マイケル・ジャクソンの『Bad 25th Anniversary』…マイケルが健在だった2008年にリリースされた『Thriller 25』はファンの中では話題になったけど、当時のマイケルを取り巻く環境的には凄く微妙な扱いだった気がします。でも今回は、マイケル亡き後のリリースとあって、メディアが騒ぎまくっているような。自分の中ではずっと変わらずマイケルを好きでいるので、本作ほど商業的な匂いがプンプンするのは嫌な感じなんですが。ただ、マイケルの意志は恐れ入りますが、未発表曲が聴けるのは嬉しいです（マイケルは世に出したかった分からないのでそこは微妙）。

今回の25周年アニヴァーサリーでは、CD単体リリースにおいて通常のアルバム＋未発表を含むマテリアルの2枚組。デラックスは、ウェンブリスタジアムでのライヴDVDに、同ライヴCDを付属し、ブックレットとかを充実させた4枚組（自分は2CDとDVDをそれぞれ買い安く済ませましたが）。デラックスのTシャツ付きは2万円以上？？なんだかなぁと。さてさて、内容としては2001年にリリースされたリイシュー時に蔵出しされた「Streetwalker」「Fly Away」を含み（序でに当時のデモ音源やQuincy Jones インタビュー等も入れてコンプリートにすればいいのに）、本記念盤からの先行シングルとしての1曲目を含み、あとは軒並み未発表だったり、リミックスだったりと、『Thriller 25』の時と同じような販売手法かな。

1. Don't Be Messin' 'Round
25thに先駆けてリリースされていたCDSから、巧みな歌い回し、ポップなセンス。若干デモ度あれど、マイケルのエッセンスはしっかり溢れてます
2. I'm So Blue
哀愁感あるソウルバラッドのよう、時代的には70年代末当りにヒットしそうな印象。丁寧にキレを持って歌われる爽快満載
3. Song Groove (A/K/A Abortion Papers)
80年代中盤のAOR、疾走デジタルロック混ざり。アルバムからの漏れも少々納得で、なんかB級サウンドのよう。ヴォーカルは強くてクール、アレンジ一加えでだいぶ変わったのかも
4. Free
ミディアムながら、ちょっと急ぎ気味のテンポに聴こえる。柔らかなヴォーカルと、テンポの乖離が微妙（絶妙？）…
5. Price Of Fame
5曲目にして、最も完成度は高いなぁと感じました。ヴォーカルの登っていくメロディ、抑揚、ドキドキ感…いずれも兼ね備えたオリジナルと偽りを感じない名曲。この発掘には感心！
6. Al Capone
録音環境か保存状態の問題か、ちょっと音が籠っているのが気になるかな。でもコーラスの加え等、結構完成度が高くて惹き込まれるポップ
7. Streetwalker
2001 special edition 既出、「The Way You Make Me Feel」のようなポップフランク。ウキウキ6分近く
8. Fly Away
2001 special edition 既出、泣きのバラード（多少リマスタリングで音具合が変わったなぁ）。でも中盤からはポップ度アップ
9. Todo Mi Amor Eres Tu (I Just Can't Stop Loving You) (ft. Siedah Garrett)
スペイン語ヴァージョン、マイケルの巻きも堪能
10. Je Ne Veux Pas La Fin De Nous (I Just Can't Stop Loving You) (French
Version) (ft. Siedah Garrett)
次いでフランス語ヴァージョン、それぞれ力が入ってるんだろうけど、日本語ヴァージョンなら食らいついただろうなぁ
11. Bad (Afrojack Remix / DJ Buddha Edit ft. Pitbull)
ピットブル参加でラップ加味、オリジナルをテンポ上げて更にハイパーバッドにしたようなダンス。ただ、せっかく未発表てんこ盛りの作品の中で勝手にミックスされたのって、なんだかなぁ。『Thriller 25th』でのミックスはマイケル自身も参加していたので好印象でしたが、アルバムの尺伸ばしに使われているようで何だか・・・
12. Speed Demon (Remix by Nero)
デジタルディスコテック、テンポはミディアムに落ちていて音はゴリゴリしてて格好いいんだけど・・・悪くはない、むしろ格好いい。でも、本作に収録するまでのものだったかなぁ。だったら、まだ2001 special edition に収録してあったレコーディングデモ等を色々と入れてほしかったかも
13. Bad (Afrojack Remix / Club Mix)
11曲目のフルって扱いかな、7分半。若干ヒットしそうだけど一瞬だろうなぁ…

全13曲・約60分、日本盤のみ貴重なボートラ「Bad (Live at Yokohama Stadium September 1987)」が収録されているので、計64分超。でも自分は国内盤にて。一応オリジナルで言うと、完全未発表6曲・既出4曲・ミックス3曲。未発表に特化してループさせて色々マイケルの残した粒を深く愛わってみようかな。マイケルが『Bad』を完成させるにあたって相当な曲を作っていた努力、改めて感銘です。

Bad-25th Anniversary
アーティスト：Michael Jackson
販売元：Sony Legacy
(2012-09-18)
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