51wPekw90nL__SL160_ジョー、約2年半ぶりとなる3rdでR&B1位・POP2位を記録。ジョーの作品で言えば前作が名盤と掲げる人が多いと思うけど、商業的には本作が最も成功。自分も本作から購入してますが、正直なところ彼を知ったのはPOP4位の名バラード"I Wanna Know" からだったか、Mariah Carey との共演でPOP1位を獲得した"Thank God I Found You" だったかはちょっとうる覚え。ただ、この時期にR&B男性ヴォーカルが楽しいと個人的にも感じ始めてて(日本においてもChemistry なんかが出だしてて男性R&B豊富になりだした時期)、ジョーの音楽センスのズバ抜けはその後の熱になっていきました。コンスタントに今尚新作を出し続け、近日新作もリリース、本当に挑戦していくし、日本もしっかりターゲットとし、ライヴも盛ん。本作においてはだいぶ経ってからボートラ多数追加でリイシュー盤が出た程。

1. My Name Is Joe (Intro)
甘く乾いたファルセットなスロウ、1分ほどの優しさに詰まったジョー紹介のアカペラダブ風イントロ
2. Somebody Gotta Be On Top
程よいミディアムグルーヴで彼の音楽への確かなスタンスが分かる曲。決してぐいぐい攻めるよりも、音とのバランスを図りながら巧みにスウィング。歯切れも、叩きも、演奏のじっくりさも、ヴォーカルのキレも心地よい
3. Stutter
3rdシングル、Mystikal とのリミックスとしてカットされ映画Double Take よりカット/R&B・POP1位を記録。オリジナルよりRoy "Royalty" Hamilton, Teddy Riley pro. 、サビが印象的でサクッとしつつも、R&Bのリズム・メロディ・憂い・美しさが絶妙、テンポも保持、ヴォーカルの遊びも旨み


4. Table For Two
Allstar pro., 叩くようなビートあれど、更に裏で鳴るギターだったり、ジョーのセルフコーラスだったり、癖になる余韻多数
5. I Wanna Know
1stシングル、R&B2位・POP4位を記録。歌物バラード好きには悶絶、しなやか展開で、メロディの駆け上がりはグッと!低域もしっかり根ざしての訴求はタマラナイ!じわじわ胸に広がる名曲


6. Treat Her Like A Lady
2ndシングル、R&B15位・POP63位を記録。Isaac Hayes "Bumpy's Lament" サンプリング、探るような音を主体に刻むようでおどけた歌唱。でもクオリティの担保はしっかり


7. Get Crunk Tonight
正直出だしの音切れのように続く実験的なイントロはいただけないけど、その後に軽はずみな音やヴォーカルで挽回。ただ、どっちつかずな展開かも、読みにくい流れ
8. 5 6 3 (Joe)
フワリしたヴォーカルは新しい、更にファルセットにしても棚引く伸びもどこか爽やかだし、にしても区切り・歯切れ敢えて。こういう曲こそに抑揚あれ、アルバムの勢い・飽きなさへと
9. Peep Show
これは自然に歌われつつも、元がBackstreet Boys なんかにも言えるZomba リリースってのもあるのか、分かりやす過ぎるオールマイティなポップR&Bって印象。なんか商業ぽさや取っつきやすさ見え見え、ここまで行くと、ジョーの個性彷徨い
10. One Life Stand
甘くもテンポ良く、この当時は決して自然に術豊富。高らかに歌い避ける、でも暑苦しくなく、エモーショナルな本質で
11. Black Hawk
音調変えて、ダンサブルに。でも踊ってるジョーは想像しにくいのであくまでも感じだけ。端的にぐいぐい、ただ音は薄め、得意の探り
12. I Believe In You (with 'N Sync)
Justin Timberlake とジョー、なんか当時からすると違和感だけど、レーベル的に?ただ、当時はまだアイドルばりばりなので、ジョーのR&B調が何枚も上手なのも印象的。コーラスにインシンク、そのあたりで厚みは確かなものに
13. So Beautiful
スロウにも、打ち込みなんだけど、演奏が何気にシンプルでも強調。鮮明にそれぞれが惹き立ち、メロディやジョーは普通でもなんか縁取りしっかり
14. Thank God I Found You (Make It Last Remix Edit with Mariah Carey & Nas)
裏ジャケ表記的にはコレもボートラ扱いみたいだけど…アルバムラストは、Mariah Carey の最新作Rainbow からのシングルカットとして15曲目のPOP1位(+R&B1位)を記録した曲のリミックス(オリジナルver. はアルバム雰囲気に合わなかったんだろうなぁ)。ジョーの嘗てのコンピ含めてもオリジナル未収録は権利上かな(でも98 Degrees PV集には収録されてたり・・・)。マライアのリミックスの中でも挑戦と、ジョーがR&Bシンガーとしてかなり余裕のタッチに収まっているのが既に大御所感というか、サンプリングのKeith Sweat "Make It Last Forever" もイイ感じで曲に融合。あ、でも女帝声かなり苦しそう…


<Bonus>
15. Soon As I Get Paid
2ステップじゃないけど、それくらいに変速でぐいぐい進行する流れ。これは既発?新曲?テンポと音の入り混じりに個人的にはかなり当時気に入った曲
16. No One Else Comes Close
2nd All That I Am からの再収録。なぜ?って感じだけど、当時はまだこういう解釈もボートラにあったかもね。曲自体はしっとり美しく、ただR&Bよりもポップバラード寄り、自然に美しく酔い

本編14曲・59分弱、ボートラ2曲追加で66分弱(他にもボートラ更に1曲追加、2曲追加ヴァージョン等もありー)。最初から最後までR&Bアルバムってのも近年稀に見ぬ、それだけにかなり丁寧に作られた作品だったし、軸を歌や曲に置いて(誤魔化しサウンドではなく)、聴かせる・楽しませるの両方を取り込んだ作品と思います。


マイ・ネーム・イズ・ジョー
ジョー
ゾンバ・レコーズ・ジャパン
2000-11-08

マイ・ネーム・イズ・ジョー+
ジョー
ゾンバ・レコーズ・ジャパン
2001-06-27

My Name Is Joe
Joe
Jive
2000-04-18