70_デボラ・コックス、デビュー作から3年振りとなる2ndで、R&B14位・POP72位を記録、プラチナムの売上を達成。元々、第2のホイットニーとしてClive Davis に才能を見出されプロモされていましたが、本作もそこそこのヒットという感じだったみたいです。ただし、ここから量産されたヒットシングルはそれぞれにインパクト有り。自分としては、ダンスチャートという存在を知った矢先、チャートで暴れているツワモノというイメージが強かったです(笑)。それくらいに、R&BよりもPOPよりも、ダンスシンガーとしての位置づけが本作あたりくらいから既に強まっていたのは、逆に戦略ミス?ただし、本作ではデボラは(一部を除いて)曲制作参加。その辺り、ホイットニーとは異なる関わり方ですかね。

1. September
初っ端からしんみりなバラード、丁寧に歌われる佳曲。スムースさ、影を持ちつつも、地声でなくファルセット的なパーツだけで進行させる表現力の豊かさを感じさせてくれます
2. It's Over Now
2ndシングル、R&B20位・POP70位・Dance1位を記録。あっけらかんとしたR&Bサウンドに、歯切れ良い抑揚あるヴォーカル。うねうねしつつも、バーンと高音が決まる瞬間は流石のデボラ節
3. Nobody's Supposed to Be Here
1stシングル、R&B(14週)1位・POP2位・Dance1位を記録。実際、Mariah Carey「We Belong Together」, Mary J. Blige「Be Without You」の15週R&B1位に次ぐ記録とて、この曲の大ヒットは凄まじかったでしょう(年間チャートでも9位)。実に王道のメロディと、微妙に籠ったようなブラックナイズなサビのコーラス等もキュンキュン来ます。これは聴くしかないかな、90年代後半の超名曲
4. We Can't Be Friends (with R.L.Huggar from NEXT)
3rdシングル、R&B1位・POP8位を記録。このデュエットバラードは、流れ的にも相当美しくて、一聴の価値あり。ただ、ここまで殆どが構えた曲の面々、落ち着きまくり24才って感じもするかな。当時、僕はこのアルバム優先でなく、紙ジャケの2-3曲入り本シングルを買った記憶があります、今だったらそんな買い方はしないだろうなぁと懐かしく
5. Couldn't We
Diana Warren 作、Daryl Simmons プロデュース。安定感あるジワジワ系のバラードに、ちょい癖のあるヴォーカルがじっくり敷かれます。激しすぎず、デボラの表現はしっかり留めていたりと、涙を誘うポイント随所に
6. One Wish
タイトル曲、DJ Quik プロデュース。ストリート感・オリエンタル感ある、横揺れクールR&B。デボラが前に出過ぎず、当時のR&Bに対峙できる強力な内容になってました、なかなか旨み
7. I Won't Give Up
爽やかに健やかな透明感あるヴォーカル、これは意外!スウィートでいて、涼しげで、彼女の魅力はどこまでも尽きないものになってます。ツンツンさなんて無い、見事にソフトな仕上り
8. Just When I Think I'm Over You
Rodney Jerkins プロデュース、薄口なサウンドを徹してたんだなぁと再発見しつつ、ここでは強めのヴォーカルも披露。こういったのもたまに聴けるとデボラ凄っと思えて楽しめますな
9. Love Is on the Way
Steven Jordan プロデュース、Michael Jackson「Rock with You」サンプリング。ファルセット推し、艶やかな進行でBGM的なオイニーたんまり
10. I Never Knew
4thシングル、Dance1位を記録。世でヒットしたのはダンス変調させたものですが、オリジナル派Rodney Jerkins プロデュースの堂々たる骨太バラード。徐々に高揚増すメロディ展開、いとも簡単にこなすヴォーカル力は流石!
11. One Day You Will
Diana Warren 作、David Foster プロデュース。強力な布陣にて、ロックチューンにも敵いそうな王道バラード。輝く高音、メロディ展開も絶妙。旨み詰まりまくりの本編

12. Nobody's Supposed to Be Here (Dance Mix)
ハウスリミックスとして大ヒットしましたが、先行してそれを予見してかリミックスを収録(エディット)、Hex Hector によるメジャーミックス、ツボを押さえた商業的手法は平和にナイスクラップ
13. Things Just Ain't the Same (Dance Mix)
映画"Money Talks"OSTからのシングルとしてR&B28位・POP56位・Dance1位を記録、前年のヒットながらボートラ的に美味しい収録。ダンス曲だと、溌剌とした高音の伸びが顕著になって、バラードだったり雰囲気重視のアルバム作風が嘘のように…

<Hidden Bonus>
14. September (KayGee Mix)
表記は無かったものの、収録されていた曲は1曲目のリミックス。アルバムの厚みを増すべく用意された1曲目の再手法には、クライヴの頭脳がどこまでも上乗せされた感覚。リミックス内容としては大きな違いは無いけど、程良くプチファンクを採用してたりと、生音の遊びが含まれているのが好感大

本編は11曲までで約50分。以降はダンスリミックス各4分超、更に隠しボートラも4分超(盤によっては「Rock with You」が収録されている盤あるみたいですが、詳細不明)。確かに、本編だけだとインパクトは無いけど、それをダンスで片付けてしまったのはポップ的には投げ込み手法のような気がしました。アルバムで捉えた時、もっと彼女の表現力を増す威力があれば、もっとアルバムアーティストとして息の長い活躍が出来たのかも、と勝手に妄想。今やダンスディーヴァ的になってますもんね。それも悪くないですが、クライヴ曰く第2のホイットニー目指してた時期とて、旨みもいっぱいアルバムから感じれた一方、勿体ないぁと思えるパーツも多々。今思いだした、このアルバム、大学の時バイト仲間からもらったんだ(笑)。

<過去レビュー>
1995年 Sentimental
2008年 The Promise

   

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