4185T0jdPRL__SL160_ステイプル・シンガーズ、前作から6年振り・通算9作目でR&B43位を記録。本作が彼らにとってラストのグループにおける作品(今回のみPrivate I からのリリース)。自分は彼らのアルバムは2枚組ベストしか持ってなかったんだけど、メイヴィスは好きなのでこれから手軽に聴けるのであれば開拓していきたいと思ってます。シングルヒットは何気に多数、今回のリイシューでは未発表曲を含む5曲のボートラを追加収録したエクスパンド。SoulMusic.com Records からのリイシュー、近年結構色々と良質なリイシューを行っているレーベルより。

1. This Is Our Night
3rdシングル、R&B50位を記録。普通にダンクラポップ、これに驚いた!声揃えも当時のガールズグループと変わらないし。メイヴィスのソロが出れば、ハスキーさの突出はあれど、抑えつけられたようなヴォーカルアレンジはちょっと勿体ない気も、でも格は違う


2. Slippery People
2ndシングル、R&B22位・POP109位を記録。キュンキュン来るような音を使いながらも、不思議な声の合わさりだなぁと。聴きほれよりも、気になる要素が強いってのが感想。不思議な空気感漂い


3. Bridges Instead Of Walls
ミディアムスロウで、ちょっとホンワカ。息遣いが苦しそう、これもメイヴィスの魅力かな。コーラスはやるせなさも充満、これがR&Bにおけるステイプル・シンガーズ?70年代の印象が強かっただけに、ちょっと良い意味でも悪い意味でもヤラレテマス…
4. The Turning Point
タイトル曲、ポップだけど、コーラス(父?)のやるせなさが、テンションダウン。音は当時の模範にも近いけど、コーラスがダメにしてるなぁ、全体的に。メイヴィスも勢いがどこかに沈んでるような
5. Right Decision
メイヴィスじゃないね、これは野太い女性(姉妹)か、父だろうね。なんか、惹かれない…。音はどこかポップにも近づき、チャイナの匂いもしつつ、メイヴィスが後半出てくるまではインパクト無かった…でも全体的に厳しい
6. H-A-T-E (Don't Live Here Anymore)
1stシングル、R&B46位を記録。あれ、これもメイヴィスが先頭を切らない、やるせないヴォーカルは、ちょっと残念。コーラスはキレあるのは聴きとれるけど、ポップにも受け取れるサビが救いかな、裏のメイヴィス出てこーい


7. On My Own Again
メイヴィスが聴かせるバラード、だけどどこか不安定さの残るコーラスや、メイヴィス自身の息遣いで減点。ソウルフルなのでファンとしては評価も、難しい曲に仕上がってるなぁと
8. That's What Friends Are For
これは翌年リリースのDionne Warwick & Friends の同名異曲。アダコン風味に、決めてくるR&B。アルバムの中ではキレはある纏まり、仕上がりかな。コーラスとのバランスも丁度良いです

<Bonus>
9. Slippery People (US Club Version)
ステイプルス・シンガーが12"!と思って惹かれたのも有り、聴いてみたんですが、オリジナルがあまり評価できなかったんですよね・・。2分ちょっと長いですが、それに尽きました…音のツッコミは薄め
10. Slippery People (Instrumental)
オリジナルより30秒増しのインスト
11. Slippery People (US Single Edit)
更にはオリジナルより15秒カット、for マニア
12. H-A-T-E (Don't Live Here Anymore) (US Single Edit)
前曲と一緒、オリジナルより15秒カット for マニア more
13. Can You Hang (Non-LP B-Side Single)
決して埋もれ作というよりも、普通にアルバム曲的なクオリティは担保できてると。何気に、これ聴きやすい方かも、このボートラのみは感謝かな。リリックがしっかり走ってるのが評価

本編8曲・32分半、ボートラ5曲追加で56分超。正直、たまにダラっと聴くのは有りだなぁと思いましたが、語り継ぐほどの名盤には及んでないことが分かりました。彼らの作品がなかなかリイシューが進まないのも、当時の評価だけでなくリイシューヒットの難しさも潜んでるなぁと。過去のヒットから作品はリリースしてこれたにせよ、惰性ありそう。メイヴィス一家の歴史としてはしっかり堪能できましたが。

<過去レビュー> only Mavis Staples
1989年 Time Waits for No One
1996年 Spirituals & Gospel - Dedicated To Mahalia Jackson with Lucky Peterson
2007年 We'll Never Turn Back
2008年 Live : Hope At The Hide Out
2010年 You Are Not Alone
2013年 One True Vine

Turning Point
Staple Singers
Sony
1995-05-30

Turning Point: Expanded Edition
Staple Singers
Soulmusic.Com
2012-01-23