41A3A0B0SWL__SL160_マーヴィン・ゲイのトリビュートアルバム、『Inner City Blues』以来4年振り2作目。前回は商業的な部分も大きかったように感じますが、今回はより趣向をブラックナイズにシフトさせて。更にはマーヴィン生誕60周年(亡くなって15年)という節目を持って、新たに彼の楽曲を祝福しようという企画のよう。当時の実力派に加え、最新のネオソウル系も多々。深みのソウルに期待!

1. Your Precious Love Erykah Badu, D'Angelo
Tammi Terrel との共演曲を、ここではデビュー来の仲、ディ・アンジェロとエリカの共演で。オールドソウルとなると、ここまで時代を戻した歌唱になるとは。エリカが目立ち気味かな…


2. Distant Lover Brian McKnight
相変わらずの安定ヴォーカル、マーヴィンにも近いものを感じるけど、やっぱ表現が90年代。ファルセットは、ブライアンの新境地な気も(隠し玉?)
3. You Sure Love to Ball Will Downing
ウィルならではの揺らめき節、うねうねしてて、マーヴィンに近づけるような歌唱かな。トリビュートには相応しい収録
4. Mercy Mercy Me (The Ecology) Jon B.
おー!似てる!というか、酷似した創りを模してて好感度!ダークネスに終わっていくとこなんかもまんまだし、ちょっと気持ち悪いくらいだけど、ここまでのカヴァーは最高じゃん
5. What's Going On Profyle
続いて、出だしのガヤガヤから模してる。ヴォーカルのふわっとしたマーガリンな感じも適度に抜群、コーラスまで!マーヴィンへのトリビュート心凄い、この曲を選んだ使命みたいのも伝わる
6. Got to Give It Up Zhan
このリズム聴くとRobin Thicke 思い出しちゃうけど、ふわっとした女性ヴォーカルがうまくフィットしてて、新たな解釈。囁きネオソウル、こんなトリビュートも好きだなぁ
7. I Want You Montell Jordan
モンテルがこんな曲調をやるのも当時は意外、でもはまってる。ミドルに中域とファルセット。遊びも含ませ、彼のファンとしては面白い惹きだしにニンマリ
8. Let's Get It On Gerald LeVert
おどけてても泣きのフレーズそれぞれに、ジェラルドにフィットしまくり。オリジナル以上に腹式ありまくりは相当伝わるけど、なんか安心感に繋がってるなぁ
9. Sexual Healing El DeBarge
エルを採用している地点で、ポップというか柔になるのは範疇。マーヴィンの世界を、彼が辿った初期の頃以上に爽やかに高らかに。違和感もあれど、これぞトリビュート作の中の1曲って感じがする、6曲目の感想に似るけど
10. Soon I'll Be Loving You Again Joe
ジョーと思えないくらい、まるでフュージョンのようなコーラスに徹しているよう。リードもあれど、マーヴィントリビュートならではの歌唱、これは新しい!


11. 'Til Tomorrow Chico DeBarge
このゆったりの心地、トロピカルなギター、更に休日感じるもっさりしたコーラス、最高!とにかく、癒し・リラックス・栄養どれもを付与


12. Just to Keep Her Satisfied Kenny Lattimore
マーヴィンぽくない曲って感じの仕上がり、ソウル期あっても、セクシーさや移ろいが絶妙にスロウに詰まってて、突き放す部分なんかは旨みのマーヴィン的流儀
13. If This World Were Mine Grenique, Tony Rich
ラストは、アコースティック〜優しいレゲエ調な音にて、解釈変えたようなアドリブ祭り。後半は割と息が合って、気持良く聴けました。ただこれは、ちょっとだけ拍子抜け、ライヴなんかでは楽しいかもしれないけど

<Bonus>
14. Got To Give It Up 小沢健二
当時チャートヒットもしていたオザケンヴァージョン、ほんとやるせない感じのヴォーカル。でも前述の13曲と比べると歴然、下方。彼はポップなスタンスでこそ活きる印象…ヴォーカルからして知ってただけに、採用されたことが残念

本編13曲・53分、国内盤のみ1曲追加で57分半、びっくりしたのは大半がオリジナル的な解釈をせずに、マーヴィンを意識したような作り、もしくはマーヴィンそっくりな全体になっているのは、数あるトリビュート作の中でも、やられたーって感じ。それがかなりクオリティも高いし、ヒット曲のオンパレードあって、マーヴィントリビュート心を排する事無く聴けたのが収穫でした。

<過去レビュー>
1964年 Together with Mary Wells
1966年 Moods of Marvin Gaye
1967年 United with Tammi Terrell
1970年 That's The Way Love Is
1971年 What's Going On
1972年 Trouble Man
1976年 I Want You
1978年 Hear, My Dear
1982年 Midnight Love
1985年 Romantically Yours
1985年 Dream of A Lifetime
1994年 Lucky Lucky Me
1995年 Inner City Blues - The Music of Marvin Gaye V.A.
1998年 The Sexual Healing Sessions
2000年 The Very Best of Marvin Gaye (Special Limited Edition 2CD) (EU)
2001年 The Best of Marvin Gaye (US)
2001年 What's Going On (Deluxe Edition)
2003年 I Want You (The Sessions)