよ。
嬉しくないけど、確かに似てるんだなw。