41S504GCQ4L__SL160_カーティス・メイフィールド、不慮の事故から6年、半身不随となってしまった彼ですが、不死身の復活となる作品で、R&B24位・POP137位を記録。2年前には彼へのトリビュート作がリリースされ、カーティス自身も弱々しい声にて1曲の未参加していましたが、今回はリスナーの期待に応えるべくフルでのリリース。更にはこの3年後には亡くなってしまうので、惜しくも遺作ともなってしまいましたが。カーティスの復活に、これまで縁のあったアーティストが多数参加、特にAretha Franklin, Mavis Staples の参加は超話題でした。来月アトランティック1000円シリーズのラインナップにも一部彼の作品も加わっているので、少しは話題になると思います。

1. New World Order
タイトル曲且つ1stシングル、R&B49位を記録。出だしから泣ける音、そこに淡々と歌うカーティス、なんか健在だなぁ。呟く声にも命がある!当時の彼を最大限に生かした仕上がり、これは大好きな曲。メッセージ性も甦生、PVにも率先して参加してるし


2. Ms. Martha (ft. Mavis Staples)
70年代と90年代の音の良さが織り交ぜ。Staple Singers 時代のOST Let's Do It Again にてpro. したお返しか、メイヴィス参加!!渋いアドリブにて、涼しげな女性コーラスも良いし、全体で最高なグルーヴに
3. Back To Living Again (ft. Aretha Franklin)
2ndシングル、R&B88位を記録。1976年Sparkle, 1978年Almighty Fire で全面タッグを組んだ同士、カーティスを応援するためにアレサが参加、これまた泣けてくる。メッセージ性がまたもあるし、ほんわかしてるけど、全体に馴染むメロウに涙を誘う。更に後半のアレサの"Go Ahead Mayfield" はソウルクイーン最大限の賛辞


4. No One Knows About A Good Thing (You Don't Have To Cry)
3rdシングル、R&B61位を記録。Daryl Simmons 共作。エロい雰囲気、90年代後半の甘茶として新たに提唱。素晴らしい!ねっとりしてるけど、現役感がじわじわ広がるし


5. Just A Little Bit Of Love
当時で言うとDallas Austin あたりが攻めそうなシンセを入れ込んでくるあたり、進化するカーティスを感じるというか。ヴォーカルもフィルターがけてクール、リズムも格好良いし、おどけたヴォーカル聴けるのも旨み。息子かな、あともう1名女性のラップまで入れ込んできてるし
6. We People Who Are Darker Than Blue
1970年のセルフカヴァー、ちょっとトーンは低めに、インディーズぽいサウンドは敢えてなのかな。なんか、彼のクリエイティヴが落ちてないことに驚き
7. I Believe In You (ft. Sandra St. Victor)
デュエット的に進行、シカゴソウル健在に、それでいて今の音の魅力もパック。恋愛づいてた彼なので、こういう曲も入ってると、本作においてはなんかニンマリ、ホッとする部分もあったり、なんだろこの感覚
8. Here But I'm Gone
1分のイントロを経て、淡々と。ヴォーカルの重ねを止めずに進むだけで、個性が出るのも強み。ギターの強さもポイント、だけど全体では颯爽とした印象かな
9. It Was Love That We Needed (ft. Shirley Murdock)
1979年Rod Stewart 提供曲、セルフカヴァー。幸せ全開で、シャーリーが骨子をしっかり囲い込んでくれてるので美しい仕上がりに
10. The Got Dang Song
Narada Michael Walden pro. 、可愛らしい仕上がり、カーティスの声にはこういうポップな平和な仕上がりはフィットするなぁ。別の角度から再認識
11. The Girl I Find Stays On My Mind
1969年The Impressions 時代からのセルフカヴァー、アレンジこそジャズぽくて味わい深いんだけど、歌唱は当時を意識したような感じで微笑ましいな
12. Let's Not Forget
まだまだ、ほっこりする曲が並ぶなぁ。時に外しそうになる音程にはヒヤヒヤするけど、それも含めて頑張ってる感じが好きだなぁ
13. Oh So Beautiful
10曲目に続きナラダ担当、一部ヴォーカルは他者参加あれど、当時のR&Bまんまに輝いてて、カーティスと言う素材を活かしつつの復権に凄みを感じるなぁ

13曲・63分、これまでの創りとは大きく異なり、現代に対峙する内容として輝いていました。いつもと異なるアルバム制作ながら、これは本当ソウルにおいて素晴らしい功績となりました。改めて、カヴァーが多かったこと、ゲストもうまく活きてるなぁと、ほんと充実作。なんか、自然と楽しめたのも個人的に嬉しいポイントです。

New World Order
Curtis Mayfield
Warner Bros / Wea
1996-09-26

New World Order
Curtis Mayfield
Warner Bros / Wea
1996-09-03

カーティス・メイフィールド
ダブリューイーエー・ジャパン
1996-10-25