51Vv357wgHL__SL160_当時の若手黒人R&Bシンガーが中心となって集まり、フィル・コリンズの名曲をカヴァーし、それを1枚のアルバムとして完成させた、ただのトリビュート盤ではない、次元の高い作品。昨日フィルのベストを取り上げたのは、この作品を改めて楽しく聴けるかなぁと思って。自分は、ここからカットされた2,4,6曲目なんかは馴染み深かったんだけど、全部をしっかり堪能してなかった筈。改めて、こういうコンセプト作って最近無いよなぁと。元々は欧州・日本等で2001年にリリースされましたが、本国アメリカでは大幅に遅れて2003年のリリース。

1. Ray J Prelude Ray J
既に次曲をCDSだったり、ブランディのベストでも聴いてたりしてたので、この引き伸ばし40秒のイントロはゾクゾク感を増幅してくれて強い惹き
2. Another Day In Paradise (R&B Version) Brandy & Ray J
1stシングル。姉弟デュエットでスタート、オリジナルの旨みを維持しつつ、あとは二人の声で盛り上げる、彼らは天声だなぁと


3. Sussudio Ol Dirty Bastard
サンプリングしてるのかなぁと錯覚する位に、普通にフィル曲をカヴァーしてるから、改めて面白い作品なんだけど。R&Bとして普通に違和感なく演じちゃってる、スムースな聴き心地
4. Something Happened On The Way To Heaven Deborah Cox
プロモシングルとしてDance1位を記録(デボラ作品関連では Remixed にリミックスのみ収録)。オリジナルはもっとファンキーだったのに、後のダンスヴァージョンをプッシュするためと思ってしまうくらいに、スロウバラードで歌い上げるデボラ、作戦も上々だけど、突き抜ける高音は"Nobody Supposed To Be Here" にも近いくらいに熱帯


5. This Must Be Love Dane Bowers ft. Kelis
しなやかなカヴァー、サビのやるせなさも上々に。歌よりも、調子で攻めてる感有
6. In The Air Tonite Lil Kim ft. Phil Collins
2ndシングル。なんともフィル自身がセルフ客演する注目曲!リル・キムをラップに迎えたリミックスって捉える方が生かな?それにしても寛容だし、時代を超えてパワーアップしてる!個人的には当時リリースされてたAirheadz Trance Remix(BPM緩急有)がとにかく鼻血悶絶でした


7. Gotta Hold Over Me (Easy Lover) Coko
曲目が若干歪曲?ココの可愛らしい部分を前面に、癒しなR&Bに仕上がってて、どのアーティストもやるなぁって感じ
8. I Don't Care Anymore Kelis
5曲目ではフィーチャーだったケリス、2曲目の参加ではメインとして。当時の緩さ有り、あとはビッチな雰囲気も出てて何気に気になるカヴァーだったり
9. Can't Turn Back The Years Joe
ジャズの匂い、しっとり歌うジョー、期待通り。ひねりは無いけど、R&Bスタンスでカヴァーされて別次元の酔いどれ
10. Do You Remember Debelah Morgan
当時話題性のあったデブラ、溌剌とした歌声だけど、和な音を引き合いに、涼しげな展開を披露
11. Against All Odds Montell Jordan
ゴスペル的なカヴァー(クワイアのコーラスでスタート)、基軸はフィル同様なメロディで歌われるけど、ちょっと抑え目な部分もあって、フィルに負けてる…。もっと、力強くドカンと心打たれたかったけど、案外無難なカヴァーに着地
12. One More Night Changing Faces
出だしのコーラスからして彼女たちの魅力がうまく曲に張り付いている印象、浮遊するような世界観にて美しさにひたすら先導
13. All Of My Life TQ
これまで、あまり無かった雰囲気。レゲエではないけど、多少の揺れなんかも纏わりながら、人間味解いて、インディーズぽさが流れにてトロ旨
14. I Wish It Would Rain Down Brian Mcknight
これも同じような曲調、でもブライアンが歌うと上質に。あとはバックミュージックのような軽さがウリかな、歌期待してた人には…
15. Take Me Home Malik Pendleton
ラストは、昨日のベストでもラストトラックだったけど、卒なくヴォーカル・コーラスを併せて、程よい涼しさでエンド

15曲・約60分ほど(国内盤は更に3曲追加!)、前半のインパクトが大きいけど、全体を通して、総じてフィルの描いてきた音楽の器の大きさを感じたというか。企画物だったとしても、ここまでR&B一色に染まるからには、単にアーティストの努力だけではなく元から可能性がある曲が多かったような。柔軟曲・中立な曲ってのもポイントだったかもしれないな。トリビュート作ではなかなか感じにくい纏まりが絶大!

アーバン・リニューアル〜ザ・ソングス・オブ・フィル・コリンズ〜
オムニバス
ワーナーミュージック・ジャパン
2001-05-23

Urban Renewal
Phil Collins
Wea
2001-05-01