ホイットニー初のベスト『The Greatest Hits』に収録された計4曲の新曲は全てシングルカットされましたが、これは最終カットされR&B14位・POP70位・Dance4位を記録。ただし、単体CDSだったり、PV等のアクションはなく、ホイットニーと第2のホイットニーとして売り出されたデボラ・コックスとの共演は何気に隠れた話題になってましたが、もうちょっとだけ力を注いでも良かったのではと思ってしまうのは、稀な意見でしょうか。自分としては今月頭にブルーノートで前列で見たデボラの変わらぬ美しさは今尚鮮烈な一方、あれから死までを駆け抜けて行ってしまったホイットニーの両者に、感慨深いものを感じてしまったり。本作は2枚組アナログより。YouTubeとかを探しても、CD化が進まなかったからか、あんまり気軽に聴ける音源は見つからず。それでも、二人のヴォーカルの融和は見事で、リミックス集ながらスルーせずに取り出したい作品です。

A1. Same Script, Different Cast (Jonathan Peters Vocal Club Mix) 9:35
ちょっぴりユーロビートぽいシャカシャカした音が絡みながら（ちょっぴりお立ち台意識的な旧さも感じますが）、ホイットニーとデボラのヴォーカルが高揚感を増すイントロ3分半。絶妙に彼女たちの共演をじらしまくり、その後は豪快に爽快に流していく高速気味トランシーなハウス。ラストまでズシズシ叫ぶように張り裂けるように吠えるように、圧巻のヴォーカルの絡みは凄み。ハウスになってパワー増し
B1. Same Script, Different Cast (Joe Smooth Slang Club Mix) 5:49
個人的に丈が程良く、無理なく1曲にまとめてきたなぁという好感度大。BPMも前曲と比べると落としていて、サウンド抑揚のついたバランス感がポイント。ドラマ性によりフックをつけてドラマティックに仕上げたというか。CD化もされていないせいか、語られることなく今に至るようなミックスだけど、フロアマターでなくとも普通に何度も聴ける絶妙な1曲。ヴォーカル威力もさらりと聴ける感覚は、オリジナルのバラードにも近い色味
B2. Same Script, Different Cast (Mel Hammond Beautiful Slang Dub) 6:41
ダブあってもオリジナルの匂いほぼ消臭。デボラの“ビューティーフォー”の下りを使用し、あとはお洒落ハウス的に仕上っているものの…ホイットニーのヴォーカルはほぼ出てこないソフトマター。逆にこの曲を先に聴いたのならオリジナルは正解しにくく、分かったとしてもオリジナルをサンプリングしている曲と考える程度かもなぁ…
C1. Same Script, Different Cast (Friburn & Urik Uncover Your Ears Mix) 10:49
クラブミックスあれど、相当に前半の互いのもつれ・じらし・高揚が高くイジイジ…。でも基本はダブに近くて、どこがサビってのも分からないような状態で進行…ボリュームあるからズッシリ感は強いけどね
D1. Same Script, Different Cast (Jonathan Peters Goes There Dub) 11:07
オリジナル以上に分数を設けているものの、ダークネスな世界観の演出は否めず、ちょっぴりキラキラしたメインミックスを、ゴリゴリの浮遊感に誘うコワモテな印象。やっぱりのユーロ・トランシー感を裏で鳴らしては、見えない二人のバトルを妄想しまくるようで恐れ多いような。それでいてラストスパートは音階も上がって更なる裏世界へ〜

5曲45分。ダブは、歌として微妙なところあれど、二人の実力がハレーションを起こさず爆発していく過程はそれぞれに味。それでも一押しはスラングのB1をかなり昔から個人的な推し。実は、本曲のリミックスは一部『Fine』のシングルにA1のエディットとC1が収録されたことがありました。それも流通度が低く、相当な高値がついていたことでも有名。嗚呼、手離したことが切ない想ひ出。改めて、本曲の別格な押しは今尚色褪せぬ・・。

　　

Same Script Different Cast [12 inch Analog]
アーティスト：Whitney Houston
販売元：Arista
(2000-07-25)
販売元：Amazon.co.jp
クチコミを見る

Fine / Same Script Different Cast
アーティスト：Whitney Houston
販売元：Bmg Int'l
(2001-11-27)
販売元：Amazon.co.jp
クチコミを見る