
グラディス・ナイト&ザ・ピップス、(多分)初のクリスマスアルバムはColumbia 移籍した1980年にて『About Love』をリリースした同年リリース。チャート圏外だったものの、なんか活き活きとしたジャケットには救われるなぁ(でも後付けで知ることになるんだけど、本当のジャケはクリスマスカラーの文字のみ)。自分の買った2006年リイシュー盤はペラジャケで解説なんかも無いので、なんか空しい感じですが。1. That Special Time Of Year
タイトル曲でスタート、音のクリアさもあって、ストリングスの勢い、ワクワクするようなポップセンス。ヴォーカルやコーラスなんかよりも、全体の輝きで素敵な包み
2. Jingle Bells
これは結構面白い!本来イメージする感じじゃなく、独自のテンポでメロディで、そしてヴォーカルアレンジも工夫たっぷり!ここまで来るとソウル大御所ならではの力作って感じがする!ホーンまで登場すると、ディスコエラって感じも漂ってるし
3. What Are You Doing New Year's Eve
これもグラディスとピップスのバランス感に長けたスロウで、不思議と音好きアドレナリン噴出。どこか懐かしさがあるんだけど、旨みのラインが独特で心躍起
4. This Christmas
これはダニー敬意のカヴァーというか、自然にゆらり。演奏の安定感、そこに貼り合せたようにしっとり歌い紡ぎ、気持うらら
5. Santa Clause Is Comin' To Town
大人のサンタカミング!って感じかな。子供の声を浮ついた感じでサンプリングし、ちょっと浮き気味…、結構大胆です(イタズラ録音にも聴こえる)。ダンクラに駆け上がるべく、楽しさと洗練さも含まれて、新しい時代のクリスマス曲って印象も
6. It's The Happiest Time Of The Year
どっしり歌われつつも演奏のライトさでヘビーを緩和、グラディスの緊張感あるヴォーカルはクリスマスの冷たさに自然と素朴な味付けに
7. I Believe
クリスマスってよりも、ゴスペル。ちょっとダークに構えてしまうよう、なんかシンミリさせ、ピップスも敢えての悲壮
8. When A Child Is Born
麗しくも、ブラック色が微かに、なんかポップセンス豊かな伸びやかなバラードって感じかな。前曲までは比較的ルーツあったぽいけど、ちょっと淡々とした感じが個人的にネガ
9. The Lord's Prayer (with Johnny Mathis)
クリスマス、スタンダードと言えば、ジョニー・メイティスは相当な大御所。その世界観に浸りながら、クラシカルなスロウを共に
10. Let There Be Peace On Earth (Let It Begin With Me)
最後は、意表をつくというか、これでもか!という程に暗め。緊張感を保って、爆発とまではいかない膨らみで駆け抜け、なんか消化不良も残るけど
10曲・41分半、前半は彼らの魅力再発見・惹き出しって印象だったけど、後半少し失速気味。浸れるクリスマス、鮮やかなクリスマス、それぞれを表現したかったのかな。なんか最終的には散漫になってしまった印象。ただし、個人的には前半の流れはツボ。彼らのオリジナル単体の中でも一風変わった味わいになってるはず。


