51XKP3PDNBL__SL160_ダニ・ハザウェイ10ヶ月振り・2作目はR&B6位・POP89位を記録。没後25年以上経っても依然人気の高いダニー、今尚未発表曲が出れば話題になる程のソウルにおける重要なアーティスト。自分は限りあるオリジナルは全て取り上げた気で居ましたが、セルフタイトル作のみ未レビューでした。アルバムは中ヒットってところかな、2曲目なんかは彼における代表曲でもあるけど、如何せんシングルカットがゼロだった模様。それによって、アルバムの印象が埋もれがちなのかと。自分は、5枚組廉価オリジナルアルバムシリーズで購入なので、ボートラは無し。Jerry Wexler, Arif Mardin プロデュース、外れ無しでしょう!

1. Giving Up
Van McCoy 作、静かにスタートする緊張の面持ち、計6分超にて。ピアノ、ドラムのスロウ、遠吠えのようで意思のあるダニーのヴォーカル、全てがニューソウルの幕開け。清々しく朝日を感じるような、寄り添い安定


2. A Song For You
Leon Russell カヴァーながら、ダニー自身の素晴らしき作品として認知。決して派手さもないし、ピアノの移ろいこそ素敵に感じる夢想曲のようだけど、声と共に新たな伝え方・感動の寄せ方の提唱にも感じるなぁ


3. Little Girl
Billy Preston 作、スロウには変わりないけど、幾分声で勝負してる感は強いし、ビリー曲ってのもあるけどゴスペル的な解釈もあって、ブラックルーツを消化
4. He Ain't Heavy, He's My Brother
Bob Russell, Bobby Scott 作。まだまだ調子維持、じっくり聴かせるエモーショナル。ヒネリ無し、とにかく熱のあるリリックに、これぞという部分での強調ヴォーカル、ストリングスはやや過剰〜早フェードアウトと難
5. Magnificent Sanctuary Band
Dorsey Burnette作、B面スタート、リズムがだいぶ変わって、一般ソウルになってきたなぁと。60-70年代の架け橋的で、個人的にはワクワク
6. She Is My Lady
George Clinton 作、繊細なバラード。人間臭くも、後半はだいぶすっきりと気持ちを切り替えて歌い上げるようで、健やか
7. I Believe In Music
これも健やか、平和、暖かで、優しくて。朴訥とした青春なんだけど、小さなところから大きな世界を描いてしまうような可能性までも感じる希望に満ちた曲
8. Take A Love Song
アルバム前半に戻ったようで、でもシンプルにしなやかさ、リラックスさ。B面特徴として女性コーラスの壮大さを大事にし、なんか歌謡ソウル感抜群
9. Put Your Hand In The Hand
ラストはゴスペルのようにクラップとピアノで、でも声の鳴りはニューソウルタイプ。楽しく、でも慎重さは残しつつ

9曲・45分程。ヒットを狙ったよりは、新たな音楽の追及に徹している感あり。それもジェリーとアリフのコンビが総合プロデュースをしてこの出来栄えなので更に。ダニーは一貫とした魅力、前作よりも更に自分の突出方法を編み出しているような。個人的にはコーラスと演奏の巧みさに、当時作品の中でもずば抜けた融合みたいのを感じました。

<過去レビュー>
1970年 Everything Is Everything
1972年 Live
1972年 Come Back Charleston Blue (OST)
1973年 Extension of Love
1980年 In Performance
1990年 A Donny Hathaway Collection
2004年 These Songs for You Live

ダニー・ハサウェイ
ダニー・ハサウェイ
ワーナーミュージック・ジャパン
2013-03-20

ダニー・ハサウェイ
ダニー・ハサウェイ
イーストウエスト・ジャパン
1994-02-25

Donny Hathaway
Donny Hathaway
Elektra / Wea
1993-12-08

DONNY HATHAWAY - ORIGINAL ALBUM SERIES
DONNY HATHAWAY(ダニー・ハサウェイ)
Warner Music
2010-02-27