マーヴィン・ゲイ、そしてニューソウルにおける大名盤『What's Going On』のデラックス盤は、オリジナル9曲に26トラックも追加豪華すぎる新装盤。既にオリジナルはレビュー済のため、今回はその他トラックを。それにしても曲数多いので、さっくりイキマス!まずは本作の位置づけとしては、ローリングストーン誌におけるアルバム500選の6位にランキングを果たしている点。更に、本作の実際のリリースは1971年5月21日、オリジナルのミックスがされたのは結構直前となる5月6日にロサンゼルスにて。その5日前となる5月1日にケネディセンターでライヴをしており、聴衆の反応を確かめて最終トラックダウンを行ったと考えられます。また、デラックス盤におけるディスク1には、一旦デトロイトで4月21日にデトロイトにてトラックダウンを終えていたアルバム本編の流れをそのまんまに収録…アルバム作成における流れが見事に収録されています。
<Disc.1>
Original Detroit Mix (April 5 1971)
10. What's Going On
シングルヴァージョンを基軸とした始まりになってました。実際のアルバムはガヤガヤしたスタートだったので、改めて効果音の必要性を感じたのでしょう
11. What's Happening Brother
この曲に関してはオリジナルと相違はあまりないかな、前後の音圧だったりっていうのは違いがある印象
12. Flyin' High (In The Friendly Sky)
オリジナルよりも籠った感じ。これをクリアにしてリリースされたのかな。でも、何だかこっちのほうが悲壮感があって独特
13. Save The Children
臨場感が高いのがコッチ。ただ、オリジナルはもっとシリアスさを高めているよう
14. God Is Love
演奏自体が異なっているように感じる程に、なんか忠実。オリジナルの方が流れに集中できるかな
15. Mercy Mercy Me (The Ecology)
明るさが更に増していて、これは完全にシングル寄りというか。最後のフェードアウトは、オリジナルだとより美しさを極めているので、プロセスが分かって曲の張り巡らし方を理解
16. Right On
ちょっとさらっとした音づかい、でも基本は同じかな
17. Wholy Holy
これも大きくは変わらず、ただストリングスを若干歪めているような気も
18. Inner City Blues (Make Me Wanna Holler)
終わり方に大きな違いが、なんか音遊びが残ったまま終了する本ヴァージョン、でも余韻を大切にしたのがオリジナルだね
The Foundation
19. What's Going On (Rhythm 'N' Strings Mix)
美しいヴァージョンだけど、これは当時創られたのは無さそうなので、、、音に浸るべくソウルからの脱皮。まるでディスコスロウって感じもする。ヴォーカルが見えないので、あくまでも曲の良さを再認識
<Disc.2>
Live at The Kennedy Center (May 1 1972)
1. Sixties Medley : That's The Way Love Is / You / I Heard It Through The Grapevine / Little Darling (I Need You) / You're All I Need To Get By / Ain't Nothing Like The Real Thing / Your Precious Love / Pride And Joy / Stubborn Kind of Sorrow)
初っ端13分半メドレーでスタート、悶絶の堂々たる9曲メドレー。何より出だしの憂いな感じがカッコイイ!息遣いなんかも含めて興奮していた場内を一蹴するようなマーヴィン温度に一転!これは9曲解説よりも、浸りましょう。流れ全てにおいてマーヴィンに持って行かれます
2. Right On
ここからアルバム全篇を公開し、場内の反応を見るべくステージ。手拍子なかなか、盛り上がり。鍵盤カックイイ!!
3. Wholy Holy
60年代には無かったファルセット攻勢、マーヴィンの歴史が大きく動いた瞬間。ホーンなんかもあって歌謡ぽさが残るけど、繊細に動かされていく音と声が実に清々しい
4. Inner City Blues (Make Me Wanna Holler)
観客悶絶じゃんね、だいぶ手ごたえ感じてると思われ。オリジナルよりも3分半も長い尺で勝負、じらしも含めてこれは敢えてのステージング用。声ひとつで発狂、熱い時代だ
5. What's Going On
既にシングルは発表されていたけど、ここで知ったのは観客の歓声なんかがアルバムの最終仕上げになっていると読んだ!他のコンセプトあると思ったら、何とも!!楽しく歌うポップソウル、今まではそこまで思わなかったけど朗らかな雰囲気とクラップ、素敵だ
6. What's Happening Brother
ゆったり気分を維持して、楽しく進行。なんともアルバムテーマと逸脱。でも重たくなくメッセージを発するが故のステージングかな
7. Flyin' High (In The Friendly Sky)
曲としては難解、これは実験だな。ライヴでは聴くのと同時に観るのにも体力が要りそう
8. Save The Children
曲のイメージとは異なり、会場全体が平和に包まれるよう。艶やかに飛ばすように歌うマーヴィンも勇ましい
9. God Is Love
ほぼ続編、2分弱だけど考えられた流れ
10. Stage Dialogue
MC、珍しいけど。楽しく場内と掛け合い、適度に流れるBGM演奏も程良く
11. Inner City Blues (Make Me Wanna Holler) (Reprise)
ここからの2曲はリプライズ、アルバムに近い形式で演奏、特にこの時点で完成しきっているような
12. What's Going On (Reprise)
流石に歓声は上がらず、でも刷り込まれる名曲。ラストがこの曲とは贅沢
Original Single Version
13. What's Going On (Single Version /Mono)
歪んだモノ、とは言え文句の付けどころのないエコーがかりの録音版
14. God Is Love (Single Version / Mono)
"What's Going On" B面。単体で聴くと素っ気ないけど、3分弱。でも真摯な印象が伝わる
15. Sad Tomorrows (Single Version)
"Mercy Mercy Me"B面。これも素っ気ないけど、シングルよりもアルバムで映えるなぁ。ソウルシングル化で、オールディーズ感
In The Meantime...
16. Head Title (aka Distant Lover)
これはオマケかな。でも、粗っぽい中で涼しげなストリングスがかい離的で興味深い
CD1は10曲・40分程、CD2は16曲(メドレーばらすと24曲)で76分半の、計26曲・116分のボーナス。凄いことになってるよなぁ。とにかく、このデラックス盤はその後の彼のリイシューのみならず、ソウル界におけるリイシューに一石を投じたはず。アルバム全貌を明らかにすることで、こんなに音が楽しめるとは!


