アレサのアリスタ期4作目、R&B4位・POP36位を記録。1980年来、毎年1枚のペースでリリースしてきた彼女ですが、実は翌年父C.L. Franklin が亡くなったこともあるのか、リリースが途絶えます。ただし、その後は再び絶好調な超再ブレイクを果たしてからは、間隔を開けたりすることあれど、もう完全女王様健在。よって、本作までのアレサは堅実に模索を繰り返してたかもなぁと思えます。それだけに、前作『Jump To It』で組んだLuther Vandross と再度タッグ、まだまだ冷めない野望を実現するためにあれやこれや実験。全体的にはダンクラでの素晴らしき軸の発揮。ただ、今回のリイシューでは、当初予定されていた「I Got Your Love (Single Version)」が未収録となったのは、アルバムヴァージョンと然程変わらなかったか、リマスタリング仕切れなかったか、権利…というのは既に無さそうだしなぁ。とにかく、アレサのアリスタ期のアルバムに世界的にボートラが付くってのは、ここ最近ならではの実現。

7月1日、ルーサー・ヴァンドロスが亡くなって7年が経過。正にその日、アレサはEssence Music Festival 2005 のヘッドライナーとして出演しており、『Jump To It』のジャケがスクリーンに映し出され、1曲目に「Get It Right」を選曲し、裸足で唄ったというエピソード…泣けます。今回は数日前に届いたエクスパンドのCDよりレビュー。アレサを3年振りに観れるまで、あと1週間ってのもアリ、もうワクワク絶頂。

1. Get It Right
1stシングル、R&B1位（実に19曲目）・POP63位・Dance9位を記録。前作同様にタイトル曲が初っ端で先行カット。布陣も前作と変わらずとも、前作以上のインパクトは無かったのかな。攻撃性はこちらのほうが上手と思いますが。アレサもライヴでは未だに「Jump To It」よりも好んで披露する傾向あり
2. Pretender
ゆったり夢世界な音に転がり、しなやかな心地。何と言っても途中にアレサが、先取りラップを披露するのが何と言ってもポイント！
3. Every Girl (Wants My Guy)
2ndシングル、R&B7位を記録。Murcus Miller のベースラインがクールなイントロ。左右飛び出しまくるクールなサウンドはダンクラに欠かせない佳曲、結構好調な順位だったけど、結構忘れ去られがちのトラック。今回、この曲がシングルテイクまで収録されることで再評価されるとイイナと期待
4. When You Love Me Like That
アルバムの流れに沿って、実に爽快。80年代前半の哀愁感あり、前に進む潔い印象も有り。深く重ねるコーラスなんて、この時代しか有り得ないくらいの仕掛け。ルーサー、かなりアレサをプロデュースしきってるなぁっていう感じです（でも、本作を機にルーサーと裁判沙汰とかになるのが凄いなぁアメリカって感じだけど）
5. I Wish It Would Rain
B面スタート。邦題"雨に願いを"、The Temptations のカヴァー。ソウル懐古で、ルーサー一休みのアレサのサウンドプロデュース。これぞアレサの世界観、でも前半の流れを上手く継いでる印象ですが
6. Better Friends Than Lovers
実はこの曲もルーサーでなく…スミス・コネクションからMichael Lovesimith 担当、面白いクリエイターを集めてくるなぁと感心。でもアルバムの感触は失われず、ぽってり惹きのバラード
7. I Got Your Love
ルーサーの味再登場、ストリングスのせいか既にフィナーレ気味。低域なのに軽やかに歌うアレサ、後半余裕に高音。平和感溢れるミディアム
8. Giving In
本当のラストは妹Carolyn Franklin 作のゆったりバラード、でもちゃんとルーサーがプロデュースしているのが興味深いです。前曲と併せてCissy Houston もコーラス参加、昔懐かしの素敵なグルーヴ

＜Bonus＞
9. Get It Right (Single Version)
ボートラは本来の4曲から3曲に減少。こちら、ベスト等でお馴染み2分程エディット。音圧が保たれているのが、ちょいポイントかな
10. Every Girl (Wants My Guy) (Single Version)
初CD化！イントロ含め、2分程カット、さっくり聴ける展開で個人的には嬉しい凝縮再訪
11. Get It Right (Instrumental Version)
こちらも初CD化！12”に収録されていたからこその、丁寧な収録。インストだけど、アレサのコーラスは一部登場

9曲・40分に、ボートラ3曲加わって55分。リマスターもされてナイス！ジャケはちょっと粗めの印刷かもしれないけど、ライナー含め、頑張ってくれてるBBRに感謝。更に、CDレーベル面は、アリスタから権利を奪ったかのようなパロったロゴでプリントされているのが印象的でした。これは、重宝！！それも廉価！！廃盤になる前に是非御手に。

　　　

Get It Right: Expanded Edition , from UK]
アーティスト：Aretha Franklin
販売元：BBR
(2012-05-22)
販売元：Amazon.co.jp
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