先月急逝したボビー・ウーマック、彼が前作から1年のスパン・更に数年在籍したColumbia を離れて唯一1作のみArista よりリリースした計13作目、R&B55位・POP206位を記録。70年代後半、結構色々なジャンルに挑戦していた中にも、改めてソウルに回帰して制作された意欲作且つ、ソウルファンにも評判高い作品。ボビー・ウーマック、当時35歳(なんか、しみじみ、今の自分と同い歳)。このアルバムは、新たにレーベルでのリリースが出来たことで、Clive Davis を含む多数関係者への賛辞を送るとともに、半年でこの世を去ってしまった実の息子Truth Womack に捧げられています。1. The Roads Of Life
タイトル曲は、当時のアップテンポを意識。決してディスコとまではいかないけど、モダンに突っ走って、重荷を振り解いてガムシャラに。メロディは単調だけど、コーラス含め歌謡ファンキーに
2. How Could You Break My Heart
1stシングル、R&B40位を記録。電話音や女性とのトークをイントロに、ネオソウルや柔らかな心地を持ったメロウ傑作曲。ゴリゴリに熱くて、でもネットリ。シカゴ臭さぽさも残しつつ、ごちゃまぜに華麗な音は惹き、歌もこれまで以上に熱してるのでは。後半、緩やかに演奏に耳を持たせてくれる流れ、にんまり
3. Honey Dripper Boogie
リズムが何とも!フィルターがけたヴォーカルも味あるし、革新。それでいてファンク根ざし、ちょっと古っぽいけど。ぐいぐい男気、そしてはっちゃけた歌唱もまだまだこだまし、最高潮。コラースの柔らかさも絶妙。ベースもホーンもピアノも生き生き
4. The Roots In Me
ソウルアルバムには、こういった泥臭くて、歌謡的なバラードは嬉しい。でも熱さや、アドリブ的な女性パートなんかも入れて、弾けてる!まるでライヴ、躍動感をパッケージ
5. What Are You Doin'
まだまだ走る音楽、時代もあるのかな。クオリティはなかなか、こういった繊細でアグレッシヴな音はディスコにもソウルにも歓迎。なんだか、たまにヴォーカルの伝えを帰るのは時代?ホーンは淡々、シンセも当時ならではのテクノ音
6. Give It Up
聴きやすい水平線が浮かぶ正統派なミディアム、流れに任せ、夏にもフィット。彼は季節関係なく、ソウルを切に。
7. Mr. D.J. Don't Stop The Music
ストリングスがフル回転な感じで、コーラスもここではセクシー、ボビーが全体を染めるわけではなく、前半を掴んだら後半は他協力陣に任す信頼の関係
8. I Honestly Love You
しっかりラストを伝える淑やかさ、穏やかさ。実に清々と、これだけはカヴァーなのかな。メロディに沿って、歌唱、そして泣きのように響かせるソウルシンガーとしての器、なんか泣けてくる。でも、この頃35か、改めて同い歳か、考えさせられる。ボビー、あんた渋くて、いろんな経験してたんだね、俺も頑張る!って感じ、響く、染みる
8曲・38分半、全体的に当時に殴りこみをかけてる印象は強いかな、それはレーベルの意向も多少はあるだろうし、ソウルにおいて沈みかけた船をちゃんと起きあがらせたいという双方の想いと言うか。その一方で、実に伸び伸びと歌い上げてて、演奏や流れもかなりこだわってて、ボビーの作品に無かった作風だなぁと、凄い聴きこみたくなる創りでした。これは意表を突かれたし、良いターニングポイントになる作品だったんじゃないかな。
<過去レビュー>
1968年 Fly Me To The Moon
1971年 Communication
1972年 Understanding
1972年 Across 110th Street & Peace
1976年 Home Is Where The Heart Is
1976年 B.W. Goes C.W.
1981年 The Poet
1984年 Poet ll
1987年 The Last Soul Man
1989年 Save The Children
1996年 It's A Mans Man Mans World with Jeanie Tracy
1999年 Back To My Roots
2012年 Live @ Billboard Live Tokyo
2012年 The Bravest Man in the Universe


私は高校時代の79年から大学卒業までの5年間
神戸、大阪でディスコの職業DJをしていました。
このアルバムはリアルタイムでよく使用しましたので
思い出深いです
今後も色々な音楽を勉強させていただければ幸いです