51MyjVuOLXL__SL160_ソロモン・バークと言えば、1960年代のソウルシンガーという認識ですが、彼は70年代になっても80年代になってもコンスタントに作品をリリース。本作は1年半のブランクを空けてますが(これでも長い方)、Rounder からの2作目として精力的に活動。これはタイトルを見て思ったんだけど、当時Ben E. King が"Stand By Me" リバイバルヒットをしていたころで、彼もそういった過去の曲を今に蘇らせることで、新たなファンにアプローチしようとしてたのかなぁと。ただし、ジャケは完全に薄いもの。自分はユニオン赤シール3点1000円で捕獲のCDです。

1. Love Buys Love
Paul Kelly 作、当時のソウルシンガーらしい柔らかいサウンドに乗せて、ふくよかなヴォーカル、安心感ある抱擁感
2. Got To Get Myself Some Money
ソロモン作、キャッチーでハッピーで軽快なファンキーヴァイブ。高域なんて、かなりグルーヴィなヴォーカル炸裂、これが埋もれちゃ勿体ないくらい
3. Let It Be You And Me
Paul Kelly 作、しっとりバラード。ジャジーに、ストレートに歌を飛ばす唄い手。人間臭くも、ソウルを残しつつ、なんかRay Charles なんかにも似た感触
4. Love Is All That Matters
Dan Penn, Spooner Oldham 作。にんまりしてしまう程の、50-60年代風の歌謡風、それでも古さよりも実直さが勝ってる、ソウルの真髄・根底。中間でのギターも染みる
5. Don't Tell Me What A Man Won't Do For A Woman
Jimmy Lewis 作。どこか渋く歌われているのに、サウンドはあっけらかんとしているので、スムースに流れて行くよう
6. A Change Is Gonna Come
1stシングル。Sam Cooke カヴァー、物悲しげな発声で始まる印象的なB面、そしてサムへの想いが詰まっているようで、これまでと全く異なる印象。7分半に亘って展開され、この曲あってこそアルバムの重みがズシーンと


7. Here We Go Again
ソロモン作、時代を意識しているようで、ファンク強めのポップ。まだまだ新たな音にも映えるし、彼の喉の安定感は抜群
8. It Don't Get No Better Than This
Dan Penn, Spooner Oldham 作。名コンビ曲を、秋の涼しい風に浴びながら聴けるような、クールダウンバラード。暑苦しさ完全削げ、じわっと体内に入ってくるよう
9. When A Man Loves A Woman
Percy Sledge カヴァー、6曲目とは異なりパワフルに歌い上げる、度量が違う!更にはパーシー意識なのか、彼の魂は普段はこれだけ強いものを持ってたんだろうな、リンクより 珍しい当時のTV出演シーンも印象的だけど


9曲・42分半、多種な音と声を楽しめる作品。これ、自分好みでした。アルバムとしての認知は分からないけど、色褪せてないし、今こういう作品が出たとしてもあり得るというか。それだけにソロモンだけでなく、ミュジーシャンがしっかり音を創りこんできているなぁと。こういうのは、時期的なものもあってリイシューになりにくいと思うけど再評価してよいと思います!

<過去レビュー>
1965年 The Best of Solomon Burke
1993年 Soul of The Blues
2002年 Don't Give Up On Me
2010年 Nothing's Impossible
2012年 The Last Great Concert - Switzerland 2008

A Change Is Gonna Come
Solomon Burke
Demon / Rounder
1986-01-01

Change Is Gonna Come
Solomon Burke
Rounder / Umgd
1994-08-02