41f6R7l7tbL__SL160_昨日取り上げたグラディス・ナイト&ザ・ピップスの『Visions』のボートラのみを本日レビュー。というのも、今回の計8作のリイシューの中でも最もボートラが多いのが本作!実際、ディスク1にはボートラ8曲・更には追加ディスク2にはボートラ計15曲と、テンコモリすぎるんです。今まで聴いてなかった作品のボートラを23曲をどう聴けばいいんじゃい?って感じだけど、嬉しいリイシューにしっかり聴きこんでいければと思っています。ヴァージョン違い等については、さらーっと流しちゃう場合もあると思いますが。

<Disc.1>
11. Here's That Sunny Day (Single Version)
翌年の映画"Buddy" より、こういう収録は嬉しい!アルバムではなく、OST向けというか、しっとりした60年代を駆け抜けてきた彼らならではの懐かしみのあるバラード。メロディの親しみやすさも憂い
12. Save The Overtime (For Me) (Single Version)
1stシングル、オリジナルより1分近くカット
13. When You're Far Away (Single Version)
4thシングル、オリジナルより2分近くカット。注目すべきはオリジナルと異なるサウンドを交えて、ダンクラぽく遊んでいる点かな
14. You're Number One (In My Book) (Single Version)
2ndシングル、オリジナルより1分近くカット、さらーっとしたバラードに
15. Heaven Sent (Extended Mix) (Previous Unreleased)
アルバム曲ながら、ちょっと余韻を持たせて40秒程長くしたバラード。
16. Love's Gonna Get You (Previous Unreleased)
70年代ファンクってのかな、攻撃的でざらついてて、まるでThe Isley Brothers なんかに近い。ホーンとピアノの躍動感も、コーラスとリードのグラディスにかき消されちゃってるくらいに溌剌
17. When You Live Through As Many Heartaches (Previous Unreleased)
ギター乗り良いだけじゃなく、夏の匂いを持ちながら、かなりアッパーに流れるように進行。彼らぽくないサウンド、だけど楽しくスウィング感
18. You Got It (Go On With Bad Self) (Previous Unreleased)
ソウル期のような小細工薄めのファンクソウル、でもピアノだったりコーラスの躍動感漲ってるなー。フレーズ連呼だったり、グラディスの高音だったり(結構苦しそう)、ポップセンスある歌だったり、聴きどころ満載

<Disc.2>
1. Save The Overtime (For Me) (12 Inch Mix)
オリジナルより2分長い長尺、ただ全体的に美しさ引き伸ばしって感じかな


2. Save The Overtime (For Me) (12 Inch Instrumental Mix)
完全に1アイテムながら、出だしは新たなアカペラだし、結構施策も多め
3. Save The Overtime (For Me) (12 Inch Promo Edit)
オリジナルを30秒伸ばしただけ、あんまり変わり映えはないかな。今で言うミックスショウ
4. When You're Far Away (12 Inch Version)
オリジナルを1分超伸ばし、出だしを工夫・ただ古臭さもやや


5. When You're Far Away (12 Inch Instrumental Mix)
12インチと記載ありつつも、オリジナルと変わらない尺でインスト、コーラスのみ途中入る感じ
6. Here Now (Instrumental) (Previous Unreleased)
ここからの5曲は1981年12月録音・何かのインストヴァージョンってわけではなさそう。演奏がなかなか哀愁と切なさ、素敵なスロウ。これ、なかなか良いです!
7. Look At The Two Of Us (Take 2) (Previous Unreleased)
デモというより、演奏含めテイク2。ストリングスもコーラスも過剰だけど、勢いはあるな。躍動感、活き活きとした音色。グラディスの伸びやかで技巧ある震えは唸っちゃうな。コーラ自体がサビ:歯切れ良過ぎ
8. More, More, More (Previous Unreleased)
朴訥としたメロディ、ソウルまんまのバラード。懐かしさに浸りながら、しっとりと聴かせてくれるなー
9. Long Line (Take 3) (Previous Unreleased)
名演期待の流れるような水平線、でも出だしはピップスで裏切られつつ、ただ直ぐグラディス登場し安心感。とにかく心地よさ、ストリングスがナイスワーク
10. You've Got My Word On That (Previous Unreleased)
出だしのドラムは印象的、あとはしっぽりと優しく歌われるバラード。後半の熱さはお約束・期待通り
11. It Used To Be Me (Instrumental) (Previous Unreleased)
ここからの2曲は1981年3月録音、またインスト。美しいなぁ、こういう広がりのあるサウンドを生みだすのはプロ中のプロ。ソウル味も有り、浸れる!
12. She Believes In Me (Previous Unreleased)
Steven Gibb 作、ピップスのみで歌われつつも、ちょっと柔らかさが涙を誘いそう。王道メロディを、感情込めて
13. Hard Act To Follow (Previous Unreleased)
1983年11月録音、ベース・ギターの音がカッコイイ!Luther Vandross サウンドのようにアーバン意識。これは今になっての蔵出しってのが凄い、当時発売されてたらちょっと話題になったんじゃないかな
14. Kiss Away The Pain (Previous Unreleased)
ここからの2曲は1982年8月録音、緊張感あるサウンド、ピップスは後半ちょっと出てくるけど、まるでソロ曲のように、今のグラディスにも通ずるくらいに、洗練されたバラード
15. Precious Lord, Take My Hand (Previous Unreleased)
ラストは意表をついたゴスペル曲!これは本来何のためのレコーディングだったんだろう、いずれにせよ彼女はゴスペル映えもするから、当時このような録音をしていたことに興味

ディスク1は35分半、ディスク2は74分と、計23曲・110分近いボートラは半端ないです(本編の2.5倍のボリュームなんで)。特筆すべくは、未発表曲だったのが計13曲!更に未発表ミックスが1曲と、これだけで1枚のアルバムとなるべく素晴らしき蔵出し。これはお得すぎるリイシューでした。すこぶる内容も良かったです!つい先日、国内盤も同内容にてリイシューされたそうな。1000円以上値段に開きがありますが、何か異なる点があれば知りたいかも。

ヴィジョンズ-デラックス・エディション (帯ライナー付直輸入盤)
グラディス・ナイト&ザ・ピップス
ディスク・ユニオン
2013-11-27

Visions
Gladys Knight & The Pips
Razor & Tie
2013-10-30