グラディス・ナイト&ザ・ピップス、デビュー10年目・7作目は、初のR&B TOP10を記録、R&B4位・POP35位。個人的に、アルバムタイトル曲こそ彼らの代表曲最高峰と思ってるのですが、特に本作は今年11月の国内1000円シリーズでもパイロット的な扱いとして再評価される期待大。グラディスの魅力だけでなく、彼らの素敵さが40年経っても失われないことに改めて感激。夢見る乙女?邦題は、恋の苦しみ。。。それでも歌唱はソウル。じっくり聴いてみます。1. If I Were Your Woman
1stシングル、R&B1位・POP9位を記録。彼らにとって2曲目となるR&B1位であり、同じくPOP10入りの曲。Stephanie Mills,Shirley Brown、Alicia Keys 等、 幾度もカヴァーされ続けている名バラード。安定あるメロディで綺麗なアレンジなのに、叫びのように聴こえる粗ぶるヴォーカルが絶妙な魅力。ハスキーさも絶好、精一杯の歌唱にノックダウン
2. Feeling Alright
ネオソウル、ファンクボサというか、そのマターリした音に随所シャウト的に圧倒し続けるグラディスに、これまたノックダウン。独特の鳴らし、魅力炸裂
3. One Less Bell To Answer
1967年Keely Smith オリジナル、作者はBurt Bacharach & Hal David。前2曲との歌唱とは正反対、バカラック曲をレクイエムするように淑やかに。この異なりは凄いし、ようやくピップスの優しいコーラスも味わえるように
4. Let It Be
The Beatles カヴァー。オールドソウル丸出し、みんなで平和に歌い上げ。でもちょっとグラディスは、はみ出し。ちょうど良いハーモニーかな。緩やかに流れるように、熱さも程よく
5. I Don't Want To Do Wrong
2ndシングル、R&B2位・POP17位を記録。邦題、涙のあやまち。Johnny Bristol 作参加、メロディアスではないけど憂いや切なさがヴォーカルとタメでうまく表現されててアツイ!
6. One Step Away
ズンドコ進行、淡々と波止場的な歌唱。真新しさはないんだけど、グループの息の良さは伝わるかな。元来ソウルを伝えるミディアム。音よりも、歌力で押し通す既にベテラン域
7. Here I Am Again
アルバムB面、しっとり聴かせるスロウ。艶あり、サウンドも70年代の幕開けを若干。
8. How Can You Say That Ain't Love
爽快なホーンを従えて、ポップに軽快に。ここまでに海や煌めきが見える曲も珍しかったかも。ディスコに向かっていくような新感覚
9. Is There A Place (In His Heart For Me)
柔らかみと、どこかに置いてきたソウル感覚を取り戻すように徐々に力を込めて。しなやかさにたっぷり酔える優しさにデクレッシェンド
10. Everybody Is A Star
Sly Stone 作、Johnny Bristol プロデュース。ファンクってよりも、どこか探るようなヴォーカル。と思ったら、ピップスがリードじゃんね、意外だー。後半グラディス登場、あり得ないくらいパンチのヴォーカルで挑むのが聴きどころ
11. Signed Gladys
面白いタイトル、だけどシャラランとしたサウンドと熱さを止まないグラディスとの相性がかい離してるけど絶妙。抑揚あって、通して聴いてあっという間
12. Your Love's Been Good To Me
ラストは、シリアス気味なうす暗いサウンド。だけど、1曲目にも挑むような迫るヴォーカルがポイント。最後まで手抜きなしに歌に真っ向勝負。
<Bonus>
23. You Need Love Like I Do (Don't You)
「I I Were Your Woman」の前シングル、R&B3位・POP25位を記録。アルバム未収録、自分購入の『Standing Ovation』との2in1にはボートラ収録だったので、収録年代近い本作にてレビュー。ロック・ファンク調、アルバムに収録されてたら、ちょっと浮きそうだけど、シングルヒットがモノを言うくらいにはじけてる!これは、結構隠れた名曲では?!
12曲・39分半。どこまでも、一貫した仕上がりに満足。更にはNorman Whitefield と異なるプロデュース曲、カヴァー曲なんかもアレコレで、多彩な感覚。更にはヒット性も70年代になって溢れてきているようで、全体的にワクワクうる仕上がり。暗い部分あっても、決して落ちることはなく。とにかくグラディスが乗ってます!


