ルーサー・ヴァンドロス、2年振り・10枚目となる新作はR&B2位・POP9位を記録。自分としては、高校の頃近所の比較的小さなCD屋にも物色して行くことがよくあって（買わないんだけど）、で そこに結構新しいビルボードチャートのコピーが貼ってあって（粋！）、ルーサーの本作が何気に上位に食い込んでて、やっぱルーサーって昔の人じゃなくて地味にも現役なんだなぁって痛感したのを思い出すんです。実際、本作を聴いたのは大学になるまで時間を置くんだけど、そお後どんどんR&B・ソウルにはまる中で、色々と音楽地図みたいなのが観えてきて、今改めて本作の内容の濃さに気付いたりするんですよね。これを持って、長らく在籍したEpic でのオリジナル作は終了（元々93年『Never Let Me Go』以降は、カヴァー作、クリスマス作、ベスト2作等、ベテラン的でありつつ何か契約消化を感じさせる動きあったし）。この当時、オリジナルに込めるルーサーの愛の秘密とは？！1. Your Secret Love
1stシングル、R&B5位・POP52位を記録。オリジナルアルバムとしては、これまで以上にしっとりしたスタート。これは聴いてこそまどろみ。熱烈だけど、ソフトフル・ウォームフルの鉄板
2. Love Don't Love You Anymore
3rdシングル。1987年Gregory Hines 提供曲のセルフカヴァー、ほぼオリジナルのまんまに歌唱披露。多少、ルーサーの方がベルベットヴォーカルと言うか、柔らかみが長けてるよね。リミックス含め、プロモにおける影で最も遊ばれてる曲だけど、オリジナルからはその気配一切無し
3. It's Hard For Me To Say
1987年Diana Ross 提供曲のセルフカヴァー、オリジナルを聴いてたからこそ深みを感じるなぁ。まだまだ哀愁バラードアルバム状態。ダイアナと異なり聴かせるツボ違う、コーラス共々丸みが特徴
4. Crazy Love
1989年Amy Keys カヴァー、これもオリジナル聴いたときに、ルーサーver. 思いだして、凄く感激したのを思い出します。共に好きになった神妙で、実に丁寧で、気持がまっさらになる程の清々しさを秘めてるなぁ
5. I Can Make It Better
2ndシングル、R&B15位・POP80位を記録。本作における気合ながら、スロウドゥーワップ的で、且つ参加面々が勢ぞろい！Marcus Miller をはじめ、コーラスにはCissy Houston, Lisa Fitsher 等。サウンドとしては70年代ニューソウルのような美しさ、基本に満ちた展開
6. Too Proud To Beg
レコードで言えば、A面ラスト。まだまだバラード。ここまで愛づくしってのもルーサー快挙。トロロンと酔える流れ
7. I Can Wait No Longer (Let's Do This) (ft. Deidra "Spin" Roper)
後半はラップ交えて、ちょっとだけアッパーに。ちょっとダークながら"Nights In Harlem" みたいな現行R&Bの味。個人的には、常に若手と張ってるルーサーも好きなんだよなぁ
8. Nobody To Love
ユラユラとした大人モダン、控え目な歌唱、その中にもメッセージは強い。控え目なコーラスや演奏が実に巧みな世界観に
9. Whether Or Not The World Gets Better (with Lisa Fitsher)
ルーサー作だけど、曲は1986年？ミスプリ？久々にリサとの勝負に出たバラード、二人の相性は最適。特にルーサーのサポートが絶妙。リサはちょっとふくよかな歌唱になったかな
10. This Time I'm Right
コーラスの熱さ、それを楽しむようなルーサー。平和な全体にて、祝福のバラード。とにかく声が歌が渦に
11. Knocks Me Off My Feet
1976年Stevie Wonder カヴァー、とは言えルーサー世界に完全転換。しっとり通わせるヴォーカル、ベースラインがイイゾ！
12. Goin' Out Of My Head
1964年Little Anthony & the Imperials カヴァー、しっとりジャズぽいと思いきや、コーラスは壮大にゴスペルぽくなるし、オリジナルからの料理上手すぎ。後半のルーサーの振り絞る高音にもグイグイ攻められヤバイ！期待通りのラストを聴ける醍醐味、ルーサーは裏切らないなぁマジで
12曲・60分半、ルーサーのアルバムにおいてはちょっと陰を潜んでいると思うけど、全て聴けばそんなことなく、気合いが入った1枚。バラードが多いのが特徴でシングルヒットに結ばなかった傾向はあれど（ルーサーも商業においては見切りをつけてたのかな？）、相当愛されるべくアルバム。今回聴いて、相当ニンマリできました。
＜過去レビュー＞
1976年 Luther *group Luther
1977年 This Close To You *group Luther
1979年 New York City Band *New York City Band with Luther Vandross
1980年 Never Too Much
1982年 Forever, For Always, For Love
1985年 The Night I Fell In Love
1988年 Any Love
1989年 Live at Webley
1991年 Power of Love
1991年 The Rush
1991年 May Christmas Bring You Hapiness
1993年 Never Let Me Go
1993年 Heaven Knows
1994年 Endless Love with Mariah Carey
1995年 The Best Thing In Life Are Free Janet Jackson with BBD & Ralph Tresvant
1995年 Ain't No Stoppin' Us Now
1995年 Greates HIts 1981-1995
1995年 This Is Christmas
1996年 I Can Make It better
1997年 One Night With You : The Best of Love
1997年 Love Don't Love You Anymore
1998年 I Know
1998年 I Know (Remixes)
2001年 Take You Out (Remixes)
2001年 Can Heaven Wait (Remixes)
2001年 Home For Christmas
2002年 I'd Rather
2006年 Forever for Always for Luther vol.2 *V.A.
2006年 Shine
2006年 Ultimate Luther Vandross
2007年 Love Luther
2008年 All The Hits DVD
2010年 Essential Mixes
2012年 Hidden Gems
2012年 The Classic Christmas Albums
番外編 Instrumentals (1981-2007)
