レディシ、前作から2年振りとなる5th、R&B2位・POP8位を記録。日本でも人気が高いだけでなく、本国アメリカでも着実にメジャー感強まっていて逞しい限り。本作のウリはジャヒームとジョン・レジェンドの参加かな。王道ばりなプロモーションにも見えちゃうんだけど、ジャケとリンクするアルバムタイトルは面白いな（個人的には紫の髪の毛の塊部分が気になってるんだけど）。

1.「Pieces of Me」
1stシングル、R&B19位・POP115位を記録。ドラマティックなメロディ、歌い回しは完全キュートな演歌調。狂おしく熱烈歌唱、ソウルファンにもたまりません
2.「So Into You」
ゆらりネオソウル、どんどんボルテージは増して、高音爆裂箇所は強烈。安心感ある曲なんに、油断は禁物目覚まし時計
3.「Bravo」
今なR&Bサウンドに乗って幻想的な空間演出。ループ感の中にて、堂々との中低域ヴォーカル、更にはパンチ力も随所に！呻きと爽快高らかな伸びを、一長一短にて奏でる生感たっぷりソウル
4.「Stay Together (ft. Jaheim)」
2ndシングル、R&B79位を記録。正統派に落ち着く、心地よきネオソウル。ジャヒームのヴォーカルがゴスペル喉に近づき、面白い共演に聴こえました
5.「Coffee」
レゲエ混じりなソウルかな。サウンドは今のネオソウルが体現する音粒も多数。オールディーズテイストなホーンがもっと前面に出たら面白かったかも
6.「Hate That You Love Me」
ドロ臭くなりそうなサウンドなんに、どうにも高音の荒げが目立つなぁと。反してMary J.Blige ぽくなってきたなぁと別印象の発見も。もっと獅子混ざりになったら面白くなるぞ、音外せーーみたいなことをある種思ってみたり
7.「Shut Up」
リズムは平坦でもBPMワクワク。ヴォーカルの明るきフレイヴァーは、新世界。美々な薄らコーラス＋荒げ＋ポップサウンドは魅力でしょうに
8.「Shine」
シャインの連呼が耳にまとわりつつ、ヴォーカルのウェット・ドライさ等、様々な声質を魅せつけてくれるようなミディアム
9.「I Miss You Now」
John Legend曲参加のバラード。うるっと揺れのあるヴォーカルは之までに無い印象かな。メロディはいかにもジョンな出来で、世界観がキレイ
10.「Be Good To Yourself」
バック・トゥ・60年代ソウル、こういうサウンドにはしっかり張り付くヴォーカルってのが良いね。ただ、当時ここまでキンキンしてたウリのシンガーは希少だっただろうから（Jennifer Hudson なんかにしてもそうなんだけど）、60年代風に仕上げてみましたって感じの現代曲に聴こえました
11.「Raise Up」
ドラムス、ギター、シンセをくっきり乗せた余裕サウンドが好きだなぁ。サビの連呼部も特長的で面白いなぁと
12.「I Gotta Get To You」
しっとりラスト、粘っこく鮮烈な刻みのあるヴォーカル残し。後半のライヴモード的な荒げは、レディシらしくてなんかにんまり

昔のレコード風なのか、12曲に籠った流れは良質でした。旧めのサウンドを用いたり、ヴォーカル法を多々変えたりしているけど、それも含めて昔をリスペクトする今のレディシってのがしっかり詰まったR&B作だなぁという感想です。新しすぎもないところが、聴きやすいのか。それとも自由自在に粋・質を変えていくヴォーカルあってなのか。とにかく、まだまだこれからが楽しみってのは相当に言えるプロセス作と思いました。

＜過去レビュー＞
2008年 It's Christmas
2009年 Turn Me Loose

　

Pieces of Me
アーティスト：Ledisi
販売元：Verve Forecast
(2011-06-14)
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