216QNPS1D1L__SL160_サム・ムーア、幻のソロアルバム。実際、2006年にデビュー以来初のソロ作が出たという扱いになってますが、2002年に1970年当時に録音してあったという10曲がパッケージされて見事にも蔵出し。特に、1・2曲目を除き、残る8曲の制作陣が凄い!NY録音・LAマスタリング、総合プロデュース・サックスKing Curtis、キーボードAretha Franklin, Donny Hathaway、ドラムBernard Purdie、ギターCornelius Dupree, Eric Gale、ベースChuck Rainey、コーラスSweet Inspirations…鼻血です。特にアレサの作品なんかで観られる布陣ではあるものの、アトランティック期においてアレサが他者の作品にこれだけガッツリ参加したことは無し、なのにお蔵入りだったという悶絶事実。タマリマセン!!

1. Plenty Good Lovin'
表題曲、ヴォーカルのノリから音のワクワク度と言ったらタマラナイ弾け!次曲と併せて、コーラスにはBetty Wright, Jackie Morre あたりが参加。曲構成も、外野も相当に熱いソウル


2. Tennessee Waltz
Sam Cooke 名唱でもお馴染み。ニューソウル期に突入しつつ、新しさと60年代の誇りが混じったようなどっしりした佇まい。とにかく個性ずば抜け、圧のあるヴォーカルは聴き応え


3. Shop Around
Smokey Robinson 作。ここからです、問題曲の軒並みは!ぐいぐいと進行するハイパービートに、高音も炸裂に自然な流れ。とにかく勢い押しが凄まじい(ゲルマン的コーラスも惹き)
4. If I Lose Your Love
揺らめきスロウ、そこで振り絞るようなヴォーカルはパワフル。ただ陰が強い演奏は躊躇い、じっくり聴き惚れ
5. Stop
軽快に進行、ちょっと抜きに出た感じというか、ソウルをワウワウと流し。憎い
6. Get Out My Life Woman
オルガンの優しさ、ドラムやタンバリンの叩きも爽快で心地よい!何より主役はサム、演奏も凄いんだけど、ちゃんとヴォーカルがぐいぐい惹き立つ!
7. Hi Di Hi
ノリで進行する緩さ、まったりと音を流す感じかな。歌詞も歌もリラックス、少々迸るものはあるけれど
8. Keep On Sockin' It To Me
とにかくパワフル、更にヴォーカルの色使いがカラフル。個性が捲るめく展開。ビートについていく演奏陣たくましい
9. Part Time Love
Clay Hammond 作、ゴスペル的に7分近い歌唱。なんか切なさあり、広い景色も見えるようなアーバントさも有り
10. I Can't Stand It
たまらんキックで、最後までぐいぐい引っ張るソウル。オルガン埋もれてるけど、やっぱカッコイイ!ロックアプローチもある感じだけど、さっくり2分ちょいの短さで終了


10曲・34分、蔵出しされるには遅すぎた感じもするけど、これだけのパワーと結集は素晴らしい。サムのソロとしてのキャリアが華々しく迎えられるはずだったのに、色々あったんでしょうね。個人的には各演奏陣の音に耳を澄ましてしまいがちだったけど、それもひっくるめて良い意味で、うまくサムの作品として溶け込んでいるなぁと。

Plenty Good Lovin'
Sam Moore
Swing Cafe
2002-02-18

Plenty Good Lovin'
Sam Moore
2002-03-28

Plenty Good Lovin
Sam Moore
2-K Sounds
2002-08-13