412QARS97WL__SL160_シャラマーの紅一点ジョディ・ワトリー、1987年のソロデビューから6作目・前作から3年振りとなる新作は初のチャート圏外。これに伴ってか、プロモーション施策もだいぶ変わってきて、ダンスアプローチが強くなってきた印象。更には、日本においては6曲目が後に日本人アーティストにカヴァーされヒットしたことでも再び話題に。最近はシャラマーは取り上げてきてはいましたが、ジョディは手つかずだったので、息抜きな具合に。

1. Lovin' You So
Chaka Khan 「Pack'd My Bags」サンプリング。Rahsaan Patterson 作、余裕の転がるようなビートに、往年になってきたベテランヴォーカルとしてのゆったり感。当時尚、若手アーティストのようなバウンシーな喉が聴かれるのは嬉しい限り。全体を通して90年代前半の攻勢、更にソウル味も感じられて、嬉しいスタート
2. Flower
タイトル曲、ヒップホップ要素を混ぜたような踏ん張りビート、歌自体は若手に負けないような華麗さが活きてるのが嬉しいポイント。偏見だともっと荒れてると思ってた、キュートさ再発見
3. Off the Hook
1stシングル、R&B23位・POP73位・Dance1位を記録。まだまだ現役感素晴らしい。キュートさに、歯切れ良さ、跳躍度も完備。En Vogue に似たコーラスワークを独りでこなしちゃってる感じでテクニックも素晴らしい。この曲については一般的に大胆手法でダンスミュージックとして世に羽ばたいていきました
 

4. Everything You Do
スロウなナンバーも本当自分のモノにしちゃってる。甘いんだけど、コーラスとの進行がウマイ。地味な曲でもしっかりイメージを膨らませられるのは賢いなぁ
5. Just One More Time
雑踏さえ分からないほど、繊細過ぎる進行。徐々に盛り上がりを見せる展開、この時期の彼女が好んでいた鉄板なんだろうなぁ。感動の流布
6. If I'm Not in Love
2ndシングル、Dance2位を記録。2005年、伊藤由菜REIRA starring YUNA ITO 名義)で国内大ヒットしました。原曲のジョディは、前曲以上にグイグイ感動を倍増。でも、さらりと堂々と歌ってしまてって、実際カヴァーヴァージョンのほうが凄みを感じてしまうのは正直なところだけど
   

7. A Lifetime
ストーリーを優しく奏でる様な、落ち着いた感が推し。これは往年の技、絶妙なリフでリスナーを射止める、凄いなぁ
8. No More Tears to Cry
リズム再起、ゆったり感は止めず。アルバムタイトルのように、正に花のように、インパクト無くとも華麗に維持するR&B
9. You'll Never Find a Love
New Birth「You Are What I Am All About」サンプリング。変わらず心地良いサウンドを、少々苦しそうな高域あれど、コーラス含めバックアップ。随所飽きそうと思うところには手法考えてるので、そのへんもバッチシ
10. I Don't Want You Back
3曲目のミックスはMAWだったけど、本曲はオリジナルから彼らが担当。ウネウネと生ソウル、音がとにかく活きてて、ビートの爽快感も素晴らしいなぁ。これはライヴで披露されたら失神
11. Baby Tonight
Mc Solaar 「Les Boys Bandent」サンプリング。少々ダークな部分も取り入れて、あとはあっけらかんと“ウーラーラーラー”と肩荷下し
12. 16
ラストはしっとり、アコースティックバラード。ホッとするようで、彼女の集大成的な飾り。このアルバムの流れ、良いなぁ
13. Off the Hook (D-Dot Remix ft. Rakim)
Davy DMX サンプリング、きっとボートラ的かな。オリジナルと全然異なるヒップホップミックス。彼女の新たな世界にまで繋がりそうな、シンプル&ニュー。歌い直しぽいです

13曲・54分、彼女はまだまだ実力が漲ってるなぁ、それでいて古くないと思ったのが正直な感想。もっとけだるいアルバムかと思ったら、タイトル如実に反映で、なんか嬉しくなっちゃいました。この後もっと進化すると思いきや、このへんで彼女の新作って、あんま動きなしに。ま、名盤と思います、個人的に。

フラワーフラワー [CD]
アーティスト:ジョディ・ワトリー
出版:MCAビクター
(1998-03-30)

FlowerFlower [CD]
アーティスト:Jody Watley
出版:Wea/Atlantic
(1998-03-30)