マーヴィン・ゲイの遺作となった1982年の『Midnight Love』、1998年に当時のセッションをまとめたボーナスCDを付属してリイシューされた『Midnight Love & The Sexual Healing Sessions』より、まだ取り上げてなかったレア14曲をレビュー。実に全曲が未発表でした。マーヴィンが80年代になって、求められる音が変わっていく中で、どう音作りと向き合っていたか、それを証明するべく内容の積り。1. Clique Games/Rick James (Original Version of "Midnight Lady")
本編1曲目の骨子、シンセが浮いてて、マーヴィンぽくないし、更にはリック・ジェイムスっぽくもないライトさ。オリジナルでさえ相当シャカシャカしてるのに、それを更に行く…よって、若干これを軌道修正していって本チャンができたんでしょうか
2. Sexual Healing (Alternate 12-inch Instrumental)
本編2曲目のデモ。ここからの3曲は、同曲なんだけど…まずは4曲目をベースにしたインスト。基本はMarvin Gaye 単独作だけど、これはOdel Brown & David RItz も共作。曲の印象からまずはリスナーに与える手法、中だるみ回避作かな。程良いフュージョンだけど、凄く繊細。音のバランス、組み合わせがすこぶる丁寧
3. Sexual Healing (Original Vocal Version)
何かベースにされた曲なのかと思ったら、アケペラヴァージョンでした。リードと、そこを優しく添えて進行するセルフコーラスが独特のハーモニー
4. Sexual Healing (Alternate Vocal/Mix)
マーヴィンの曲がアダコン寄りになってきたのが、ここに来てジワジワ。Lionel Richie あたりが分かりやすいかな、苦しそうな高音あれ、特に飾ることなく堂々進行。あれ、オリジナルにあったようなコーラスは薄めにアレンジ、音と声でメッセージを飛ばす愛おしい進行
5. I Bet You Wonder (Original Version of "Rockin' After Midnight")
本編3曲目のデモ。ほぼオリジナルの様相も、コーラスや間や音のバランス等に違いが。なんかタメなんかも多く、探っている中での7分のよう
6. Rockin' After Midnight (Instrumental)
これはほぼオリジナルと同一、ただ分数なんかは若干長めだったりするので、保存してるマスターを最大限に蔵出ししてくれたのでしょう
7. Baby, Baby, Baby (Original Vocal Version of "'Til Tomorrow")
本編4曲目のデモ。熱烈なラヴバラードというよりも、簡素な部分も。これは出だし含め、まだまだ手探り段階。ただ、セクシーで深みのある曲にしようとしていた意図は十分理解
8. I've Got My Music (Original Vocal Version of "Turn On Some Music")
本編5曲目のデモ。完全骨子、アカペラコーラスをベースに(60年代ソウル風に聴こえる)、リードはフックかましながら結構面白い進行。表現豊か、ここまで声で色味や世界を出せるのも技だな
9. Turn On Some Music (Alternate Vocal/Mix)
オリジナルも十分メロウだったけど、確かにこれは究極ver.、柔らかくて、でもポップさもあって、ソウルの暖かさもあるし、抜け目ない音遊びもあるし
10. Third World Girl (Original Reggae Version)
本編6曲目。全然異なると思ったら、何ともレゲエ風アレンジとは。実際よりも3分以上長く、音を試すようにシンセでウネってる
11. Third World Girl (Alternate Vocal/Mix)
オリジナルに近いけど、チャカポカしてて、リミックスのように感じるなぁ。マーヴィンぽくないけど、チャレンジが失われず、これも本CD4曲目に続き 曲調異なれどLionel Richie 的に感じる
12. My Love Is Waiting (Alternate Vocal/Mix)
本編8曲目(7曲目のデモは無かったです)のデモ。お後なかなかの、緩やかで爽快なポップ。マーヴィンぽくない、ヴォーカルの入れ方も控え目で、一聴分からない感じ
13. Marvin's Message to the CBS Records Staff
メッセージ1分、オマケ
14. Sexual Healing (Rehearsal Tape Courtesy of David Ritz)
リハーサル2分ちょっと、音が篭ってて、当時の断片が何か微笑ましい。まるでドキュメントの最後を飾るよう
14曲・74分半、アルバムの曲順通りに並べられていくデモ群・貴重マテリアルの数々。あくまでもアンリリースの素材を楽しむという趣向なので、アルバムとしては不満足と思いますが、マーヴィンの挑戦や音意識が伝わってきてワクワクしました。曲の重複なんかもある一方で、本ボーナスCDの制作は結構凝っていて、個人的には好感度が非常に高かったです。
