シーシー・ワイナンス、2年半振りとなるソロ7作目は、ゴスペル作としては異例の大ヒットとなったR&B1位・POP2位・Gospel1位を記録。自身としても最高位を獲得しただけでなく、アメリカだけでミリオンを達成。日本ではこの手のコテコテなゴスペルってのはなかなかヒットしにくいけど、真髄を知るには素晴らしき内容。これまでシーシーのソロ作については、あんまりレビューしてなかったので、これから強化していこうかなぁと。1. We Welcome You (Holy Father)
しっとり聴かせるオープニング、完全ゴスペルの美しさと凛としたヴォーカル、静けさの中で秘かに伝う崇め。徐々に壮大さを上げ、勇ましく精神力を感じさせてくれる名演
2. Forever
テンポをミディアムに起こし、ポップ性もある弾みはありつつ、シーシーが説法のような進行ってのに意外性。これまで、結構R&B寄りゴスペルが多かったけど、本格に根ざして一段と格上
3. Thy Will Be Done
1stシングル・タイトル曲。込めた想いを閉じ込めつつ、高らかに歌い上げつつも高域は抑えて、クワイアの上質なサウンド化が品の良さを上昇させつつ、後奏にあるような加音があったりと工夫も随所
4. Worthy
安定したヴォーカルをテンポ良いサウンドに乗せて、打ち込みにも近いような中にゴスペルの匂いを塗し。控えめに感じつつも、パワフルミュージック
5. It Ain't Over
3rdシングル。ホーンも入ったりしてパーティ的な盛り上がり系、四つ打ちアッパー。ファンク強め、クワイアの乗りも新たなサウンドへの自然参入功奏し
6. Waging War
2ndシングル、Stellar Awards 獲得曲。第51回グラミー賞Best Gospel Performance 、40th GMA Dove Awards Contemporary Gospel Recorded Song ノミネート。及び歯切れ良さがたまらない魅力、ここまで荒くない迫力を出せるシンガーだったとは。腹式十分に、伸びも、揺るぎなさも素晴らしい
7. Test of Time
優しく歌われ、まるで女神のような、息遣いまで抱擁に。サウンドは地味に攻めてて、ぐんぐん体内に入ってくる!ラストのクールダウンの展開が見事にストーリー性
8. I'll Live For You
王道行くメロディの中、クワイアと織りなす素敵なハーモニー、サウンドにこそ平和な煌めき、響き。輝かしいリリックとも燦然
9. Bless His Holy Name
アコースティックにも、攻めで少しの速さを持って、行き急いだような流れ。高域の伸びも惜しげなく、抑揚で情景の広がり
10. Oh Holy Place
冷たい美しい夜空が似合いそうな、じっくり、丁寧に歌われ、その中での感謝・慈悲。こだまするヴォーカルには強さと弱さも
11. You're the One
傷ついた主の探るような歌唱、か弱きもファルセットで続けるヴォーカルには力。ストリングスとの伏線は美しく、広がりは幾千も
12. The Coast Is Clear
クワイア台頭に歌われるアルバムでは珍しい曲。可愛らしく、シーシーは添えるようで音楽の先生のように主導。春の訪れを感じさせるようなウキウキ即興風
13. Falling In Love
前曲にもあったような暖かい流れを汲んで、そして平和なリズムでストリングスが絶えず場を明るみに。シーシーの声独断というよりも、全体で推進
14. Million Miles
ラストは、まるで大人しめにスタートも、ゴスペルの荒っぽさや、今まで少なかった男性クワイアを出して、無かった音の相殺。リズミカルで、ふんわりしてて、でも強さもあって最後まで魅力だったなぁ
14曲・72分のボリューム。シーシーがゴスペルに完全回帰しての作品、これがR&B要素を持ってR&B制覇、更にPOPチャートにおいても大健闘したのは大きなポイントかな。こういった実直な作品がしっかり期待・評価されるのは、ただのプロモだけでは難しかったりするので、全体を通しての整い・バランス感・そしてアグレッシヴさが素晴らしかったのかな。ゲスト陣に頼ることもなく、シーシーのクリエイティブで邁進すること自体に感心感心。
<過去レビュー>
1988年 Heaven
1993年 First Christmas & BeBe Winans
2009年 Still & BeBe Winans
